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欅坂46は今、“21人の絆”から変化するとき 菅井友香&守屋茜の本音から感じたこと

リアルサウンド

18/10/4(木) 8:00

 欅坂46のキャプテン・菅井友香と副キャプテン・守屋茜が、9月30日に放送された『欅って、書けない?』(テレビ東京系/以下、『けやかけ』)の企画で「2人きりの本音トーク」を行い、これからの欅坂についての重要な意見を交わした。グループをまとめてきた2人が、欅坂を支えてきた“21人の絆”というパンドラの箱を開けたことで、メンバーだけでなく、ファンの思いも問われる内容となり、欅坂史の一つのターニングポイントとなった印象だ。

(関連:欅坂46 菅井友香が語る、幾度の挑戦で芽生えた責任感と新たな決意 「パワーの源になりたい」

 改めて欅坂46を振り返ると、秋元康プロデュースの他のアイドルグループとは違い、特例であった長濱ねる以外のメンバーの増減はなく、全員選抜で結成から3年続いた稀有なグループだった。この“21人の絆”というグループの結束を表す言葉は、いわば欅坂のアイデンティティでもあり、誰一人欠けてはならないという意味にも捉えられる。絶対的センターである平手友梨奈が休業した際には、この21人の絆という言葉があったからこそ、戻ってくることを信じ、他のメンバーがその穴を埋めようと必死に頑張ることができた。ただ目に見える競争がないことで個人で活躍するメンバーが限られ、またけやき坂46(以下、ひらがなけやき)の独立もあり、バラエティ番組でのバリエーションも狭まった印象を受ける。

 乃木坂46とひらがなけやきと共に今夏に行われた合同オーディションでは、欅坂が変化を受け入れざるを得ない状況を作ったようにも感じた。そして平手が復帰し、志田愛佳、原田葵が休業する中、今泉佑唯が卒業を発表。8月15日にリリースされた『アンビバレント』のMVでは、今までの集大成のようなダンスが組み込まれ、夏の全国ツアーでも現メンバーでは最後というような雰囲気が漂っていた。ただ、当時のブログやインタビューを見ていると、この段階でもまだ21人の絆を信じているメンバーが多かったように思う。しかし、米谷奈々未の卒業宣言で、変化という避けられない現実をようやく受け止めるときが来た。

 そんな激動の最中に放送された先日の『けやかけ』。視聴者からの「キャプテン 副キャプテンの腹を割った話合いが見たい」というリクエストに答え、成長するグループへの戸惑いを語り合った。

 菅井が「これからいろんな変化がきっとあると思うけど、私たちのやってきたことに誇りを持って活動していきたいと思う」と切り出すと、守屋は「正直な話したら、ずっと21人が良かった。でもそれは甘えなのかなとか……難しい」と発言。続けて、菅井が「これから欅坂46自体がどんどん大きくなるために、いろんな変化を受け入れて、それをもっといい方向に、グループとしての底上げになるように、私たちが導いていかなければいけないと思う。正直ちょっと怖いけどね」と口にし、守屋も「めっちゃ怖いよー」と相槌を打った。そんな守屋は「どれだけ踊ってもどうせ見えないしとか、全然わかんないと思うしとか、思ったらそうなんだけど、全体の見え方とか、そういうグループのためにっていう考え方でさ、すごく変わるし」と個人ではなくグループのために踊ってきたことを明かし、菅井もまた「欅坂46は常に全員が全力で魂を削って踊るっていう。すごく大事にしたいし、楽曲を伝えるんだっていう気持ちは常に熱く持っていたいなって」と欅坂としてのダンスに対する思いを語った。

 菅井の発言は、キャプテンという立場上、自分の思いを押し殺して、直面している現実を受け入れ、みんなに前へ進むことを促している。もともと菅井は平手不在の『欅坂46 2nd YEAR ANNIVERSARY LIVE』で、グループに対する危機感から「欅坂を終わらせたくない」「今までの私たちとは違います。私たちを信じてください」などという力強い言葉を口にしていた。早い段階から欅坂が生き残るための変化を受け入れていたように思う。一方で、メンバーの本当の思いを代弁するかのような守屋の発言。建前と本音ではないが、この2人の絶妙なバランスの言葉で、いまの欅坂の思いや葛藤が充分に伝わってきた。

 以前、秋元康がラジオ番組『今日は一日”秋元康ソング”三昧2018』(NHK FM)で「欅坂はアンバランスでバラバラ、でもこのバラバラさが面白い」と分析していたが、このバラバラなものを繋ぎ止めていたのが、21人の絆という言葉だったのではないだろうか。そこに変化が生じることを怖いと思うのは当然である。

 2人がキャプテンと副キャプテンに就任した直後にSHOWROOMで所信表明をした際、「チームワーク抜群のグループ」「いい意味で変わらないグループ」「一人ひとりが輝けるグループ」という3つのスローガンを掲げていた。そんな欅坂にすべてを捧げてきた守屋が、テレビを通して「ずっと21人が良かった。それは甘えなのかな」と発言したことは非常に重い。グループを冷静に見ている守屋が、周りも薄々感じていたことをハッキリと言葉にしたことで、メンバーだけでなく、ファンが欅坂に求めている“こだわり”を考え直すときが来たようにも思う。

 最後に菅井は「もっともっと欅坂46が大きくなって、いつか先輩みたいにドームツアーとかできるように頑張りたいなってすごく思う。それぐらい大きくなりたいな」と目標を掲げた。そのためには、個人の成長も重要になってくるだろう。菅井と守屋は『ザンビ』プロジェクト第一弾で、舞台に初挑戦することがすでに発表されている。いままでグループのために頑張ってきた2人が、新しいことに挑むことで、彼女たち自身の成長に繋がるだけでなく、きっとグループへの新しい導きにもなるだろう。(文=本 手)

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