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「ブラック校則」吃音症の少年演じたラッパー達磨、クライマックスの“叫び”を語る

ナタリー

19/11/12(火) 7:00

「ブラック校則」より、達磨演じる東詩音。

佐藤勝利(Sexy Zone)の主演作「ブラック校則」より、東詩音役を務めた達磨のコメントが到着した。

生徒を縛り付ける理不尽な“ブラック校則”と闘う高校生の姿を描く本作。主人公・小野田創楽に佐藤、創楽の親友・月岡中弥には高橋海人(King & Prince)が扮し、ヒロインの町田希央役にはモトーラ世理奈が起用された。

東は、創楽や中弥と同じ学校に通う男子高校生。彼は吃音症をからかわれるため校内では口を閉ざしていたが、中弥の優しさに触れたことをきっかけに心を開いていく。トラックを作るほどラップ好きな一面があり、映画のクライマックスにあたる創楽をきっかけに始まった“反乱”では、これまで秘めてきた思いをラップにして叫ぶシーンが登場する。「シーン 85~103」と銘打たれた同曲は、映画のオリジナル・サウンドトラックに収録された。

ラッパーとして活動している達磨は、これが演技初挑戦。自身も吃音症を持つ彼は「自分は同じ境遇だったので、クライマックスシーンでは半分、自分自身を出すつもりでラップと演技をさせて頂きました」と振り返り、ラップシーンの撮影後には共演者やスタッフから大きな拍手を送られたと明かす。NHK Eテレ「バリバラ」でラップをする達磨の姿に衝撃を受けたプロデューサー・河野英裕は「彼が『ブラック校則』の中に存在してくれたら、僕が一瞬で心を掴まれた時のように、この物語を見てくれた人の心に、本作で伝えたいこと描きたいことを、刻みつけてくれるはずだと思いました」とキャスティングに込めた思いを語った。達磨と河野のコメント全文と、本作の脚本家・此元和津也が手がけた「シーン 85~103」の歌詞は下記に掲載する。

なお、昨日10月11日に放送された連続ドラマ「ブラック校則」第5話には、東や光石研演じるラップが得意なノリのいいおじさん・井上外志雄らによるラップバトルのシーンが。同エピソードは、現在TVerやHuluで配信されている。

菅原伸太郎がメガホンを取った映画「ブラック校則」は、全国の劇場で上映中。

達磨 コメント

どんな思いでクライマックスシーン演じたか

ラップ以外のお芝居は初めてなりに東詩音として演じさせて頂きましたが、吃音症を持ちながらラップが好きという東詩音のキャラクターと自分は同じ境遇だったので、クライマックスシーンでは半分、自分自身を出すつもりでラップと演技をさせて頂きました。またそこに仲間が校則に苦しめられていて、それを助けたいという気持ちが自分の過去と重なる部分があったため、その時の自分に置き換えて演じました。

注目してほしいポイント

(公開後の反響として)ラップに興味のあるリスナー以外の方から評価されるようになりました。普段の僕は自分の感情しかラップにしないのですが、今回は東詩音というキャラクターの立場のリリックをラップさせて頂きました。それがいつもの僕とは違うポイントなので、注目して欲しいです。

吃音症の生徒を演じた思い

お芝居の中で僕の演じる東詩音は、吃音症が原因で同級生にいじめられるシーンがいくつかあり、その時少し心が痛くなったりしました。ただ、ラップシーンでカットがかかった瞬間にエキストラやスタッフの方から大きな拍手をして貰い、辛い事や苦しい事を経験しているからこそ、幸せが何倍にも感じられるという事をその時に改めて実感しました。

河野英裕(プロデューサー)コメント

NHKのバリアフリーバラエティ「バリバラ」を見ていて、そこで達磨くんのラップを初めて見ました。その叫びに衝撃を受けました。「思いを伝える」って、とてつもなく難しくて大変なことだけれど、達磨くんの叫びは一瞬で深く心に刻まれてしまいました。役者でもないし、プロのラッパーでもない。吃音症というハンデ。けれど彼の声と叫びは本物で。彼が「ブラック校則」の中に存在してくれたら、僕が一瞬で心を掴まれた時のように、この物語を見てくれた人の心に、本作で伝えたいこと描きたいことを、刻みつけてくれるはずだと思いました。

「シーン 85~103」歌詞全文

なんで俺は 人と同じように話せないの
なんでと訊かれた問いにも やっぱり言葉が出てこない
答えはあるんだ だけど一言目からつまずいて
誰も聞いてくれなかったから 僕は黙るしかなかった
だけどノート広げて一言目 吐き出すためにペンで書き出して
人の声を笑うやつらに 今日は声をお届けします

満身創痍でジタバタしてる 人間を冷笑する風潮
いいねの数を求めさまよい歩く お前らまるで夢遊病
普通そうという価値観に がんじがらめでかわいそう
出てもひっこんでも打たれる 横並びの美学に果たし状

何も生み出せず抱えてるだけで 決して立とうとしない矢面
その終わった感性で 足を引っ張る手には孫の手
あの子が描いたウォールアート 届かない少女の窓の手
未来は僕らの手の中って 見てるだけなのか手をこまねいて

国語 数学 理科 社会 体育
なんの教師か知らねえが 誰も教えてくれねえ明日
俺らは今日しか知らねえし 心を殺して従いました
絶えず拘束されてきた彼女の切実に絡みつくヒル
高速道路ぶっ飛ばすには足りねえ年齢ひとつ ふたつ
型に嵌められ抑えつけたあげく 彼女に手を下すオーバーキル
早く大人になりたいって 思わせてくれよ頼むから!

成功例出され比較され 下むいていつまでも不貞腐れ
校庭でお前らや教師からされた全否定 くたばれ!
伝統芸のように繰り返され 貼られるレッテル劣等生
あえて全校生徒に言いたい 俺がしてやる全肯定!

くだらねえ決まりごと 食い散らす
どんなお前も生きていい だから食いしばる
必ずある居場所 俺ら許し合う
既にここにあるはずだ freedom
相対性理論 超えれない光速
机上の空論 超えてやる校則

(c)2019日本テレビ/ジェイ・ストーム

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