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ベン・アフレックに続く新バットマンは誰が? バットマン俳優の変遷と魅力を振り返る

リアルサウンド

19/3/1(金) 8:00

 アメコミ映画ファンにとって、いま気になるニュースの1つは、次のバットマン役は誰か? ということです。2021年公開を目指して製作される、新バットマン映画『ザ・バットマン(仮)』において、ここ数年この役を演じてきたベン・アフレックが降板することが決まったのです。

参考:バットマンで重要なのは仮面の奥の目だった

 ベン・アフレックは『バットマンVSスーパーマン:ジャスティスの誕生』『スーサイド・スクワッド』『ジャスティス・リーグ』でバットマンを演じてきました。そして当初は、彼の脚本・監督・出演によるバットマンのソロ映画が作られる予定でした。しかし映画会社側はベン・アフレックの脚本にNGを出し、これにともない新たにマット・リーヴスが脚本。監督に抜擢され、ベン・アフレックは出演のみとアナウンスされました。

 しかしマット・リーヴスは“『ジャスティス・リーグ』の路線とはリンクしない”バットマン映画を望んでいたとされ、また『ジャスティス・リーグ』が思ったほどヒットしなかったことから、新しいバットマン映画は“ベン・アフレックのバットマン”である必要が薄れていました。そして今回『ザ・バットマン(仮)』の公開日が2021年6月25日とアナウンスされると同時に本作にベン・アフレックが出演しないことが明らかになったわけですね。しかもこれを機に本当にバットマン役を降りてしまうらしい。

 なぜこういう書き方をするかというと、『ザ・バットマン(仮)』は、バットマンの若き日を描く作品で、ベン・アフレック演じる主人公が過去を振り返る話とも言われていたのです。従って新しい俳優が演じる若きバットマンとベン・アフレックが演じるいまのバットマンのWキャストの可能性も残されていました。しかし蓋をあけてみたらそうではなかったようです。

 というわけで『ザ・バットマン(仮)』は若手俳優がバットマンを演じることになりそうです。いくつかの候補の名があがっていますが、当初は新人俳優ジャック・オコンネルの名があがっていましたが、ここにきて『ハリー・ポッター』シリーズ、『トワイライト』のロバート・パティンソンの名もあがっています。バットマンはもちろんヒーローなのですが、子どものころに両親を犯罪者に殺された、という暗い過去をもっています。だからどこか寂しげなんですね。従って単なるタフガイではなく、こうした憂いをどう出せるかがポイントでしょうか?

 そしてもう一つバットマン役者に選ばれるための重要なポイントはあのマスク姿を付けたときに様になるかどうか、従って目力が重要だそうです。ティム・バートンが監督した『バットマン』『バットマン・リターンズ』でこの役を演じたマイケル・キートン。バートンはバットマンをある種のサイコパスと解釈し、その目にちょっと狂気じみた怒りをもとめていた。そしてこうした感情と笑いは近いところにあるから、コメディアンとしても才能のあるキートンを起用したと言われています。キートンの後にバットマン役を受け継いだヴァル・キルマー、ジョージ・クルーニー。ティム・バートン版のバットマンが暗すぎてヒーロー映画としてのケレン味に欠けていると判断した映画会社が路線を修正したこともあり、この2人が演じるバットマンはヒーロー感がアップしていました。

 そして『バットマン・ビギンズ』から始まるクリストファー・ノーラン監督によるダークナイト3部作が始まります。演じていたのはクリスチャン・ベール。2008年に2作目の『ダークナイト』が公開されましたが、この年はマーベルの『アイアンマン』もヒットした時です。どちらも社長が特殊スーツを着て悪と戦うヒーローです。しかしその時感じたのは「アイアンマン」は、アイアンマンよりもその正体であるトニー・スターク(演じるのはロバート・ダウニィJr.)の方にスポットが当たっています。それに対しクリスチャン・ベールはバットマンこそが本当の姿であり、その正体であるブルース・ウェインの方が世を忍ぶ仮の姿である的に演じています。

 ではクリスチャン・ベールは”ヒーロー物”としてバットマンを演じていたのか? そうではないのです。ブルースが偽りの人生を送っていると演じることで、この男が人としての幸せを捨てた悲劇の人物であることを見事に表現していたのです。ベン・アフレック版は今までのバットマンの中では一番年上のイメージがありますが、これは『バットマンVSスーパーマン:ジャスティスの誕生』において、スーパーマンよりバットマンの方が先に活躍してたヒーロー、つまりスーパーマンより年上の感じを出したいがために、スーパーマン役のヘンリー・カヴィルより年上の役者が演じる必要があったのです。

 こうしてふりかえってみるとどのバットマンも素晴らしく、映画監督らがバットマンの物語をどう解釈しているかによって選ばれる役者のテイストが異なることがわかります。結構好きだったベン・アフレック版バットマンの活躍をもう少し観たかったのですが、『ザ・バットマン(仮)』でどんなバットマンに会えるのか期待しましょう。なおマット・リーヴスは『ザ・バットマン(仮)』をスーパーヒーロー物というよりも犯罪探偵物的に描くつもりらしく、登場するヴィラン(悪役)もバットマンの中で人気の高い犯罪紳士ペンギンになると噂されています。ヴィランを誰が演じるのかというのもバットマン映画にとっては重要で、今回はペンギン役にジャック・ブラックの名があがっているそうです。このペンギン、ティム・バートンの『バットマン・リターンズ』ではダニー・デビートがフリークな怪人として熱演していました。これもまた楽しみです。(文=杉山すぴ豊)

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