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松下洸平が新しい「カメレオンズ・リップ」届ける、河原雅彦演出のKERA CROSS開幕

ナタリー

21/4/3(土) 5:00

KERA CROSS 第3弾「カメレオンズ・リップ」より。(撮影:桜井隆幸)

「KERA CROSS」の第3弾「カメレオンズ・リップ」が、昨日4月2日に東京・シアター1010で開幕した。

「KERA CROSS」は、ケラリーノ・サンドロヴィッチの作品をさまざまな演出家の手で上演する企画。その第3弾となる「カメレオンズ・リップ」は、2004年に東京・Bunkamura シアターコクーンにて初演された作品で、登場人物たちがうそをつき、だまし合うクライムコメディだ。今回演出を手がけるのは河原雅彦。キャストには松下洸平、生駒里奈、ファーストサマーウイカ、我が家の坪倉由幸、野口かおる、森準人、シルビア・グラブ、岡本健一が名を連ねた。

開幕に際し、松下は「嘘が得意と豪語していながら一番嘘が下手というルーファスという存在を、どうやったら愛していただけるか、それをこの1カ月考えながら稽古をしていました」と振り返り、「全く新しい『カメレオンズ・リップ』が完成したと思っています」と自信を見せる。また生駒は「“嘘の中に隠れている本心”というものの微妙なバランスが難しかったのですが、そこは自分の中で解釈できたのではないかと思っています」と述べ、「お客様の前に立って、その嘘がみなさまにどう伝わるか、しっかり表現していきたいと思います」とコメント。

そして岡本は「松下さん、生駒さんたちの、若いからこそのエネルギーをオープンマインドで出す姿は、見ていて面白いし気持ち良いですし、この『カメレオンズ・リップ』という作品の中に込められている気がします」と思いを口にした。

本作の上演時間は、休憩を含む3時間5分を予定。公演は4月4日まで東京・シアター1010、11日に福島・南相馬市民文化会館 ゆめはっと、14日から26日まで東京・シアタークリエ、5月2日から4日まで大阪・サンケイホールブリーゼ、6日に愛知・日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール、15日に新潟・長岡市立劇場にて。

松下洸平コメント

稽古期間は、あっという間の1カ月でした。演出の河原さんが丁寧に演出して下さいました。

僕らは濃密な良い稽古の時間を過ごさせて頂いたので、あとはお客様がどんな反応をして下さるかを気にしながら、稽古通りにやるだけだなと思います。

今回、すごく多種多様なジャンルの方々が揃いまして、特に我が家の坪倉さんには癒されました。飄々とされていながら、稽古で凝り固まっていたところも、坪倉さんがいて下さると稽古場が明るくなってとても助けて頂きました。

ルーファスという役を演じるにあたり、初演の印象をどう払拭していくかが課題でしたが、日々稽古を重ね自分のルーファスを作っていくにあたり、生駒さんや岡本さんのお芝居を見ながら、だんだん自分でも思っていなかったルーファスが出来上がっていきました。ルーファスの人間らしさを引き出して頂いたのは、本当に共演の皆さんのお陰だなと思います。嘘が得意と豪語していながら一番嘘が下手というルーファスという存在を、どうやったら愛していただけるか、それをこの1カ月考えながら稽古をしていました。

KERA CROSSという企画はKERAさんが書かれた過去作品を、演出家とキャストを一新してお届けしていく企画ですが、全く新しい「カメレオンズ・リップ」が完成したと思っています。

本当に個性あふれるキャストの皆さんと御一緒できて、僕も本当に幸せですし楽しいです。

生駒里奈コメント

日々のニュースを見ながら、公演ができるのかという不安を心のどこかに抱えつつ、自分は新しいことへの挑戦で稽古場でも苦戦していたので、今こうして本番を迎えられたことを、本当に嬉しく、ありがたく思います。これからも感染対策をしっかりして、お客様にもご協力頂きつつ、作品を楽しむということを実践できたら良いなと思っています。

私が今まで演じさせて頂いてきた中でも一番と言っていいほど難しい役を、まだ未経験のことも多い私が演じさせて頂けることになり、そこは正直大変でした。今までは自分の持っているものを放出することで形になる役が多かったのですが、今回に関しては全くそうではありませんでした。それを発見することができ、自分自身と結びつけなくて良いんだ、と個人的に思えた瞬間から、今回の役を演じることができるようになりました。この役を通して、役の作り方や向き合い方の種類が広がったと感じています。

“嘘の中に隠れている本心”というものの微妙なバランスが難しかったのですが、そこは自分の中で解釈できたのではないかと思っています。

お客様の前に立って、その嘘がみなさまにどう伝わるか、しっかり表現していきたいと思います。

岡本健一コメント

濃密で濃厚な稽古期間でした。稽古場では、皆本当に面白くて、想定外の笑いが沢山あるのですが、果たしてこれがお客様の前で伝わるか伝わらないか、どんな印象を受けるのか、楽しみでしょうがないです。

KERAさんがシアターコクーンという劇場で初めて公演した時、大衆に向けて、大きな劇場に向けて書いた作品で、気合も入っていたんだろうし、舞台ならではの演出、舞台でなければ表現できない事などがいっぱいちりばめられています。それが稽古場ではできなかったりすることがいっぱいあって、劇場に入ってみて、初めてそれを目の当たりにして、ちょっとワクワクする感じがあります。

なかなか人と会うことができない時期に、稽古場は、唯一会える人間達ということで、色んな想いで救われる、助けられる部分がありました。腑に落ちないところなどは、皆それぞれが解消するように話し合ったり、凄くオープンで良い時間だったと思います。

松下さん、生駒さんたちの、若いからこそのエネルギーをオープンマインドで出す姿は、見ていて面白いし気持ち良いですし、この「カメレオンズ・リップ」という作品の中に込められている気がします。

作品自体とも繋がる部分があり、トラウマを抱え合う人物が、山奥の谷のお屋敷で、唯一ここにいる同士触れ合うことで、本質を見つけてくるような、素敵なテーマだなと思っています。

KERA CROSS 第3弾「カメレオンズ・リップ」

2021年4月2日(金)~4日(日)
東京都 シアター1010

2021年4月11日(日)
福島県 南相馬市民文化会館 ゆめはっと

2021年4月14日(水)~26日(月)
東京都 シアタークリエ

2021年5月2日(日)~4日(火・祝)
大阪府 サンケイホールブリーゼ

2021年5月6日(木)
愛知県 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール

2021月5月15日(土)
新潟県 長岡市立劇場

作:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
演出:河原雅彦
音楽:伊澤一葉(東京事変 / the HIATUS)
出演:松下洸平、生駒里奈、ファーストサマーウイカ、坪倉由幸(我が家)、野口かおる、森準人、シルビア・グラブ、岡本健一

※2021年4月24日追記:大阪公演は新型コロナウイルスの影響で中止になりました。

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