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『野ブタ。をプロデュース』に続き『鍵のかかった部屋』で遡る、戸田恵梨香の歴史の1ページ

リアルサウンド

20/5/11(月) 6:00

 ジャニーズ事務所の人気グループ「嵐」のリーダーである大野智が初主演を務めた連続ドラマ『鍵のかかった部屋』(フジテレビ系)が、特別編として5月11日21時から放送される。本作は大野にとって月9初主演の記念すべき作品。今回、新型コロナウイルス感染拡大防止に基づきドラマの撮影を休止しているフジテレビが、4月期月9ドラマ『SUITS/スーツ2』の第3話以降の代打として本作の特別編を放送する。

【写真】『鍵のかかった部屋』主演の大野智

 かねてから再放送を熱望する声が高い本作が特別編として放送されることが決まり、SNSでは楽しみにしている視聴者の声が多数上がっている。本作は防犯オタクである榎本径(大野智)が、弁護士の青砥純子(戸田恵梨香)と芹沢豪(佐藤浩市)とともに難解な密室事件を解明していく痛快エンターテインメント。ひょんなことから密室事件の真相解明を依頼された榎本は、「密室」というキーワードを聞くと表情が変わる奇人。膨大な知識とその鋭い洞察力と集中力で、完全犯罪と思われた事件の解決への糸口を、密室を破ることで見出していく。

 特別編のエピソードでは、東京総合セキュリティに勤める榎本が青砥に頼まれ、先輩弁護士の芹沢と共に密室事件の現場を訪れるところから始まる。榎本が連れられた先は葬儀会社の社長・大石の遺体が見つかった山荘だった。警察は山荘が密室だったこと、大石が末期のがんを患っていたことから自殺と断定するが、大石の友人・円山(浜田晃)と司法書士・日下部(堀部圭亮)は疑念を抱き、芹沢に調査を依頼するという内容だ。今回も榎本の繊細な謎解きが密室という難しい事件と対峙する。

 もともと本作は2012年に放送されていたため、今回は8年前のまだ少しあどけなさが残る大野の姿を見ることができる。普段はおっとりした印象の大野だが、榎本のトレードマークの黒縁メガネをかけ謎解き場面でキリッとした表情を見せると、思わずそのギャップにグッと心を掴まれる。また、共演には『スカーレット』(NHK総合)で主演を演じた戸田恵梨香が青砥を演じている。現在日本テレビで再放送されている『野ブタ。をプロデュース』(2005年)では15年前のかわいらしい姿を披露しているが、同時期に8年前と15年前の姿を見ることのできる形となった。こうした時の流れによる役者の変化もまた、再放送の楽しみだろう。大野や戸田が“今”に到るまでの歴史の1ページを遡ることもまた、本作の見どころのひとつだ。

 さらに本作と言えば、親指と人差し指をこすり、鍵を開ける動作をし、「密室は、破れました」という榎本の決め台詞が特徴である。人気ミステリー作品にはつきものであるこの決め台詞。過去には『金田一少年の事件簿』(日本テレビ系)での「じっちゃんの名にかけて」や『ガリレオ』(フジテレビ系)の「実におもしろい」、『TRICK』(テレビ朝日系)の「お前のやったことは全部お見通しだ」などが挙げられ、それぞれの世代でマネをする子供が続出するなどブームの火付け役にもなっている。さらに大野と同じ「嵐」のメンバーでは櫻井翔が『謎解きはディナーのあとで』(フジテレビ系)で似たように推理にまつわる台詞のある役を演じている他、相葉雅紀も『貴族探偵』(フジテレビ系)で “推理しない” 探偵を演じており、松本潤は『ラッキーセブン』(フジテレビ系)で探偵事務所の新人役を演じた。同グループ内での探偵ドラマを見比べても楽しめるだろう。

 今でも色褪せることのないキャラクターの魅力と決め台詞が魅力の『鍵のかかった部屋』。特別編の放送では、従来のファンに加えて、多くの世代を巻き込み「密室トリック」の虜にするだろう。

(Nana Numoto)

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