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山崎賢人と松岡茉優の共演作「劇場」が7月17日に公開、同日にAmazonで配信

ナタリー

20/6/25(木) 10:00

「劇場」ポスタービジュアル

新型コロナウイルスの影響で封切り延期となっていた「劇場」の新たな公開日が、7月17日に決定。同日にAmazon Prime Videoで全世界独占配信がスタートする。

又吉直樹の同名小説を行定勲が実写化した本作では、売れない劇作家の永田と、彼を必死に支える恋人・沙希の日々がつづられる。山崎賢人が永田、松岡茉優が沙希を演じたほか、寛一郎、伊藤沙莉、井口理(King Gnu)、浅香航大らもキャストに名を連ねた。脚本を蓬莱竜太、音楽を曽我部恵一が担当している。

行定は「渾身の想いでつくった映画『劇場』を映画館で、そしてご自宅で、皆様に観ていただきたいです。私たちスタッフ、キャスト一同の映画への想いが詰まった作品です。観客の皆様の心に響くことを信じております」とつづり、又吉は「映画館でご覧いただきたいのはもちろんですが、皆さんの日常に近い場所でも、この映画がどのように響くのかとても楽しみです」と期待を込めた。

また本作を鑑賞したポン・ジュノは「この作品はまさに行定監督にしか作り得ない、長くも繊細な愛の物語であるという点で非常に印象深かったです」と感想を述べ、「クリエイターあるいは芸術家が抱く不安や苦痛、偏狭さや卑怯な一面をリアルに描いており、その否定的な感情を乗り越え、成長に導いていく自己省察と忍耐までも描かれています。それは同じ作り手という立場にとって、一層胸に迫るものでした」と語っている。そのほかの著名人のコメントは下記の通り。

「劇場」はミニシアターを中心に全国の劇場で公開される。

※山崎賢人の「崎」は立つ崎(たつさき)が正式表記

行定勲 コメント

私が監督した映画「劇場」が7/17に公開されることとなりました。当初より規模は縮小されますが、ユーロスペースをはじめ全国20館のミニシアターを中心に公開します。それと同日に、Amazon Prime Videoにて全世界への配信が開始されます。
本作は公開直前に緊急事態宣言が出され延期を余儀なくされました。その後、延期を決めたものの思い通りの再公開の状況が作れないという問題に直面していたところに、Amazonから声をかけて頂きました。しかも公開と配信を同時にという私の希望を叶える形で。これはコロナ禍において私の作った映画がより観客に届くことを最優先させた結果です。
是非、渾身の想いでつくった映画「劇場」を映画館で、そしてご自宅で、皆様に観ていただきたいです。私たちスタッフ、キャスト一同の映画への想いが詰まった作品です。観客の皆様の心に響くことを信じております。何卒、よろしくお願い致します。

又吉直樹 コメント

映画「劇場」ようやく皆さんに観ていただけるようで嬉しく思います。
「劇場」は題名の通り、劇場を表現の場として演劇に青春を捧げる若者の物語であると同時に、小さな部屋を舞台とした恋人との日常の物語でもあります。
「劇場」も「部屋」も自分にとって、あらゆるものが剥きだしになる特別な場所です。
映画館でご覧いただきたいのはもちろんですが、皆さんの日常に近い場所でも、この映画がどのように響くのかとても楽しみです。私は原作を書いただけで、直接映画の制作には関わっていませんが、本当に素晴らしい作品になっていて、行定監督や俳優陣の皆さんに感謝しています。自信を持って、おすすめします。

ポン・ジュノ コメント

「劇場」は個人的に親しい韓国の演劇人夫婦の実話を、そして私自身の助監督時代を回想させる作品でした。そのような意味でより一層面白く感じられる映画でした。
薄氷の上を一緒に歩いているかのような心もとない愛の物語、そんな愛だからこそより切ない物語、しかし最後まで壊れることのない愛の物語だと思います。一方で、この作品は成長と克服に関する物語でもあると思います。はてしなく長く、終わりの見えないある時期を乗り越えていく物語ですが、青春期の男女の感情の繊細な調律師である行定監督ならではの熟練した、老練な腕前(力量)を再確認させてくれる作品でした。

映画の様々な場面が印象に残っていますが、特に回り続けるスクーターのシーンは忘れられません。同じコースをぐるぐる回るスクーターと、それに合わせてヒロインの沙希の表情が変わっていく様は本当に素晴らしかったです。男女の関係を一つのシーンに明確に圧縮した、まさにシネマティックな名場面だと思います。また夜通しサッカーゲームをした後、沙希が朝出勤していくシークエンスも名場面でした。そして、一緒に荷造りをする場面は、なぜふたりのアパートが角部屋で窓が二つなのか、その理由を如実にみせてくれる素晴らしい場面だと思います。二つの窓のカーテンが開かれ、日差しが降り注ぐ瞬間がとても印象的でした。

