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森田芳光の生誕70周年プロジェクト始動、計26本収めたBOXや記念本発売

ナタリー

「森田芳光70祭」ビジュアル

「生誕70周年記念 森田芳光 全監督作品コンプリート(の・ようなもの)Blu-ray BOX」が12月20日に発売される。

1981年の「の・ようなもの」での商業監督デビューから「家族ゲーム」「失楽園」「黒い家」「間宮兄弟」など計27本の長編映画を継続的に発表し、2011年に61歳で死去した森田芳光。多数の映画会社や関係会社が作品の権利を所有しているため、全集形式での発売は困難を極めたが、このたび計26本が集められた。「そろばんずく」のみ版権元の許諾が得られず、収録されない。価格は税込11万円。発売日は没後10年の命日となる。

特典映像には「ライブイン茅ヶ崎」など自主映画時代の作品を再構成したダイジェスト「森田芳光の原点」、森田が参加した数々の撮影現場のメイキングを再構成した「森田芳光の撮影風景~メイキング・オブ・森田芳光」、「森田芳光本人と、モリタを巡る証言(仮題)」が収録される。封入特典には森田がデビュー前にアイデアや映画的思考を書き溜めた数10冊に及ぶ直筆ノートの一部を収録したブックレット「森田芳光秘蔵資料集」。小学生時代に構想した「流星スーパー」と題した作品も知ることができるという。初回限定の予約特典にはBEAMS DESIGNによる「“TARIMO”Tシャツ」が用意された。

さらに生誕70周年記念企画プロジェクトとして「森田芳光70祭」も始動。Blu-ray BOX発売のほか、記念本「森田芳光全映画」の出版や森田ゆかりの劇場での特集上映、CS各局での特集放映、海外でのレトロスペクティブなども行われる。詳細は公式サイトで確認を。宇多丸(RHYMESTER)と森田の妻で映画プロデューサーの三沢和子によるコメントは下記の通り。

宇多丸 コメント

一人の作り手が歩んできた軌跡を、その始まりから(とりあえずの)終わりまで、点ではなく線として追い続けること……作品毎にオリジナルなコンセプトを「発明」し続け、言わば「一貫性のある自己変革」を繰り返してきた森田芳光ほど、その醍醐味が味わえる映画監督もいないのではないかと思います。今回リリースされるこの画期的ボックスセットと、目下鋭意作業中の単行本「森田芳光全映画」によって、とかく80年代に偏りがちだった従来の批評軸が刷新され、文字通り全ての森田映画が、より正当に評価されるよう願ってやみません。もっとはっきり言ってしまえば、「家族ゲーム」だけが森田芳光の「最高傑作」というわけでは、まーったくないのだということ! 各社を股にかけて活躍してきた異例なまでの人気監督であるがゆえに、そのキャリアを一気に一望できるこの機会は、本当に本当に貴重なものであるということも、改めて強調しておきたいあたりです。

三沢和子 コメント

森田生誕70年没後10年の節目に26作品のブルーレイボックス、書籍「森田芳光全映画」が発売される事になり、国内外の特集上映やテレビ放映も実施して頂くことになりました。森田映画は何年も寝かせると味が良くなる“ワイン映画”、何度も観ると別の味が出てくる“するめ映画”、隅々まで観ると新しい発見がある“びっくり箱映画”のようなものなのでは!と思います。「森田芳光全映画」の豪華なご執筆陣のアーチストならではの鋭い視線で新たに各作品を観て頂いたり、年代順に当時の撮影秘話と共に観て頂いたり、本人が「僕の映画はストップしたり、繰り返したり、そうやって細かく観て頂けると嬉しい」と言っていた通り、その日の気分に合わせて如何様にも楽しんでください。森田ゆかりの映画館を巡る特集上映やテレビ放映、また海外での上映も併せ、ひとりの映画監督の生涯の変遷をご一緒に巡って頂くことも出来る素敵な企画を皆様が用意してくださいました。どうぞそれぞれの方法でお楽しみいただければ幸いです。そしてこれを機に他の沢山の優れた映画監督の作品を、皆様が観やすい環境が整うことへのきっかけになれば、これ以上の喜びはありません。

「生誕70周年記念 森田芳光 全監督作品コンプリート(の・ようなもの)Blu-ray BOX」収録作品

「の・ようなもの」
「シブがき隊 ボーイズ&ガールズ」
「(本)噂のストリッパー」
「ピンクカット 太く愛して深く愛して」
「家族ゲーム」
「ときめきに死す」
「メイン・テーマ」
「それから」
「悲しい色やねん」
「愛と平成の色男」
「キッチン(1989年)」
「おいしい結婚」
「未来の想い出・Last Christmas」
「(ハル)」
「失楽園」
「39-刑法第三十九条-」
「黒い家(1999年)」
「模倣犯」
「阿修羅のごとく」
「海猫」
「間宮兄弟」
「サウスバウンド(2007年)」
「椿三十郎(2007年)」
「わたし出すわ」
「武士の家計簿」
「僕達急行 A列車で行こう」

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