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上村聡史演出「ガラスの動物園」幕開け、岡田将生「また1つ“階段”を登れる」と期待

ナタリー

「ガラスの動物園」フォトコールより。

「ガラスの動物園」が、明日12月12日に東京・シアタークリエで開幕。これに先駆け本日11日、同劇場でフォトコールと囲み取材が実施された。

本公演は、テネシー・ウィリアムズの戯曲「ガラスの動物園」を、上村聡史の演出で立ち上げるもの。劇中では、1930年代のアメリカ・セントルイスを舞台に、とある一家の姿が描かれる。子供たちの将来について現実離れした夢を持ち、口うるさい母・アマンダ(麻実れい)に、息子のトム(岡田将生)は辟易としていた。トムの姉・ローラ(倉科カナ)も極度に内気で、アマンダに通わされているビジネススクールでもうまくいっていない。ある日、トムはアマンダの言いつけで、職場の同僚のジム(竪山隼太)を、ローラに会わせるために夕食に招く。ジムは、ローラがかつて淡い恋心を抱いていた相手で……。

フォトコールでは本作の冒頭、第1幕の1場が披露された。登場したのは、母アマンダと2人の子供たち。岡田は口調や表情を巧みに使い分けながら語り手とトム役の2役を演じ、観る者をストーリーに引き込んだ。麻実は夢見るような語り口で長ゼリフを披露し、子供たちを思う故に押しつけがましくなってしまうアマンダ像を立ち上げる。さらに倉科は愛らしい笑顔を浮かべながらも、ガラス細工のユニコーンに触れる繊細な手つきや物思わしげな表情によって、物語の幕開けを感じさせた。

囲み取材には、岡田、倉科、竪山、麻実が登壇。岡田が上村とタッグを組むのは、2019年の「ブラッケン・ムーア ~荒地の亡霊~」以来となる。岡田は「語り手とトムの切り替えが難しく、上村さんに厳しくご指導いただきました(笑)」と稽古を振り返り、「上村さんには僕の俳優としての力量がバレています。だから稽古初日から全開で、僕が演じたいトムと上村さんの求めるトムをすり合わせてきました。お客様に観ていただければ、トムがまた1つ“階段”を登れるのでは」と開幕に期待を寄せる。

また映像作品で活躍しつつ、定期的に舞台に立つ岡田は「僕の初舞台は蜷川(幸雄)さんの作品。蜷川さんに『舞台に立ち続けなさい』と言われ、そのお言葉通り今もやらせてもらっています。僕は舞台に対する敬意もあるし、同時に舞台は自分を試す場所だとも思っていて。作品を100%の状態で観てもらうために稽古するのは、本当に楽しい時間です」と、演劇への思いを語った。

「テネシー・ウィリアムズが大好き」と言う倉科は「憧れの作品でしたので、オファーをいただき感謝しています。プレッシャーはありますが、日々舞台に立てることを楽しみながら取り組みたい」と気合い十分。竪山は倉科と同じくウィリアムズのファンだそうで、「中学生くらいのときから『自分もいつか出たい』と思っていて。『ガラスの動物園』は読み込むほどにいろいろな解釈ができるので大変でしたが、上村さんにいろいろご助言をいただきました。稽古場で闘う仲間たちの姿も見てきたので『自分もがんばらなきゃ』と思います」と言葉に力を込めた。

これまでに「炎 アンサンディ」「森 フォレ」などで上村とタッグを組んできた麻実は「長ゼリフが続くので、アクセントを付けてもらえるよう上村さんにお願いしました」と明かしつつ、「『ガラスの動物園』は大変手強い。でも豊かな作品なので、4人そろって幸せの中で千秋楽を迎えられたら」とほほ笑んだ。

会見では、初共演の岡田と倉科が互いの印象を述べる場面も。岡田は「カナ様(倉科)は本当に素敵な女優さん」と稽古場で生まれたというニックネームで倉科を呼び、「ローラの繊細さとチャーミングさを絶妙に演じられていて素晴らしい」と称賛を送る。これを受けて倉科は「優しい(笑)」とはにかみつつ、「物悲しさがある作品ですが、岡田さんの穏やかで温かい人柄がにじむ舞台になっています。トムが岡田さんで良かったなと」と岡田に厚い信頼を寄せた。

最後に岡田は「今回この4人が作る『ガラスの動物園』はとても優しい世界になると思う。悲劇の中にも希望がある作品だと思うので、ぜひたくさんの方に観ていただけたら」とメッセージを送り、取材を締めくくった。

上演時間は休憩ありの約2時間40分を予定。東京公演は30日まで行われ、本作はその後1月23日まで福岡、愛知、大阪を巡演する。なお本公演ではクリスマスプレゼントキャンペーンを実施。12月24・25日公演の来場者全員に非売品のA5サイズノートがプレゼントされる。

「ガラスの動物園」

2021年12月12日(日)~30日(木)
東京都 シアタークリエ

2022年1月6日(木)~12日(水)
福岡県 博多座

2022年1月14日(金)~16日(日)
愛知県 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール

2022年1月20日(木)~23日(日)
大阪府 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

作:テネシー・ウィリアムズ
翻訳:小田島雄志
演出:上村聡史
出演:岡田将生、倉科カナ、竪山隼太、麻実れい

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