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清水翔太が語る、オーディション審査委員長として次世代に抱く思い 「嫌われる覚悟をしている最中です」

リアルサウンド

20/9/19(土) 20:00

 シンガーソングライター・清水翔太が、ソニーミュージックによるオーディションブランド『ONE in a Billion』のネクストシーズンにて審査委員長を務める。清水翔太は前シーズンにもゲスト審査員として登場。アーティスト目線の厳しさと愛のあるコメントが視聴者からも話題になっていたが、当人は“責任を背負いきれなかった”と後悔が残っていたという。本ネクストシーズンでは、オーディションの最初から最後まで、真剣に若き才能と向き合っていく。

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 10代で華々しくメジャーデビューし、現在ではセルフプロデュースで作品を作り上げるなど、意欲的な活動を見せてきた清水翔太。本オーディションを通して次世代アーティストの卵たちに何を伝えたいのだろうか。『ワンビリ』審査委員長としての決意から、優れたアーティストの条件、そしてまだ見ぬ参加者への期待など、オーディション開始直前の率直な思いを聞いた。(編集部) 

未来の音楽シーンや新しい才能を応援したいという気持ちは強い

ーー昨年開催された初回の『ONE in a Billion』(以下、ワンビリ)でもゲスト審査員を務めましたが、今回のネクストシーズンで審査委員長のお話を受けた際の心境は?

清水翔太(以下、清水):僕自身、オーディション番組が大好きで、以前から審査員として関わりたいとずっと思っていたので素直に嬉しかったです。前回はゲスト審査員という形で呼んでいただいたんですけど、あの時はその瞬間瞬間の評価しかすることができなかったから、個人的には少し悔しかったというか。最初から最後まで関わって、ちゃんと責任を背負った上で審査したかったという気持ちもあったんです。今回は審査委員長として改めて機会をいただけたので、ぜひやりたいと返事をしました。

ーー最近では『PRODUCE 101』や『Nizi Project』などのオーディションが高い注目を集めています。翔太さん自身は、オーディションやそれに伴う番組に対してどんな魅力を感じますか?

清水:ベタですけど、目標に向かって頑張る姿や華やかに夢を叶える瞬間には感動します。現実の世界で起こるシンデレラストーリーだと思いますし、普通の暮らしの中では絶対に見られない感動があるので、そこに魅力を感じますね。ただ、審査委員長として関わるのと、視聴者として楽しく見るのでは全く視点が異なるので、前回以上に参加者と向き合って、審査に臨みたいと思っています。

ーー前回の『ワンビリ』で審査に関わられた際は、翔太さんの厳しくも愛のあるコメントが印象的でした。

清水:アーティスト目線での審査となると、どうしても厳しくなってしまうんです。僕自身、自分のやりたい音楽を素直に表現できない葛藤や悩みも経験してきたし、アーティストとして苦しんだ部分もたくさんあって。プロとしてやる以上、楽しいや好きという感情だけで活動はできないし、そういう仕事との向き合い方は大事だと思う反面、僕のような思いをするアーティストは生まれてほしくないとも思うんです。特にこれから先の世代のアーティストには好きな音楽を自由に表現してほしい。自分個人の音楽活動と同じくらい、未来の音楽シーンや新しい才能を応援したいという気持ちは強いです。

ーー実際にアーティスト経験を豊富にしている翔太さんだからこそ、参加者に伝えられることもたくさんあると思います。

清水:そうですね。きっと、周りのスタッフがアーティストにあれこれ口を出しても、演者側の大変さや厳しさは伝えづらいし、相手にも響きにくいと思うんです。実際にステージに立った経験も、ファンからの視線のプレッシャーを感じたこともないので。だからこそ、実際に経験している僕から伝えることには意味があると思っていて。それに僕自身セルフプロデュースの作品制作を通して、プロデュースというものに対する一定のスキルも培ってきたので、その経験をもとにできることはなんでもやりたいし、しっかり伝えていきたいですね。

僕が何よりも大事だと思うのは周りの人に対するリスペクト

ーー今回の審査はZ世代(12歳~22歳)が対象です。中には一回り以上離れた世代の方々を審査するわけですが、そこに対して意識することはありますか?

