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PassCode、『STARRY SKY』で初のシングルチャート首位 三者三様な楽曲でライブ感ある1枚に

リアルサウンド

20/5/30(土) 10:00

参考:2020年6月1日付週間シングルランキング(2020年5月18日~2020年5月24日)(https://www.oricon.co.jp/rank/js/w/2020-06-01/)

 最新のオリコンチャートによれば、PassCodeの『STARRY SKY』が7,175枚を売り上げて1位を獲得。続いて、SixTONES vs Snow Man『Imitation Rain/D.D.』が6,748枚で2位、WANDS『抱き寄せ 高まる 君の体温と共に』が5,612枚で3位を記録した。

(関連:PassCode、ライブ感溢れる『STARRY SKY』

 この週は全シングルの売り上げ枚数が1万枚を下回った。これまでも年末年始などでシングルの発売自体が少なかった週には似たことがあったが、現在は多くのアーティストが発売を延期しているため、こうした珍しい事態が起きる。そんな状況の中で、PassCodeはオリコンシングルチャート初の首位を獲得した。

 PassCodeは現在4名のアイドルグループ。エモ系のロックから派生したスクリーモをサウンドの主軸としつつ、そこにシンセ音を大胆にフィーチャーしたいわゆる“ピコリーモ”を展開している。バンドで言えば、Fear, and Loathing in Las Vegasが似たスタイルを採用している(ライブでの共演経験もある)。同じアイドルシーンではBABYMETALの一部の楽曲にも確認できるジャンルだ。

 その中で彼女たちの特筆すべきは、一曲の中で何度もリズムが激変し、サウンドアプローチも様々に変化していく点だろう。俗に言う“過圧縮/詰め込み型”で、ライブ自体も休まず最初から最後までハイテンションで駆け抜けていく。

 筆者も一度だけ彼女たちのパフォーマンスを生で見たことがあるが、そのあまりの激しさに度肝を抜かれたのを覚えている。しかも、会場は足場が砂で覆われたロケーション(『TOKYO IDOL FESTIVAL』のスマイルガーデン)だったため、観客の激しい運動量と熱によって砂煙が上空まで舞い上がるという異様な光景であった。

 9枚目となるシングルの表題曲「STARRY SKY」は、繊細なピアノが印象的な冒頭から激しいギターや素早いドラミングによる轟音へと展開。その雷鳴のごときバックの演奏にも掻き消されない女性ボーカルが最後まで突き抜けていく。

 中盤の〈She says 消滅〉あたりから登場する超絶技巧スラップベースや、〈Stay with you〉~〈流れてく〉でのユーロビート的とも言えるトランシーな高速シンセは出色のプレイだ。優雅なピアノが際立つ音作りも見逃せない。メロディアスなボーカルは終盤でさらにエモーショナルな展開を見せ、激しさの中にも聴く者の胸を締め付ける力のある楽曲になっている。

 一方で初回限定盤のカップリング曲「Seize Approaching BRAND NEW ERA」は、表題曲と比べるとシンセ音の占める割合が大きく、ボーカルも補正が強いためエレクトロ要素に振れた楽曲になっている。後半の畳み掛ける展開は先述したようなライブでの盛り上がりが容易に想像付くものだ。

 対して通常盤のカップリング曲「Tramonto」は、他2曲と比べるとストレートな印象で、正統派のメタル~エモ曲といった様相である。

 シングル1作の中でも現代的なサウンドスタイルから直球の楽曲まで、三者三様のカラーを楽しむことができるだろう。(荻原梓)

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