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ハロプロ、次世代担う新メンバー分析連載 第2回:Juice=Juice 工藤由愛、松永里愛

リアルサウンド

20/12/5(土) 10:00

 2019~2020年にかけて、ハロー!プロジェクトの各グループに新しいメンバーが相次いで加入した。次世代を担う彼女たちのキャラクターを紹介/分析することでハロプロの未来について考える一助になればと思い、全3回の短期集中連載をお送りする。

 第2回目はJuice=Juice。2019年に工藤由愛、松永里愛が加入した。

工藤由愛(くどう ゆめ)

 北海道出身の工藤は、2016年始動のハロプロ研修生北海道のスターティングメンバーのひとりだった。2004年生まれの彼女は当時まだ12歳。

 北海道在住のままレッスンなどの日々に励んでいた工藤だったが、2017年からは東京で毎年行われる『Hello! Project 研修生発表会 ~春の公開実力診断テスト~』にも出場するようになる。2019年にパフォーマンスした「ROCKエロティック」(Berryz工房)ではダンス賞を受賞し、その実力が認められた。以下動画の23:39~でそのときの様子を見ることができる。

【ハロ!ステ#288】Hello! Project 研修生発表会2019 ~春の公開実力診断テスト~ダイジェスト、BEYOOOOONDSメジャーデビュー決定! MC:室田瑞希&秋山眞緒

 その1カ月後の6月14日、工藤のJuice=Juiceへの加入が電撃発表された。その頃のJuice=Juiceは3月に梁川奈々美が卒業し、6月17日にはリーダーの宮崎由加が卒業を控えていた。メンバー2名が抜ける穴をどう補強するのかに注目が集まっていた時期で、そこへ工藤、そして後述の松永が加わるという采配が取られた。

 さて、工藤といえばいくつかの特徴的なキャラクターを持っている。まずは“タコ好き”。これは北研(ハロプロ研修生北海道)時代からよく知られているが、あの軟体動物の蛸が好きだというのだ。グッズを集めるのも好きだし、食べるのも好き。タコについての豆知識をトークで披露するのが特技だ。“タコちゃん”という愛称で呼ばれることも多い。

 また、“長文ブログ”も有名だろう。どの時間帯に読まれてもいいように配慮された3種類の挨拶、前日ブログの要約と読者コメントへの所感、そして大ボリュームの本文……。これがほぼ毎日更新されているのだ。

 人は、文章を書くのが苦手なタイプや、特に苦にならないタイプなどいくつかあると思うが、おそらく工藤は後者のタイプなのだろう。それに加え、性格自体も生真面目で誠実なところが、こういったブログを生み出す原動力になっているのかもしれない。

 また、最近有名になってきた工藤のキャラとして“折り紙好き”というものがある。たとえばJuice=Juiceの歌衣装を折り紙で再現する動画がInstagramでアップされていたりする(参照)。今年10月に横浜のランドマークホールにて開催された工藤由愛バースデーイベントでは、入場者プレゼントの折り紙を全員分、長い期間をかけて折るということもあった(参照 )。こんなところからも工藤の誠実さ、ひたむきさを感じることができる。

工藤由愛「未来へ」カバー

松永里愛(まつなが りあい)

 大阪府出身の松永がハロプロ研修生に加入したのは2017年のこと。当時からハロプロ研修生ファンの間で、パフォーマンス面での評価は高かったように思う。前述の、工藤がダンス賞を獲ったのと同じ回の公開実力診断テストで、松永は「ガタメキラ」(太陽とシスコムーン)を選曲。冒頭のフェイクを見事にこなし、ベストパフォーマンス賞を受賞した。以下動画の25:14~でそのときの様子を見ることができる。

【ハロ!ステ#288】Hello! Project 研修生発表会2019 ~春の公開実力診断テスト~ダイジェスト、BEYOOOOONDSメジャーデビュー決定! MC:室田瑞希&秋山眞緒

 そして同年6月14日、工藤と同じタイミングでJuice=Juiceへ加入。つまり実力診断テストのダンス賞とBP賞というタイトルを引っさげた二人が満を持してJuice=Juiceへ入ってきたのだ。この工藤由愛と松永里愛というコンビは、なにかにつけて好対照な面白さを見せてくれる。