清水:僕が今、31歳なんですけど、ひとつ下の世代と何も意識せずに向き合えるギリギリのタイミングかなと思っています。きっとこれ以上年齢が離れてしまうと理解できない部分も出てくると思うんですけど、今ならまだ20歳くらいの頃の気持ちに立ち返れるというか。落ち着いて向き合っていけると思います。

ーーこれから成長していくであろう若い才能がたくさん参加すると思います。翔太さん自身は、アーティストとして伸びていく資質やタイプをどのように考えていますか?

清水:まずは自分に自信を持っていて周りに流されないこと、それに柔軟性も兼ね備えている人は間違いなく伸びていくと思います。この両方を兼ね備えている人って少ないと思っていて、自分に自信を持っていても柔軟性がなかったり、柔軟性はあるけど本当の自分を理解できていない、みたいな。そういう要素はもちろんですが、僕が何よりも大事だと思うのは、周りの人に対するリスペクトをちゃんと持てることですね。

ーー自分を持ちながらも、相手へのリスペクトを忘れず、柔軟に意見も取り入れることができる人ということですね。ただ、そういう精神的な部分を教えたり、身につけることは難しいですよね。

清水:特に他者へのリスペクトは、年齢が若ければ若いほど難しいと思います。だからこそ、『ワンビリ』を通して僕が見せていきたいと思っていて。僕も経験を重ねる中で、キャリアや年齢に関係なく相手をリスペクトできるようになっていったので。それがいかに大事なことなのか、ちゃんと伝えていきたいし、参加する人にも積極的に感じ取ってもらいたいです。

人との関係性、個々の人間性は見ていきたい

ーー今回のテーマは新時代のエンターテインメントグループです。そこに対しては何を思いますか?

清水:楽しみであり、少し怖さもありますね。僕もデビューする前にグループで活動していたことがあるんですけど、その時もいろんな問題に直面したし、グループの難しさは体験しているんで。そこで学んだことも多くて、それが今の活動にプラスで繋がっている部分もあります。一つ言えるのは、僕の場合は周りに頼れる人がいなかったから不安もあったけど、『ワンビリ』には僕やスタッフもいるので、参加する人は安心して楽しく参加してほしいなと思います。

ーーグループで活動する上では、やはりチームワークが大切になると思います。チームに求められるものってなんだと思いますか。

清水:それこそリスペクトが大事だと思います。やっぱり人が集まれば不満も出てくると思うんですけど、何が起きても繋ぎ止めてくれるのが相手への敬意や尊敬なのかなって。例えば、チームメイトの歌やダンスに感動したり、自分にかけてくれた言葉でもなんでもいいんです。このグループにはこいつが絶対に必要だと思えることが大事で。視聴者目線というか、メンバー自身が他のメンバーのファンになれないと、きっと自分を消費していくだけだし、きっとグループにとってもプラスにはならない。今回の『ワンビリ』でも共同作業が多くなると思いますけど、その中で培われる人との関係性、個々の人間性は見ていきたいなと思っています。きっとグループになる過程でメンバー同士の衝突も必要だと思うけど、そこにリスペクトがなければ僕としては嫌ですね。

ーー衝突とは違うかもしれませんが、オーディションの性質上、お互いを意識し合うことは避けられないと思います。翔太さん自身は、若い才能に嫉妬することはありますか?

清水:結局は自分自身を信じられるかどうかだと思うし、僕は自分の才能や技術を信頼しているから嫉妬することはないです。人は人、自分は自分なので。もちろん、下の世代の音楽に対して良いと思ったり、リスペクトもするけど、それ以上でも以下でもないですね。それに、みんなも僕をリスペクトしてくれるので、嫉妬というよりも可愛いなって思うことの方が多いです(笑)。

ーーでは、審査委員長として、『ワンビリ』にどんな風に関わっていきたいですか?

