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加持がミサトへメッセージ! 『シン・エヴァンゲリオン劇場版』舞台挨拶に声優14名集結

リアルサウンド

21/3/28(日) 18:42

 現在公開中の『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の舞台挨拶が3月28日に東京・新宿バルト9で行われ、緒方恵美、林原めぐみ、宮村優子、三石琴乃、山口由里子、石田彰、立木文彦、岩永哲哉、岩男潤子、長沢美樹、優希比呂、伊瀬茉莉也、勝杏里、山寺宏一の総勢14名の声優陣が登壇した。

 1995年のTVシリーズ放送で社会現象を巻き起こした『新世紀エヴァンゲリオン』。本作は、2007年から『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズとして再始動し、これまで『:序』『:破』『:Q』の3作が公開されてきたシリーズの第4作目にして最終作。

 今回の舞台挨拶は、1997年以来、『エヴァンゲリオン』シリーズとしては24年ぶり。登壇したメンバーを代表して、碇シンジ役の緒方は、『エヴァンゲリオン』シリーズは24年前に、旧劇場版の舞台挨拶をしたきりでございまして、新劇場版では舞台挨拶がありませんでした。24年ぶりでこれだけのメンバーが揃うのは最初で最後の機会だと思います。皆様が楽しみにしてくださっているのと同じように、私たちも楽しみにしてきましたと挨拶。

 それぞれ作品を観た感想を聞かれると、まず緒方は、「新劇場版はバラバラに収録することが多く、特に今回は本当にみんなバラバラに収録していたので、みんながどういう芝居をしているのかよくわからなかったのが、完成版を観て『こうなったのか』と初めて知るという、皆様と同じような感覚で拝見しました。すべてのクリエイター、スタッフの皆さんに、ありがとうと言いたい気持ちです」と感謝を述べる。

 アヤナミレイ(仮称)役の林原は、「長い長いエンドテロップを見ながら、これだけの人たちが集結した映画なんだなと改めて感慨深い思いでした。30代以上の方は、おそらくここが一つの終わりであり、10代の人にとっては、もしかしたらここが入り口なのかもしれないなと思い、無限ループの中を漂う人も、そして一度抜けて帰ってくる人も『エヴァンゲリオン』という世界がここに存在していたんだなと噛み締めるような思いでした」と振り返る。

 式波・アスカ・ラングレーを演じた宮村は「昔『エヴァンゲリオン』が社会現象になったときは、インターネットが普及していなかったこともあり、考察本が出版され、その当時は自分も読んでいました。今回も観終わってから、自分でいろいろ考えたり、インターネットの考察を聞いて、『そうだったっけ!?』とまた映画観にいくといったことがあり、『これが正しいエヴァンゲリオンの楽しみ方なんだな』と思い出しました」と作品の楽しみ方を指南。

 葛城ミサト役を演じた三石は、「人物の気持ちは心にグッとくるものがあり、涙したりもしたんですけど、そのほかの細かい設定がわからないままで(笑)。葛城ミサトとしては、大切な役割を担って、重要なシーンを任されたので、一生懸命頑張ってやりました」と振り返る。

 赤木リツコ役を演じた山口は「初日にこっそりバルト9の17時の回を観て、そのときはほぼ男性で「『エヴァ』ってこんな世界だったんだ」と。台本を読んだときも30分くらい泣いていたくらい感動したんですけど、完成版はそのときを超える動けないくらい感動しました。素晴らしい芸術作品、アニメを超えた芸術作品だと思っていて、出会えてよかったと思います。エンドロールが終わったあと、拍手が沸いたのは忘れられません」感慨深く劇場体験を語る。

 渚カヲル役で出演する石田は、「作品自体に翻弄されました。理解が追いつかないことが多すぎて、物語そのものをどう捉えればいいんだろうと思ったんですけど、でもお話自体を理解するなら、シンジとゲンドウの会話を聞き逃さないようにすれば、わかるようになっているのかなという気がします。そんな僕は、ゲンドウがシンジに『大人になったな』というタイミングで『お前が言うな!』と思ってしまいました」と劇中にツッコミ。

