「光のノスタルジア」「真珠のボタン」で知られるパトリシオ・グスマンの監督作「The Cordillera of Dreams（英題）」が「夢のアンデス」の邦題で公開決定。10月9日より東京・岩波ホールほか全国で上映される。

CIA支援のもと、1973年9月にアウグスト・ピノチェトの指揮によって発生したチリの軍事クーデター。世界で初めて自由選挙によって樹立したサルバドール・アジェンデによる社会主義政権はピノチェトに倒され、左派を中心とした3000人を超える市民が虐殺された。グスマンはドキュメンタリー映画「チリの闘い」の撮影後、政治犯として連行されながらフィルムを守るためパリに亡命。その後、40年以上にわたってチリの弾圧の歴史を映画として記録してきた。

本作でグスマンは、かつて「チリの闘い」で映像に残したアジェンデ時代の歴史と、クーデター後に新自由主義の実験の場となったチリの現状を見つめ直している。なお本作は、2019年の第72回カンヌ映画祭で、ドキュメンタリー作品を対象とするゴールデンアイ賞を獲得した。ポスターデザインはグラフィックデザイナーの大島依提亜が担当。