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小野晃太朗のAAF戯曲賞受賞作「ねー」開幕、演出の今井朋彦「“ムダ”が身体を豊かに」

ナタリー

第19回AAF戯曲賞 受賞記念公演「ねー」より。(c)Naoshi Hatori

第19回AAF戯曲賞 受賞記念公演「ねー」が、本日11月21日に愛知・愛知県芸術劇場 小ホールで開幕する。

「ねー」は、第19回AAF戯曲賞で大賞を受賞した小野晃太朗の戯曲。SNSの匿名アカウントで告白されたとあるレイプ事件や現代の病、社会の閉塞感から着想を得て書かれた本作では、悪化していく状況の中で生きる若者たちと、暗躍する既得権益の集団を描いたファンタジーが展開する。

受賞記念公演で演出を手がける今井朋彦は、開幕に際し「かなり早い段階から、スタッフともキャストとも作品をめぐってたくさんの話し合いを重ねることができました。その多くが、合意形成を目的としない、ただお互いの意見を出し合うというものでした。その時間が作品の何に役立ったのかは判然としません。さらにいえば、そうした話し合いの前後で、1人ひとりがこの作品についてあれこれと考えた膨大な時間も、どんな役に立ったのかはわかりません。しかもその時間から生まれた意見やアイディアの多くは具現化されませんでした。そこには避けようのない『選択』があったからです。選ばれなかった意見やアイデア、そこに費やした時間、それらはすべて非効率の証なのでしょうか。もっと効率の良い方法はあったのかもしれません。ただ、その一見ムダに思われそうなあれやこれやが、開幕を目指すこのカンパニー1人ひとりの身体を豊かにしていると私は日々実感しています。今日も、その豊かな身体から生まれたすべてのものが、観客の皆さんに豊かに届くことを願って」と思いを語っている。

出演者には猪股俊明、内田淳子、小林風花、石倉来輝、今榮敬子、新田和也、小林玉季、菅沼翔也、libido:の鈴木正也、鈴木望生、劇団スポーツの竹内蓮、田辺泰信、永井茉梨奈、舟久保汐花、宮下泰幸、八木光太郎、吉田卓央、青年団の和田華子が名を連ねた。

上演時間は途中休憩なしの約2時間20分で、公演は11月23日まで。当日券は各回で用意される予定。なお24日には作品の感想をZoomで語り合う、予約不要のオンラインミーティングが開催される。また本作のアーカイブ映像が後日、有料配信される予定だ。

今井朋彦コメント

これまで目的地への最短距離をムダなく進むことばかり考えてきたような自分が、ここ数年で「効率」だの「生産性」だのという言葉に遭うと、かなり身構えるようになってきました。身の回りで、たとえ効率が悪くても豊かなものに出会う機会が増えてきたからだと思います。そもそも「効率」とは、いったい何なのでしょう。この「ねー」の製作に当たっては、かなり早い段階から、スタッフともキャストとも作品をめぐってたくさんの話し合いを重ねることができました。その多くが、合意形成を目的

としない、ただお互いの意見を出し合うというものでした。その時間が作品の何に役立ったのかは判然としません。さらにいえば、そうした話し合いの前後で、1人ひとりがこの作品についてあれこれと考えた膨大な時間も、どんな役に立ったのかはわかりません。しかもその時間から生まれた意見やアイデアの多くは具現化されませんでした。そこには避けようのない「選択」があったからです。選ばれなかった意見やアイデア、そこに費やした時間、それらはすべて非効率の証なのでしょうか。

もっと効率の良い方法はあったのかもしれません。ただ、その一見ムダに思われそうなあれやこれやが、開幕を目指すこのカンパニー1人ひとりの身体を豊かにしていると私は日々実感しています。

今日も、その豊かな身体から生まれたすべてのものが、観客の皆さんに豊かに届くことを願って。

第19回AAF戯曲賞 受賞記念公演「ねー」

2021年11月21日(日)~23日(火・祝)
愛知県 愛知県芸術劇場 小ホール

戯曲:小野晃太朗
演出:今井朋彦
出演:猪股俊明、内田淳子、小林風花、石倉来輝、今榮敬子、新田和也、小林玉季、菅沼翔也、鈴木正也、鈴木望生、竹内蓮、田辺泰信、永井茉梨奈、舟久保汐花、宮下泰幸、八木光太郎、吉田卓央、和田華子

オンラインミーティング

2021年11月24日(水)20:00開始予定

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