 そんな言葉を受けた立木は、「そうですか。こうきますか」と困った様子を見せながら、「今回ゲンドウとして非常に大事な役どころでしたけど、完成版を観たら、収録のときよりも違って見えたんですよ。『なんでだろう』と考えると、役者の皆さんやスタッフさんの努力の結晶が全てに現れているんです。すべての役に愛があるし、みんなのことを好きになるし、変な話ですが、『エヴァ』でみんなで好きになるような思いがありました。庵野監督と同世代でこの映画に到達するまでやれて、一つの区切りを付けられたのは僕にとっての“Beautiful World”ですね」と本作の主題歌にかけたコメントに会場からは拍手が沸いた。

 また加持リョウジを演じた山寺は「僕は『出ててよかったな』と思いました。セリフは一応録ったんですけど、そんなにたくさんあるわけではなかったので、カットされたらどうしようと(笑)。『プロフェッショル』(NHK総合)を後で観て、庵野さんなら言いかねなかったなと(笑)。我々声優は、作品との出会いとかキャラクターの出会いがほぼ全てですが、その中で長い間加持という役に携わらせていただきました。僕の代表作は、加持リョウジと『アンパンマン』のチーズらしいので、その二つの作品に感謝を捧げたい」と笑いを誘った。

 また、第3村のシーンについて、林原は「黒いプラグスーツと畑が最初の驚きでしたが、『エヴァンゲリオン』という作品の中で、温かい人情、清らかな水と、新緑をかつて経験したことがなかったので、その空間がそこにあることが、私自身が受け止めるのに台本だけでは足りませんでした。第3村で触れ合う人たちが、プライベートでもお仕事でもよくしてくださっている先輩が演じられていて、3人の人情に溶かされたのは私なのか、レイなのかという感覚でした」と収録を振り返る。

 また、加持を演じる山寺がミサトに言葉を送ることに。役の声で「葛城、本当によく頑張ったな。そして何より俺の(ピリリリ)を(ピリリリ)してくれて本当にありがとう」とネタバレ箇所にセルフで自主規制を行い即興セリフを披露。ミサトを演じる三石も「一瞬泣きそうになった私がバカでした(笑)」と軽快なやりとりを見せた。

 また、渚カヲルを演じる石田は、キャラクターそのものが作品のネタバレに関わっていることもあり、「マスコミの方はこの部分使わないでください」と断った上で作品内のあるシーンの自分なりの解釈を披露。その代わりにマスコミ向けのコメントとして、『:破』『:Q』に、林原めぐみが歌う歌謡曲のカバーが採用されていることに言及し、「僕が出てくるシーンにカバー曲を入れるには何がいいだろうと思って、ぴったりではないけど、中島みゆきさんの『時代』が流れたらいいなあ」とコメント。するとすかさず林原が「まわるーまーわるよ」と一節を歌い出し、石田が「ありがとうございます!」と感激する一幕も。

 最後に、緒方は「本作では、ほとんどシンジは狂言回し的ポジションなので、相槌を打つ係なので、特別な思いを持つのではなく、みなさんの葛藤を聞いて、みなさんが強化して送り出す係だったんです」と本作のシンジの立ち位置を明かす。そして25年におよぶ『エヴァンゲリオン』シリーズを完結へ導いた庵野秀明総監督へのメッセージとして、「シンジとしての作業が“送り出す”ことだったので、観終わった後も、『庵野さんおめでとう』と言って送り出した気持ちが強いです。TVシリーズの最後には、シンジが中心になって、みんなに『おめでとう』と言われ、『ありがとう』と返したんですけど、そうではなく自分から離れていくみなさんに『おめでとう』と声をかけて、庵野さん含めて送り出して、自分が残った感覚です。本当に庵野さんお疲れ様でしたという気持ちでいっぱいです」と締めくくった。

■公開情報
『シン・エヴァンゲリオン劇場版』
全国公開中
企画・原作・脚本・総監督:庵野秀明
監督:鶴巻和哉、中山勝一、前田真宏
テーマソング:「One Last Kiss」宇多田ヒカル(ソニー・ミュージックレーベルズ)
声の出演:緒方恵美、林原めぐみ、宮村優子、坂本真綾、三石琴乃、山口由里子、石田彰、立木文彦、清川元夢、関智一、岩永哲哉、岩男潤子、長沢美樹、子安武人、優希比呂、大塚明夫、沢城みゆき、大原さやか、伊瀬茉莉也、勝杏里、山寺宏一、内山昂輝、神木隆之介
音楽:鷺巣詩郎
制作:スタジオカラー
配給:東宝、東映、カラー
上映時間:2時間35分
(c)カラー
公式サイト:http://www.evangelion.co.jp
公式Twitter:https://twitter.com/evangelion_co

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