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『M 愛すべき人がいて』田中みな実に続き水野美紀もさすがの怪演 チープな効果音もたまらない

リアルサウンド

20/4/26(日) 11:40

 ドラマ『M 愛すべき人がいて』(テレビ朝日×ABEMA)を一言で表すならば、“ヤバい”というのが最も適切だろう。

参考:安斉かれん×三浦翔平が語る、『M 愛すべき人がいて』への意気込み 鈴木おさむの脚色にも注目

 浜崎あゆみ誕生に秘められた出会いと別れを描いた小説『M 愛すべき人がいて』(幻冬舎刊)を、安斉かれん&三浦翔平主演でドラマ化した本作。鈴木おさむによる脚本は、『奪い愛、冬』(テレビ朝日系)や『奪い愛、夏』(AbemaTV)に通ずるドロ沼の怪演、オーバーな演出やキャラ設定は80年代『スチュワーデス物語』(TBS系)を筆頭に数々のヒット作を生み出した大映テレビからの影響を感じさせる作風に、SNSではツッコミの嵐となった。

 そんな見方も正解の一つであると示しているのが、あまりにも荒唐無稽なキャラクターの面々。中でも第1話で、主演の2人を食うほどに話題となったのが、マサ(三浦翔平)の秘書・姫野礼香(田中みな実)だ。オレンジの眼帯のインパクトもさることながら、アユ(安斉かれん)への嫉妬心をあらわにする彼女の奇行に、全員がこのドラマの方向性を理解したはずだ。

 第2話では、さらに礼香に負けずとも劣らないキャラが登場。それが、田中みな実と共に『奪い愛』で共演した水野美紀が演じるアユのトレーナー・天馬まゆみだ。ダイヤの原石であるアユを磨くために、マサは彼女をアメリカ・ニューヨークへと旅立たせる。そこで待ち受けていたのが天馬。「アーユーアユ?」という挨拶代わりのジャブから、不自然なドラムセットと横文字だらけの指導、ロウソクの炎を揺らさないように歌えという目的の見えないレッスンが続く。さらに、天馬は覇気のないアユにバケツの水を被せる。改心したアユは、天馬の教える“イノシシをやれるくらいのパンチ”をダンスに取り込み、徐々にやる気を見せていくのだ。

 「もう、せっかくの朝ドラのイメージが雲散霧消だと事務所スタッフは白目であります」と本人もTwitterでコメントしているように、水野は朝ドラ『スカーレット』(NHK総合)で、喜美子(戸田恵梨香)の心の支えとなるちや子、さらに『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』(フジテレビ系)では悲しき運命を辿る香坂を熱演していた。しかしながら、今期ではドラマ『浦安鉄筋家族』(ドラマ東京)にてプロレス技をかけまくる順子、そして『M』での天馬である。無茶振りにも応える水野の演技の幅はさすがだが、白目になるのも無理はない……。

 礼香、天馬に負けじとアユ、マサの2人も黙ってはいなかった。アユが手を離してしまった風船を、マサがベンチを足場に颯爽とキャッチするというトレンディドラマのような展開。笑いを堪えきれなかったのが、第2話のクライマックスとなる合宿でのやり取りだった。

 玉木(久保田紗友)から執拗ないじめを受け、肩を脱臼したアユ。デビューのためには10キロマラソンで上位5名に残らなければならない。ペットボトル10本が入ったリュックを背負い心折れそうなアユに、マサは降りしきる雨の中絶壁に立ち、「俺を信じろ! アユ! 走れ!」と絶叫するのだ。包帯が外れたアユは「アユ、走ります」と全速力でゴールイン。1位になったアユにマサは寄り添い、雨上がりにの空にかかった虹を見上げる。「キラララーン」というチープな効果音もたまらないポイント。第1話のラストでも夜空に虹がかかっていたことから、虹は恒例のシーンになっていきそうだ。

 第3話では、ソロデビューを前にアユが初めての作詞に挑戦。しかし、そこには理不尽、嫉妬の嵐が待ち受けていた。第1話、第2話を上回る、さらなる“ヤバい”展開が私たちを楽しませてくれるはずだ。(渡辺彰浩)

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