山崎賢人さんは不確かな天才から醸し出される不安感、不確かな天才に向けて沸き起こる憐憫、そのすべてを可能にしました。松岡茉優さんは天使の安らぎと、反対に天使からもたらせる息苦しさの両面を見事に表現していたと思います。
ストーリーの90パーセント以上を主人公の男女が引っ張っていく作品ですが、二人の俳優の演技が素晴らしく、本当によかったです。この作品はまさに行定監督にしか作り得ない、長くも繊細な愛の物語であるという点で非常に印象深かったです。またこの映画は、クリエイターあるいは芸術家が抱く不安や苦痛、偏狭さや卑怯な一面をリアルに描いており、その否定的な感情を乗り越え、成長に導いていく自己省察と忍耐までも描かれています。それは同じ作り手という立場にとって、一層胸に迫るものでした。ありがとうございました。

相田冬二(映画評論家)コメント

うぬぼれや。自信満々なのは弱い自分を見せたくないから。ほめられたくて。愛されたくて。いちばんたいせつなことが見えなくなってしまう。恋は盲目。表現欲はもっと盲目。自分のなかのうぬぼれやが世界にむかって土下座したくなる。苛烈。だけど底なしの抱擁力のある映画。

有村昆(映画コメンテーター)コメント

観る者のハードルを軽く超えて、誰しもが若き頃に抱く葛藤が全て込められた傑作! 自分の才能で飯を食いたい若者は必見! 演技、演出、原作どれをとっても最高だ!

伊藤歩 コメント

不器用さ、おろかさ、永田の不安定な心、猫背、弱さや優しさがとても愛おしかった。失うことでしか気付けない大切なもの。静かに、時に力強く打ち寄せる永田と沙希の感情に心を揺さぶられました。そして、ラストシーン。ぜひ劇場で観て欲しい作品です!

岩井俊二 コメント

創作に取り憑かれた男の“おろか”と、その男と同棲してしまった不運な女が余すところなく描かれる。
当事者の自分には痛みなくして観れない映画であった。創作の道とは魔道であり“魅道”である。

宇野維正(映画・音楽ジャーナリスト)コメント

客観的に見れば、山崎賢人演じる永田はろくでもないクソ男だし、松岡茉優演じる沙希も典型的な鬱陶しい恋人だ。しかし、両者のキャリア最高クラスの名演を引き出した行定勲監督の演出は、観客を「客観的」なままではいさせてくれない。ストーリーに共感できても、できなくても、映画の力で巻き込んでしまう。

折田千鶴子(映画ライター)コメント

破裂しそうなほど膨らむ自尊心を持て余しつつ、ドン詰まる男の葛藤と焦燥。そんな自分をまるっと受け入れる恋人に八つ当たり――。クズ男とダメンズ女子の恋模様は、嫌になるほどイラつくのに、妙に心が逸り、目が離せない。そうしてラスト、不覚にも落涙! 深く突き刺さり、清らかな気持ちにさえさせられた。

鏡リュウジ(占い師)コメント

この男はどうしようもないクズだ。だがクズな自分は誰の中にもいる。でも、もしかしたら光はその「クズ」の中にあるかもしれない。クズか黄金を決めるのは誰なのか、そんなことをずっと考えた

姜尚中(熊本県立劇場館長)コメント

田舎から上京した者なら一度は抱いたはずの青雲の志。白々と明けゆく大都会・東京の空に夢が弾け、若い男女の切ない愛が炸裂する。これほど一途に夢を追い、純な愛に身を焦がしたことがあっただろうか。今も無垢な魂を宿す行定監督ならではの稀に見る傑作である。「コロナウイルスの時代」だからこそ、必見の価値がある。

清藤秀人(映画ライター)コメント

原作者の又吉直樹は恋愛小説を書きたかったとか。しかし、出来上がった映画は夢を追い求める主人公と彼に寄り添い続ける女性の報われないラブロマンスより、夢を追い続けることの過酷さがより際立って、やはり「火花」の漫才師たちに想いが及んでしまう。自分の才能に真摯に向き合うこと。そのことの厳しさが胸を突くのだ。

倉持裕(劇作家 / 脚本家 / 演出家)コメント

何者かになりたくてなれない若者の感じが、とにかく生々しい。「あの頃」の格好悪さは嫌というほど知っている。そう、「あの頃」は何かと苦しい。自意識、自尊心、嫉妬心などが真っ直ぐ恋をさせてくれない。そんな異質な時期の恋人たちは、あんなに愚かで傷だらけで貧乏なくせに、最後には、なぜああも輝くのか……!

栗原類 コメント

好きだからこそ素直になれないと言うけれど、逆に素直にぶつかれば気持ちをわかってもらえるとは限らない。でも変に強がるよりは正直に生きて素直に気持ちをぶつけた方がかっこいいと思うし、素直にぶつかるからこそ、その感情の掛け替えのない価値を身をもってわかり、自分が成長する。行定さんの名作がまた誕生した。

佐藤良成(ハンバート ハンバート / ミュージシャン)コメント

永田は自分のいやなところにそっくりで全然許せないのですが、でもだからこそ、2人の時間の儚さを目の当たりにすると、自分のことのように胸が痛むのです。

佐野遊穂 (ハンバート ハンバート / ミュージシャン)コメント

映像を通して、二人のあいだの距離感、幸福感、空気の重さが伝わってきて、ドキドキしながら観ました。ふと、昔の事を思い出して、顔から火が出そうになったりもして。永田がバイト先に沙希を迎えに行ったけれど、会えなかったシーンが一番好きです。

