永瀬正敏と窪田正孝が共演する映画『ファンシー』の公開日が2020年2月7日に決定し、場面写真が公開された。

参考：オダギリジョーの“わがままでぜいたくな”一作　『ある船頭の話』に込められた現代社会への問い

　本作は、連合赤軍をモデルにした『レッド』で文化庁メディア芸術祭漫画部門の優秀賞を受賞した漫画家・山本直樹による、1998年発行の『学校』に収録された異色の短編を映画化するもの。

　とある地方の寂れた温泉街。時が止まったように昭和の面影を色濃く残すこの町で彫師稼業を営む鷹巣明（永瀬正敏）は、昼間は郵便配達員として働き、町外れの白い家に住む若き詩人にファンレターを届けている。一日中サングラスをかけている謎めいた鷹巣と、ペンギン（窪田正孝）と呼ばれる浮世離れしたポエム作家はなぜかウマが合い、毎日たわいない雑談を交わしていた。そんなある日、ペンギンのもとに彼の熱狂的なファンである月夜の星（小西桜子）という女子が「妻になりたい」と押しかけてくる。折しも地元の町では、ヤクザの抗争など血生臭い出来事が続発。やがてニヒルで粗暴な鷹巣、ロマンティストで性的不能のペンギン、少女のように夢見がちな月夜の星が陥った奇妙な三角関係は、激しく危うげに捻れていく。

　河瀬直美監督と組んだ『あん』『光』『Vision　ビジョン』、ジム・ジャームッシュ監督との久々のコンビ作『パターソン』になど、国内外のフィルムメーカーからの出演オファーが絶えない永瀬が演じるのは、ミステリアスな元彫師の郵便屋。山本の原作漫画でペンギンという詩人の奇想天外なキャラクターを窪田が演じる。対照的な二人の男性の間で少女から女へと変貌を遂げる小西は、三池崇監督最新作『初恋』のヒロイン役にも抜擢された新人女優だ。

　また、鷹巣が務める郵便局の所長に田口トモロヲ、鷹巣の父親役に宇崎竜童、鷹巣に入れ墨を彫ってもらう殺し屋役に深水元基、鷹巣の元後輩でヤクザの組員に長谷川朝晴、ヤクザの若頭役に坂田聡、鷹巣が働く郵便局の同僚役に吉岡睦雄、鷹巣の旧友役に榊󠄀 英雄、鷹巣の元妻役に佐藤江梨子といった個性豊かなベテラン、中堅俳優たちが脇を固める。

　公開された場面写真には、キャスト陣が演じる個性豊かなキャラクターの姿が捉えられている。（リアルサウンド編集部）