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アイナ・ジ・エンドも登場!ROTH BART BARONが新木場に作り出した極彩色の祝祭空間

ナタリー

左からアイナ・ジ・エンド、三船雅也。(Photo by Teppei Kishida)

ROTH BART BARONが7月23日に東京・USEN STUDIO COASTでライブイベント「BEAR NIGHT 2」を開催した。

「BEAR NIGHT」は2016年12月に東京・LIQUIDROOMにて9人編成で行われたライブイベント。約5年半ぶりの開催となった今回は、西池達也(Key)、岡田拓郎(G)、工藤明(Dr)、竹内悠馬(Tp)、須賀裕之(Tb)、大田垣正信(Tb)のおなじみのメンバーに、西田修大(G)、マーティ・ホロベック(B)、ermhoi(Key / Black Boboi、millennium parade)の3人を加えた10人編成でのパフォーマンスが披露された。

開場後にオープニングDJを務めたのは、クラシックの名曲をDJ的な解釈で大胆にミックスするクラシカルDJの水野蒼生。壮大でドラマチックなオーケストラサウンドがSTUDIO COASTのスピーカーから大音量で響き渡り、高揚感あふれるDJプレイでこれから始まるライブへの期待を高めていった。またオープニングアクトとしてHANAも出演。ROTH BART BARONの三船雅也(Vo, G)がアコースティックギターを弾く横で彼女は、三船とともに制作中のオリジナル曲2曲を、少し緊張した面持ちながら堂々と歌い上げた。

そしていよいよROTH BART BARONのライブがスタート。凄腕プレイヤーばかりの大所帯バンドが一体となって音を鳴らし、幻想的なROTH BART BARONの楽曲が、普段のライブよりも一層迫力を増してフロアに届けられた。しかし1曲目「crystal palace」が終わると、ベースに機材トラブル発生。「まあ、こんな始まりも俺ららしくていいじゃない」と笑いながら、三船はセットリストになかった「氷河期#3(Twenty four eyes / alumite)」を弾き始め、ほかのメンバーもそれに追随していく。予定外の展開ながら何事もないように演奏は再開され、ベースが復活すると演奏はそのままノンストップで2曲目「SPECIAL」に突入。トラブルをものともしないパフォーマンスで、余裕を感じさせるライブの幕開けとなった。

続いて、祝祭の始まりを告げるファンファーレのように「ATOM」が高らかに鳴り響き、それを皮切りに「春の嵐」「king」といった楽曲がにぎやかに奏でられていく。ライブが進行していくにつれ徐々に、会場は幸せな空気でいっぱいに。ライブ中盤には、優しく美しいファルセットボイスを聴かせる「オフィーリア」や、崇高な雰囲気の中で祈るように歌う「場所たち」といった、静かでゆったりとしたサウンドの2曲が続けて披露された。「場所たち」が終わると三船はその場に座り込んで頬杖をつき、フロアを一瞥して微笑んだ。

ライブ終盤は曲ごとにゲストを迎えてのコラボパフォーマンスを展開。1人目のゲストとしてステージに現れた水野蒼生は指揮者としてメンバーの前に立ち、彼のダイナミックな腕の動きに合わせてバンドは、「誰も寝てはならぬ」の邦題で知られるオペラのアリア「Nessun dorma」を高らかに奏でた。スケールの大きなバンドサウンドで会場が感動で包まれたのも束の間、続いてのゲストとしてHANAが登場。Seihoがキラキラしたコズミックな電子音を飛ばす中、三船とHANAは「けもののなまえ」をデュエットした。

その後、HANAが退場してSeihoのみステージに残り、新たなゲストとして原田郁子(クラムボン)と小西遼(CRCK/LCKS)が参加。この3人のゲストとリモートで作り上げ、5月に配信リリースした「prism(feat. 原田郁子, ROTH BART BARON, Seiho & Ryo Konishi)」を、この日最大の13人編成で初めてライブで披露した。三船と原田は美しいハーモニーを響かせ、小西は力強くも艷やかなサックスソロを轟かせる。曲が終わると三船は「やれてよかった! すげえうれしい!」と、このメンバーでこの曲を演奏できた充実感に顔をほころばせた。

大団円を迎えたに見えたが、しかしライブはまだ終わらず、ROTH BART BARONとともにA_oを結成したアイナ・ジ・エンド(BiSH)がサプライズで登場。「ポカリスエット」のCMソングとして話題の「BLUE SOULS」がスタートし、アイナは色気のある佇まいながら、その場を支配するような迫力のある歌声で観客を魅了した。アイナと三船は時折顔を見合わせながら、楽しそうに笑みを浮かべて熱唱。曲が終わるとフロアからは盛大な拍手が沸き上がった。

アンコールを求める拍手に呼び戻され、バンドメンバーは再びステージに。三船は「やれてよかった。やれないと思ってた。マジでホントにありがとう」と感慨深げにライブを振り返った。アンコールの1曲目に披露された最新アルバム「極彩色の祝祭」のリードトラック「極彩 | I G L (S)」で、この日の祝祭感あふれるステージに込めた思いを伝えるように「祝祭が見たいんだ 極彩色の心で」と歌った三船。彼はその後のMCで「BEAR NIGHT」について、バンドを通して今まで出会ってきた人々と何かをやりたいと思って企画したイベントだと語り、今回約5年半ぶりに開催したことについて「去年こういう世界になってから出会った人たちって、この先の人生を通してずっと一緒に付き合っていくんだろうなと思う。だからそんな人たちと1日、何か特別なことができないかなって」と説明。「今ここにいる人たちと特別な時間を共有できたことは本当にうれしく思います」とうれしそうに話した。

そして三船は「まだこの世界はしばらく続くんでしょうけど、どうか皆さんも1人ひとり無理をしないで、次に会うときまでサバイブしてください」と来場者にメッセージを送り、6月に配信リリースした最新曲「鳳と凰」を最後に歌唱。ウイルス感染予防のため観客は大声を出すことはできないが、まるでシンガロングが発生しているかのように、フロアから沸く手拍子で会場に一体感が生まれていた。そして総勢16人の特別編成による“極彩色の祝祭”は、惜しみない拍手に包まれながら幕を下ろした。

なお、このライブのアーカイブ映像は8月1日いっぱいまでスペースシャワーがプロデュースするLIVEWIREにて配信中。チケットは8月1日21:00までLIVEWIREのオフィシャルサイトで販売される。

ROTH BART BARON「BEAR NIGHT 2」2021年7月23日 新木場STUDIO COAST セットリスト

01. crystal palace
02. SPECIAL
03. ATOM
04. MΣ
05. 春の嵐
06. King
07. dying for
08. GREAT ESCAPE
09. Metropolis
10. 000BigBird000
11. 屋上と花束
12. オフィーリア
13. 場所たち
14. Nessun Dorma feat. 水野蒼生
15. けもののなまえ feat. HANA
16. prism feat. 原田郁子, Seiho, 小西遼
17. BLUE SOULS feat. アイナ・ジ・エンド
<アンコール>
18. 極彩 | I G L (S)
19. HEX
20. 鳳と凰

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