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ジャニーズ期間限定ユニット Twenty★Twenty、櫻井和寿提供の「smile」は歌い継がれる名曲に 歌割りやメロディに感じた工夫

リアルサウンド

20/6/23(火) 6:00

 ジャニーズ事務所所属アーティスト15組、75名が参加する期間限定ユニットTwenty★Twentyのチャリティーソング「smile」の配信が開始された。ジャニーズ事務所による新型コロナウイルス感染拡大防止の支援活動『Smile UP! Project』の一環としてユニットが結成、楽曲制作され、楽曲によって生まれた収益は全額寄付すると発表されている。

(関連:ジャニーズ期間限定ユニット Twenty★Twenty、チャリティーソング「smile」で届けるパワー 櫻井和寿による歌詞から感じたこと

 「smile」はMr.Childrenの櫻井和寿が作詞作曲をしていることでも話題になっている。自身の参加バンド・ユニット以外で作詞作曲の両方を行い、楽曲提供することは滅多にない。Salyu「青空」以来9年ぶり2回目だ。積極的に楽曲提供を行うタイプではないが、自身も小林武史とのap bankやGAKU-MCとのMIFAなどを通じて社会貢献活動をしていることもあり、ジャニーズの取り組みや想いに共感したからこそ依頼を受けたのだと思う。

 「smile」の〈だけどわすれないで[君の笑顔に逢える]それだけで生きていける僕がいる〉という歌詞のフレーズに対して「ジャニーズの皆さんほど、このフレーズを歌うにふさわしい方はいないと感じます」と櫻井はコメントを出している。そのためかMr.Childrenの楽曲とは異なるシンプルな表現が多く、前向きで真っ直ぐなフレーズが多い。〈泣いたことなんか忘れるくらいのsmile smile〉というフレーズはアイドルとして多くの人を笑顔にしているジャニーズだからこそ説得力を感じる歌詞だ。

 歌割りにもメッセージをしっかり届けるための工夫が感じられる。KinKi Kids・堂本剛、V6・坂本昌行、長野博、井ノ原快彦の20th Centuryと歌唱力に定評のあるメンバーから歌い始めることで、序盤から楽曲の魅力を最大限に引き立てる。これによりジャニーズのファン以外もすんなりと楽曲の世界観に引き込むことができるのだ。1番ではキャリアの長いメンバーが胸に沁み入るような貫禄ある歌声を響かせ、2番では先輩からバトンを受け継ぐかのように若手メンバーが歌い、フレッシュで明るい雰囲気にする。そして落ちサビでは堂本剛、坂本昌行、King & Prince・平野紫耀が歌うパートと、KinKi Kids・堂本光一、KAT-TUN・亀梨和也、Hey! Say! JUMP・山田涼介のパートが続く。ベテランと若手が手を取り合うように一緒に歌うパートだ。そして櫻井和寿が「ジャニーズが歌うにふさわしい」とコメントしていた歌詞が含まれる最後のサビは、参加メンバー全員が一緒に歌うことで力強く華やかに歌を届ける。歌詞のメッセージがしっかり伝わる歌割りになっているのだ。

 また、曲もメッセージを届けることを意識した編曲になっている。序盤は音数が少なくシンプルなピアノとストリングスの伴奏から始まる。自然と歌に最も集中し、聴き入ってしまう仕組みだ。そこから少しずつ音が重なり、華やかになっていく。最後のサビでは壮大な演奏で盛り上がる展開へと変化する。序盤で歌詞のメッセージを優しく音で表現し、後半では力強く背中を押すような表現をしているのだ。約5分50秒と長い楽曲だが最後まで集中して聴いてしまう理由は、細かい部分まで作り込まれているからだろう。

 コロナ禍の現在の社会状況と照らし合わせることで、より響くメッセージが込められた歌ではある。しかし楽曲で歌われているテーマは普遍的。多くの人が共感できそうな内容だ。チャリティーソングとしてだけでなくポップスとしても優れており、今後も長く歌い継がれる名曲になるだろう。(むらたかもめ)

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