清水:イチ音楽好きとしての清水翔太と、アーティストとしての清水翔太は全然違っていて、そこのバランスの取り方は迷っていますね。アーティスト目線だとどうしても厳しくなってしまうんですけど、あんまり怖がらせたくもないですし(笑)。ダメなものはダメ、良いものは良いと真剣に伝えられる、厳しくも愛あるお兄さん的な存在になりたいですね。

 あと、これは半分本気で半分冗談なんですけど、嫌われる覚悟をしている最中です。オーディションに限らず、何かを成し遂げる上では損な役回りをする人は絶対に必要で。今回はオーディションのキーマンが僕になると思うので、美味しいところもある反面、厳しいことを言う中で参加している子に嫌われるかもしれないし、場合によっては視聴者から厳しい意見があるかもしれない。必要悪というものもあると思うので、そういう意見に対する覚悟はしておかないとなって。

絶対に長く続けることを優先してほしい

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ーー翔太さん自身、これまで様々な先輩アーティストやスタッフの方から刺激や影響を受けてきたと思います。その経験を踏まえた上で、良き指導者とはどういう存在だと思いますか?

清水:僕が接してきた人は、みんな多くを語らないんですよ。演奏している姿や行動で語るというか。僕らの仕事は感受性が大事なので、説明ではなく行動からどれだけ感じ取れるか、そういうアンテナが重要で。1の教えから10理解できる人は強いですし、そこから数日後に100で返してくれる人は優れたアーティストだと思います。そもそも自分という会社の社長は自分自身だから、アーティストとしてのキャリアの設計図は自分で作らないとダメなんです。それはきっと誰も教えてくれないから。だからこそ、1を10、そして100にしていく力は必要ですね。

ーー翔太さん自身もアンテナは常に張っている、と。

清水:そうですね。そういう意識は常に持つようにしています。朝起きて、外に出たら、何かを感じてやろうって。天気や空気、匂い、なんでもいいけどそこから感じ取ることで、もしかしたら曲が生まれるかもしれない。オーディションに受かる、受からないは抜きにしても、そういう感覚を意識できればアーティストとしてはすごく成長できると思います。そういう意味では、僕としても一回り下の世代と触れ合うことで新しく感じ取る部分もあるだろうし、逆に付いていかなければならないので、オーディションを通して一緒に成長していけたらと思います。

ーーこのワンビリからドームや大会場を埋めるようなアーティストが生まれることを期待しますが、いかがでしょうか?

清水:大きい会場でライブをするという目標はあっても、アーティストとして何よりも大事にすべきことは長く続けていくことだと思っています。瞬間風速的に消えて無くなるくらいなら、絶対に長く続けることを優先してほしい。儚く散るだけのアーティストや音楽は悲しすぎるので、そこは絶対に揺るがないし、きちんと伝えていきたいですね。もし周りの大人が瞬間的なものを求めたとしても、そこは僕が守ってあげたい。長い目でみると、ずっとアーティスト活動を続けていくことは、ドームに立つこと以上に茨の道だと思うので。

ーーエントリーの応募期限は9月23日と迫っていますが、きっと一歩を踏み出せていない、迷っている人もたくさんいると思います。

清水:少なくとも僕は応募してくれた人の夢と向き合いたいですし、その努力を見届けてあげたいなと思っています。きっと一歩を踏み出すことに戸惑いや恐れみたいなものを持ってる人もいると思うんですけど、その恐れは僕やスタッフが取り除いてあげられればと思うから、もし叶えたい夢があって、それがこのオーディションと合致しているのであれば迷わずに参加してほしいですね。夢を叶えるチャンスは必ずあると思うので。

ーーでは、最後に審査委員長として『ワンビリ』という場をどのようにしていきたいですか。

清水:……難しい質問ですね。きっと、『ワンビリ』をどういった場にするかは、僕じゃなくて参加している子たちだと思うんです。そしてそれをどう視聴者に見せるかはスタッフの役割であって、僕としては一人一人の夢や才能、その瞬間瞬間に起こる出来事に真剣に向き合い続けていきたいです。

■応募方法
『ONE in a Billion』
応募〆切:9月23日(水)17:00
詳細は公式サイトにて

■関連リンク
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