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日向坂46にとって東京ドームは遠い目標ではない 表現力の急成長感じたSSA公演レポート

リアルサウンド

19/9/27(金) 14:00

 日向坂46が、9月26日にさいたまスーパーアリーナで行った『日向坂46 3rdシングル発売記念ワンマンライブ』は、この短期間におけるグループの表現力の成長とその要因を実感できるものだった。

(関連:日向坂46は“ライブに強いグループ”に成長 さいたまスーパーアリーナ公演で期待したい3つのこと

 MCで潮紗理菜が「久しぶりのワンマンでとっても緊張してたんです」と話していたように、日向坂46にとってこの日のワンマンライブは3月の横浜アリーナ公演(『⽇向坂46 デビューカウントダウンライブ!!』)以来、半年ぶり。にもかかわらず、いきなり銀テープ噴射で幕を開けた「ドレミソラシド」から始まり、トロッコに乗って会場を一周した「ひらがなで恋したい」、「ときめき草」、「期待していない自分」、「抱きしめてやる」と、序盤からトップスピードで展開していく。

 ユニット曲パートでは、1期生による「My god」、加藤史帆・渡邉美穂・上村ひなのによる「やさしさが邪魔をする」など、全員曲では見ることのできない表情を次々と見せてくれた。とくに白眉だったのは東村芽依・金村美玖・河田陽菜・丹生明里による「Cage」。鳥籠を模したセットの中でアニメーションが踊る演出と、4人のダンススキルの高さが際立つパフォーマンスに目を奪われた。

 富田鈴花のラップを挟んで、高速ブレイクビーツを下敷きにした金村センターの2期3期曲「Dash&Rush」がドロップされたあとは、モータウン歌謡「君に話しておきたいこと」で前半パートが終了。MCを挟み、小坂菜緒が海辺の公衆電話で、“深読みなんかしても意味ないのに”と歌詞を引用したセリフを話す、MVと接続されたようなVTRを経て、3rdシングル表題曲「こんなに好きになっちゃっていいの?」が初披露された。MVでは映っていなかった細やかな動きや位置どりに難度の高さを感じるとともに、ラストのサビ前には「∞(サビ前の歌詞である“Infinity”)」の形を模したフォーメーションになるといった意匠も目を引いた。

 「こんなに好きになっちゃっていいの?」はこれまでのシングル2作にはないイメージの表題曲だが、明るい・可愛いだけではない多彩な表現力を身につけた今の彼女たちにとっては、グループの幅を広げる新たな武器の一つにすぎない。グループがこれまでアルバムやカップリングで表現してきた楽曲たちと並ぶライブでも、違和感なくスムースにつながることが、何よりの証左といえるだろう。

 ライブ後半は、ファンキーなディスコ歌謡の「キツネ」から、「キュン」、「ハッピーオーラ」と再度アッパーな楽曲でテンションが加速し、ラストスパートへと突入。「NO WAR in the future」でこの日屈指の盛り上がりを見せたあとは、佐々木久美の「みなさんと虹を作りたいです」というMCにあわせ、「JOYFUL LOVE」がスタート。会場のペンライトが区画ごとにカラフルに点灯し、明るく楽しく“愛と平和”を歌い踊り、本編は終了した。

 アンコールでは、柿崎芽実の卒業以来初めて「誰よりも高く跳べ!」を1期生メンバーによってパフォーマンス。全員での披露も予想されていたが、けやき坂46時代からの大事なキラーチューンをオリジナルメンバーが守り抜いていく、という強い決意も感じられた。その後、2期生による「半分の記憶」を経て、MCではメンバー全員出演のドラマが2020年1月から放送されること、小坂の主演映画『恐怖人形』の上映、CoCo壱番屋とのタイアップ、ドローンレース『FAI Drone Tokyo 2019 Racing&Conference』の公式アンバサダー就任、クリスマスライブの開催がそれぞれ発表された。

 どれも喜ばしいニュースだが、筆者はドラマについて「すでにクランクアップしているんです」と佐々木久美が言ったことで、この日のパフォーマンス全てに合点がいった。なぜなら、撮影を経て一回りパワーアップした日向坂46が目の前に立っていたのだから。

 アンコール最後の楽曲は、恒例の「約束の卵」。その直前、佐々木久美は同曲が示す“場所”を「遠い目標」と話していた。しかし、彼女たちがさいたまスーパーアリーナを目一杯埋め尽くしたことや、先日姉妹グループである欅坂46が東京ドームを終了させたことを考えると、全く遠い未来の話には思えない。そう感じさせるには十分な公演だった。(中村拓海)

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