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いま、最高の一本に出会える

どちらも「息抜き」ではなく「本気」? 複数バンドで活躍するボーカリスト特集

リアルサウンド

14/3/3(月) 8:00

 ロックバンドの形が多様化する現代。メジャー、インディーズといった境界線が曖昧になったり、ネットを媒介することにより音源公開のしかたも多様化しつつある。それもあってミュージシャンの活動の仕方も自由になってきているのか、近年ではひとつのバンドのフロントマンが表現形態を増やすため、ソロという道ではなく複数のバンドに参加している例も少なくない。今回は、そんなアーティストたちを特集してみた。

 まずは日本のロックシーンの大御所にして偉大な異端児、大槻ケンヂ。1988年、バンドブームの中でデビューした筋肉少女帯は、1999年に大槻の脱退を経て活動休止となるが、2006年に復活し、現在も積極的なライブ活動を続けている。そして、その筋少の活動休止中に、大槻が結成したのが特撮だ。2000年にメジャーデビューし、2006年に大槻が筋少の活動を再開してから、充電期間をとっていた同バンドだが、2011年に再始動。現在の大槻は、ヘビーメタルをベースとしながら、キャッチーなメロディーでリスナーを楽しませる筋少と、ラウドロックをベースに、計算し尽くされたサウンドメイクが特徴的な特撮という、二足のわらじを履いている。今年2月にはイベント「筋肉少女帯 vs 特撮」を、東京・赤坂BLITZで開催(ちなみにこの日は特撮のメンバーである三柴理も、筋少のサポートメンバーとして両バンドのアクトに出演)した。大槻自身もふたつのバンドで同時に活動することを楽しんでいるようだ。

[フル] 筋肉少女帯「中2病の神ドロシー 〜筋肉少女帯メジャーデビュー25th記念曲」
シネマタイズ(映画化) / 特撮

 続いては、1月の武道館公演を大成功で終えた黒夢と、SADSでの活動を平行して行う清春。1994年にメジャーデビューした黒夢はビジュアル系バンドとして一般認知を獲得し、徐々にパンクやヘビーロックに傾倒したバンドサウンドで支持を集めたが、1999年に活動休止。その直後にヴォーカリストであった清春がスタートさせたのがSADSだ。そのSADSも2004年に事実上の活動休止となってしまうも、2010年、両バンドの活動再開を清春が発表。現在も黒夢、SADSともに活動に波はあるものの、二つのバンドとソロ活動を行き来しながら、活発な活動を行っている。黒夢では前述の通り激しいパンクサウンドと、ポップな楽曲で存在感を見せる清春が、SADSでは極めてダークネスな世界観を様々な音楽実験の中で表現しているのも、複数の活動形態を持つからこそ出来ることだろう。

黒夢 / ゲルニカ(MISIC VIDEO FULL)
sads / GOTHIC CIRCUS

 そして最後は、4月2日にゲスの極み乙女。と、indigo la Endという、自身がフロントマンを務める二つのバンドの、同時メジャーデビューを控えている川谷絵音。既にデビュー前から数々のフェスや地上波の音楽番組に出演し、業界内でも話題のゲスの極み乙女。だが、その全作詞作曲を手がけている川谷がゲスの極み乙女。が結成される2年前から活動開始したのがindigo la Endだ。自らを“ヒップホップ・プログレバンド”と呼ぶゲスの極み乙女。のひねくれつつもアッパーな世界とは裏腹に、indigo la Endでの川谷が描くのはオーソドックスなギターロックに乗った、真っ直ぐでエモーショナルな世界。しかし、悲観と楽観の間を揺り動く言葉が、全く違う性格を持つ2つのバンドから共通して聞こえてくることもまた興味深い。

ゲスの極み乙女。”キラーボール” (Official Music Video)
indigo la End “名もなきハッピーエンド” (Official Music Video)

 今回は幅広い世代から3人を例に出して紹介したが、このように複数のバンドで、フロントマンを務めるアーティストは他にもいる。聴き比べて共通点や相違点を感じていくと、アーティストの個性がさらに読み取れて面白いかもしれない。
(文=岡野里衣子)

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