 たとえばブログにしてもそう。工藤は長文ブログだが、松永はかなり短めだ。しかしその短さの中にもセンスが光る。松永のブログでは、毎回冒頭に大きめの赤いフォントで「やふぞう」と書くところから始まる。これは挨拶の一種で、2019年7月のブログ開始初期は「みなさんさん。松永里愛です。」という定型文だったのが、記事をアップするたびに「やっぴ」「やっほ」「はろはろ」など毎回変わっていった。それが8月25日更新分で「やふぞう」に固まり、いまに至る(参照)。そして挨拶であると同時に、いつの間にか松永自身のニックネームにもなってしまった。

 年齢と見た目のギャップもある。工藤は2004年生まれの16歳・高校1年で、松永は2005年生まれの15歳・中学3年。つまり工藤のほうが一個先輩なのだが、二人のルックスを見比べると、幼い顔立ちの工藤と大人っぽい顔つきの松永、まるで逆に見える。今年4月の井上玲音Juice=Juice新加入発表動画では、新メンバーが入ると聞かされた工藤が驚きで涙ぐむという場面があった。となりにいた松永が肩をさすったりしてなぐさめるのだが、その様子はどう見ても松永のほうがお姉さんだ(以下動画の14:39~)。

井上玲音 Juice=Juice加入スペシャル

 こんな二人だが、松永のほうは初対面時に「自分とは真反対なので、絶対この子とは仲良くなれない!」と思ったそうだ(以下動画の22:31~)。今年1月には大ゲンカもしたが、1カ月後には仲直りしたとのこと。この『tinytiny』で松永が語っているのは、工藤と二人で遊びに行くときは「お友達の日」で、Juice=Juiceで会うときは同期メンバーでもあり、ライバルでもあるという意識だという。かなり良好な関係が築かれているようだ。

【tinytiny#140】ゲスト:Juice=Juice 松永里愛 MC:みつばちまき・松原健之 ハロプロ研修生コーナー:西﨑美空

 見た目も態度も大人っぽい松永だが、実はこれは猫をかぶっているところがある。そう本人が告白したのは、今年9月に横浜のランドマークホールで開催された松永のバースデーイベントでのことだ。当日は、松永が大好きだという学校生活をモチーフとした『やふぞう学園』というコーナーが設けられた。自身の通っている中学校の教師のモノマネや、同級生とのエピソードを楽しく話す松永。それも、司会の鈴木啓太(上々軍団)が戸惑うほどのマシンガントークで話すのだ。こういったハイテンションな自分が普段の素なのだが、Juice=Juiceでは抑えているのだという。そういう配慮をしてしまうこと自体も彼女らしさなのかもしれないが、このキャラクターがJuice=Juiceでの活動時にも自然に出るようになれば、グループはさらに面白い化学反応を起こすかもしれない。

DVD『Juice-Juice 高木紗友希・松永里愛バースデーイベント2020』

 さて、二人のパフォーマンス面については、いまでも十分すごいが、今後まだまだ伸びしろがあると筆者は見ている。というのも、Juice=Juiceというグループは、“実力のハロプロ”と称される集団内において、さらに歌唱力/ダンス力が優れたメンバーがそろっている存在だと外部からの評判が高い(近年、テレビ番組などで何度か特集されている)。そんな強豪メンバーたちと比べると、工藤も松永もまだまだこれからだと、どうしても思わされてしまう。逆にいえば、最高の手本が身近にいるということでもあるので、今後の成長はかなり期待できるだろう。

 12月10日に開催予定のJuice=Juiceの日本武道館コンサートを最後に、メンバーの宮本佳林が卒業する。ふたたび変化の季節を迎えるグループにおいて、工藤と松永はどんな成長物語を見せてくれるのだろうか。

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■ピロスエ
編集およびライター業。企画・編集・選盤した書籍「アイドル楽曲ディスクガイド」(アスペクト)発売中。ファンイベント「ハロプロ楽曲大賞」「アイドル楽曲大賞」も主催。

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