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中村倫也が現在の自分を語る「“普通”の感覚からズレていきたくないんです」

ぴあ

20/9/4(金) 7:00

撮影/奥田耕平

中村倫也が主演を務める映画『人数の町』が、9月4日に全国公開される。

CMディレクターとして活躍する荒木伸二氏のオリジナル企画で、第1回木下グループ新人監督賞・準グランプリを受賞しており、氏にとって初の長編映画となる。

借金を重ね、追いつめられた生活を送っていた蒼山(中村倫也)は、ある日突然、謎の男から不思議な「町」への招待を受ける。その町の住民たちは衣食住を保証され、享楽的に暮らしていたが、蒼山はある女性との出会いをきっかけに徐々に「町」に対して違和感を覚えるようになり――。

本作は、中村が「町」のルールを読み上げる予告からも伺えるように、一筋縄ではいかない謎に満ちた作品に仕上がっている。

「台本を読み終わった後、“観てくれた人はどんな感想を抱くのかな?”と、気になりました。僕みたいな職業は、世間の人とは微妙に物差しが違うかもしれないし、生活していく上でズレていくかもしれないし。そこがズレていたら、役者という仕事にも関わってくるので、気にしてしまいますね」

俳優として15年以上のキャリアを持つ中村。ここ数年で一気に脚光を浴び、「ブレイク俳優」と呼ばれていた時期を経て、現在はドラマや映画に引っ張りだこ。俳優としての地盤を固めた感のある彼は自身の状況を冷静にみているようだ。

「この2、3年で、環境が変わっていて、それで自分の生活も変わっていると実感しています。こういう仕事をしていると、神輿に担ぎ上げてもらうことが多いというか、もちろん、乗るのが仕事という部分もあるんですが、そこで流されて、知らないうちに恥ずかしい人間になっちゃったら、それはイヤじゃないですか(笑)」

自身の感覚と周囲からの視線やメディアでの取り上げられ方にも違和感を感じるという。

「役者としてどうこうよりも、異性として見られているような記事もあるじゃないですか。あれは不思議なんですよ。人気○○みたいなアンケート記事ってあるじゃないですか、褒めてくれるのはわかるんですけど、“ホントかな?”みたいな(笑)。役者としては良い仕事をしたということなので、それは嬉しいんですけど。そういう対象なんだっていうのは、いまだに不思議な感覚ですね。若い頃からずっとそういう環境だったのであれば、別ですけど。昔は出待ちの子に手紙出されて、“ありがとう”って受け取ったら、“いいや、この手紙を誰々君に渡しといて”って言われるような感じだったので(苦笑)。さっきの神輿じゃないですけど、それに慣れていかないといけないこともあるかもしれない。でもそれが普通になってしまうと、居心地が悪いんですよね。それは僕にとっての“普通”ではなくなってしまうから」

そして、本作は、派手なCGやアクションを使うわけではなく、じわじわと日常が侵食されるような演出が魅力となっている。そこで必要とされるのは、役者自身の演技の力だ。蒼山を演じる際、どのような意識を持って役に挑んだのだろうか?

「今回に関しては、それを意識しないことを意識しました。蒼山という男は、流されるままに“町”に来て、そこで何がしたいとかは自分でもわかってない人間だったので、序盤は特に僕はぼんやりと他の住民たちにトコトコついていくだけっていう。共演者の方々は曲者が多いので、その方が収まりがいいのかなと、そのくらいおぼろげな記憶で、意識してなかったですね。なんか禅問答みたいになっちゃいましたね(笑)」

衣食住は保証されてはいるものの、完全な「自由」の無い「町」を舞台にした本作だが、中村自身の考える「自由」とは、なんだろうか?

「仕事が早く終わって、夕方くらいに帰宅して、夕日を見ながら酒を飲むことじゃないですかね(笑)。平和ですね。やっぱり早く帰れると嬉しいですよね」

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『人数の町』
9月4日(金)全国公開

撮影/奥田耕平、取材・文/藤谷千明

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