セントチヒロ・チッチ(BiSH / アーティスト)

なんとなく歩き続けてみたら見失っていて、振り返ったらたしかにここに居る。2人の生活は不器用で純粋で苦しいくらいに人間だった。ぐるぐる巡るもどかしさと生温い下北沢の景色は憎らしいのに愛しくって。どうしてこんなにも自分が泣いているのかわからなかったけどきっとそれでいいんだと思います。人間ってやっぱり面倒くさいけどやめられない。息苦しくても腐るまでもがいて私を生きてみてもいいなと思わせてくれた映画でした。

立田敦子(映画ジャーナリスト)コメント

近づけば近づくほど、愛する人を傷つけ、自分自身も傷ついて、奈落の底に突き落とされる。蟻地獄のようにどうしようもなく苦しい、若く未熟な恋愛を通して、自己と他者との間に流れる暗くて深い川を真摯に見つめる。なりふり構わないその誠実さに心を動かされた。まぎれもなく純度100%の恋愛映画。

中井圭(映画解説者)コメント

愛はどうして、手からこぼれ落ちる瞬間、いちばん心に溢れるのだろう。あの未熟さ、苦さ、切なさが、我が身によみがえったとき、映画は静かに完成する。行定勲監督の近年ベストの一本は、余韻が消えない、消してくれない。

橋本じゅん コメント

若い才能達に脅威と嫉妬を覚えながら遠く過ぎ去ったつもりでいた昨日の自分と重ね合いながら明日の自分に未だに焦りと不安を覚えながら今? この俺に何を言えと? 今日もまだ続いているあの日の「いつか」それが劇場なのだなと。

橋本マナミ コメント

夢に向かいながらもうまくいかず、葛藤しながらもがく永田とそれを支える沙希の心情描写がとても繊細で、私も田舎から夢を目指して上京してきたときの感情と重なって胸がギュっと締め付けられるシーンがたくさんありました。2人の空気感がすごく温かくて美しくも切ない恋愛映画。 ラストには驚かされましたが、どこかほっこり包み込まれるような気持ちが残る映画でした。

町田康(小説家)コメント

見ていて胸が苦しくなりました。愛しい、と書いて、いとしい、とも、かなしい、とも読む、その理由を知りました。

真戸原直人(アンダーグラフ / ミュージシャン)コメント

ドキュメンタリーを観ているようだった。東京、夢、恋、出会い、別れ、そしてまた出会う。そんな日常こそが、人生という「劇場」なんだなと。何処にでもあるようで、一つしかないんだなと。そして、描かれた喜怒哀楽、全てが愛おしかったです。

MICO(SHE IS SUMMER / アーティスト)コメント

今をえぐりとるように、一部のコミュニティの今の会話、表情、服装やら、飲みに行く場所まで、あまりにジャストに描かれていて、くらくらしてしまった。

痛々しいほどリアルな感情から沸き立つにおいが、まぶたから離れない鮮烈な景色となって、この映画には閉じ込められている。どこかの、だれかの、ひとつの恋。だれだって自分の劇場を持っている。

峯田和伸(銀杏BOYZ / 歌手)コメント

ずっと変わることのできない人も、変わることしかできなかった人も包みこんでいく街と雨と花びらたち。この映画は、たったひとりの人にだけ届くことの許された真赤なラヴソングでした。

村上純(しずる / 芸人)コメント

映画「劇場」の中には観る人にとっての“劇”が絶対に散りばめられているし、その“劇”を目の前に胸が苦しくて仕方なくなるかもしれません。でも、必ず自分の弱さに寄り添ってくれる作品です。永田と沙希にしかわからない、そして永田と沙希にもわからない、狂おしい“劇場”がそこにはあります。

本広克行 コメント

とても共感してしまった。演劇でできる事はどこまでできるんだろうか? 映画ができる事はなんだろう? 演劇的な芝居? 映画的な台詞? 映画と舞台の境目とは? 観終わってから、ずっと頭の中をグルグルさせられた。映画も演劇も演出する行定監督だからこそなせる演出だと思った。それにしても松岡茉優が演じる沙希ちゃんは男の理想の彼女です。

森直人(映画評論家)コメント

モラトリアムな宙吊りの蒼い時間を生きる男と女。これは行定勲監督にとって作家的な原風景ではないか。あの山崎賢人が下北沢の街と生活、劣等感と鬱屈に苛まれる“汚れちまった悲しみ”へとリアルに馴染んでいくのが凄い。そしてKing Gnuの井口理、なんて良いキャスティングだ!

YOU(タレント)コメント

台詞の端々が思い当たって痛いのです。夢みる男は読まない本より着ない服より何より捨てづらい。笑 そしていつもこっちが変わらざるを得ない。それでもその恋のおかげで変わった自分を抱きしめる力さえ身につけて懐かしく愛おしいとさえ思ったりしながらまた進んだりもできるのです。まるでそれぞれの劇場のように。

(c)2020「劇場」製作委員会

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