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V6は、25周年を迎えてもなお攻め続けていくーー『三宅健のラヂオ』で語られた配信ライブの裏側

リアルサウンド

20/11/12(木) 6:00

 V6の三宅健がパーソナリティを務める『三宅健のラヂオ』(bayfm)。11月9日放送回では、11月1日に配信された『V6 For the 25th anniversary』を振り返った。

V6

 11月13日にはリピート配信が決定し、11月1日のチケットを持っている人はもう一度楽しめるというのも、配信ライブならではの楽しみ方だ。

「ドキドキしたなー、久々だったのでね、結構な緊張感がありましたね。やっぱり生だからドキドキするよね。ミスできないしさ。結構ドキドキもんだったな」と三宅が語る通り、V6にとって『V6 LIVE TOUR 2017 The ONES』以来3年ぶりとなった今回のライブ。しかも、直前まで開催できるかどうかが懸念された上での、初めての配信スタイルだ。メンバーもスタッフもバタバタだったという。

「結構ギリギリまで粘って粘って、みんなで“あーでもないこーでもない”言いながら、変更に変更を重ねながら、ああいった形になったので。期間的には短かったんですよ。リハーサルとかも含めて」

 そんな切羽詰まった状況の中でも、V6らしいやりとりが繰り広げられていたことを明かす。

 それは「SILENT GALAXY」でのこと。もともとの歌い分けでは、1サビまで三宅のパートがないことに気づいた坂本昌行が、自身が担当しているAメロBメロで「ここさ、健の歌い分けがないから俺と一緒にしちゃっていい?」とスタッフに提案してくれたという。コンサートや歌番組では、CDのフルサイズとは異なるワンハーフサイズで披露されることが多い。そのため、歌い分けの調整が必要なのだが、そうした細かな点までメンバーが気づき、提案していく丁寧さがさすがV6だ。

 「すみません! 坂本くんファンの方。坂本くんのソロに私の声が混ざっちゃって申し訳ない!」と笑いを誘って見せる三宅だが、このスタンスはライブのMC中にも感じることができた。

 最近、カメラでメンバーを撮影している岡田准一が、ライブ中にもカメラを手にメンバーを激写する一幕があった。5人を撮るのに夢中になるあまり配信しているカメラの画角から出っぱなしになる岡田を、「これじゃ岡田が写らない」「岡田を見たい人もいるんだから」と、しきりに呼び寄せる20th Centuryメンバーの姿が印象的だった。そのとき岡田も「(見たい人)誰もいないでしょ(笑)」と謙遜していたのが、「私の声が混ざっちゃって申し訳ない」という三宅と重なって微笑ましい。穏やかで面倒見のいい兄たちと、その愛情をくすぐったそうに受け取る無邪気な弟たち。そんな構図がいつもV6の中にあった。

 そんな細かな部分まで気がつく視点の繊細さと、こだわりを貫く強さとが両立しているからこそ、V6のライブは噛めば噛むほど味わい深い。今回はセットリストも演出もメンバーのアイデアの意見がふんだんに取り入れられているといわれていた通り、「『GOLD』は私がどうしても入れたくて入れたんですけど」と続く。振り付けが簡単な動きなはずなのに、覚えにくく、森田剛と共に苦戦した裏話を織り交ぜつつ、アリーナに敷き詰められたLEDで楽曲の持つ不思議な世界観を表現したという。

 また、「All For You」では長野博が降りてくる階段が途中から絵になっていたり、上の気のオブジェがある文字になっていたり……とギミックが隠されていたことも明かされる。さらに緻密な計算のもとで完成した「Can’t Get Enough」の鏡の演出に、「羽根」の逆再生音。「『WALK』から『羽根』の繋がりが凄く好き」と嬉しそうに話す三宅の声に、これは1度見た人もリピート配信でくまなくチェックし甲斐があるというものだ。

 本来、観客で埋まるはずだったアリーナをフル活用して、幻想的な空間を創り上げた。そしてフライングからダンスの動きをスムーズにすべく生中継と収録の映像を組み合わせて、より濃度の高いライブ演出を見せてくれた。コンサートでありながら、配信ならではの“作品”へと昇華した今回の25周年ライブ。そこに三宅のラジオ解説が加わって、1回目では気づかなかった部分が見えてくる、何度でも楽しめるコンテンツへとなった。

 変わらない微笑ましさを持ちながら、ニヤリとするような進化も遂げていくV6。25周年という大きな区切りを迎えてもなお、守りに入るどころか、攻め続けていく。そんな彼らに頼もしさと誇らしさを感じずにはいられない。きっと、V6ならこの先の25年も、楽しみながら私たちに新しいエンタメを見せてくれるに違いない。

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