【問題】
バレンタインの日。アナタのところにおとぎの国から使者がやってきて、「アナタは選ばれし者であり、プリンセスを救う手助けをして欲しい」と言われます。
さてアナタはどの物語を選びますか?
この心理テストで分かること。それは窮地に立たされた時に役立つ“アナタの最強パワー”は一体何なのか?
おとぎ話の登場人物に見立ててご説明しちゃいますよ〜。
Aを選んだアナタは
“フェアリーゴッドマザー”
『シンデレラ』に登場する魔法使いの妖精。願いを叶えてくれる、誰もが会いたい力ある妖精です。
社会に耳を傾け、人の言葉に耳を傾け、今、何が必要とされているのかを察知し、生み出す能力を秘めたクリエイタータイプのアナタ。抜群のプロデュース能力を持っているので、新しいことを生み出せる才能豊かな人。失敗を恐れることなく楽しみながら物を作り出していければ、間違いなく多くの人が楽しめ、愛される物を生み出すはず。
そんなアナタにオススメなのは、不幸な女性が幸せを掴み、とんでもない運命を辿ることになる土屋太鳳、田中圭共演『哀愁しんでれら』。人間の裏表を描く深みある脚本に唸ること間違いなし。
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Bを選んだアナタは
“人魚”
美しい歌声で人をも魅了する神秘的な人魚。
繊細であり感性豊かなので、人の言葉にも敏感過ぎるのですが、その分、相手の気持ちを慮る力を持つ愛されキャラのアナタ。尊敬の心や相手への気遣いを忘れない心優しい人なので、多くの人を魅了します。さらにアナタの繊細さに気づいた人が何かと助けてくれることも。アナタを守ってくれる人を側に置いて多くの人に感謝を振りまいて。
そんなアナタにオススメなのは、“人魚伝説”をモチーフにしたファンタジックなラブストーリー『マーメイド・イン・パリ』。セットや美術の美しさと共に、優しい主人公に恋しちゃうかも。
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Cを選んだアナタは
“ドワーフ”
『白雪姫』に登場する7人のこびと。個性が際立ちピュアな目で人を見ることができます。
とっても誠実であり、自分ひとりでは世界を救うことなんてできないと考える謙虚さと真面目さが最大の武器であるアナタ。弱き者に寄り添い泣き言を言わず、できることをコツコツ続ける芯の強い人です。曇りのない瞳で人としっかり向き合う能力に長けているので、噂なんかに流されません。アナタに救われる人は一生感謝し続けるはず。
そんなアナタにオススメなのは、松坂桃李主演、今泉力哉監督作、推しに出会った若者たちの愛と自分探しを描く『あの頃。』。劔樹人の自伝的ストーリーは笑いと切なさと愛に満ちています。
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Dを選んだアナタは
“騎士”
いばらの道も切り開く甲冑を着た戦いの戦士。
どんな悪やどんな困難にも立ち向かえる強いハートを持った正真正銘の騎士。正義の名の下に行き、先人を切っていばらの道を歩く心強いアナタと組みたいと思う人は沢山います。それこそ、弱き者を助けるのが強き者の使命という精神で、困った人の声にも耳を傾けるヒーローなのです。先駆者として新しい道筋を切り開いていってください。
そんなアナタにオススメなのは、人生の大半を刑務所で過ごした男が社会でどう生きていくのか描く、役所広司主演、西川美和監督『すばらしき世界』。八方塞がりの社会で生きる意味を探す大傑作。
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Eを選んだアナタは
“王子”
キレイな心とキレイな物を愛する純粋な王子。
そもそも美しい言葉や美しい物を見続けてきたアナタは、宝石の原石を見つけ出す能力に長けた人です。アナタが好きになった物が後々、ヒットしたり、話題になったりすることも多いのでは? アナタの才能は先見の目。自分の好みを信じ、趣向を凝らして見るとあっと驚く大ヒット作を生み出すやも? アイドル養成も得意かもしれません。
そんなアナタにオススメなのは、中国発、若き天才監督の水墨画のようなカメラワークが美しい家族の物語『春江水暖~しゅんこうすいだん』。画の美しさに惚れ惚れしながら、人間の喜怒哀楽を見つめる傑作です。
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伊藤さとりの今月のオススメ心理映画
『哀愁しんでれら』『マーメイド・イン・パリ』~おとぎ話はハッピーエンドじゃなく、人生の教訓~
そもそもおとぎ話は子供への教訓
「いつか白馬の王子様がやってくるわ」By 白雪姫心理
「この不幸な私をいつか王子様が救ってくれるに違いない」By シンデレラ心理
でございます。
えぇ、間違いなく、私もこのふたつに憧れた乙女時代がありました。玉の輿に乗ったら人生安泰。そんな妄想はきっとおとぎ話の最後にある「ふたりは一生幸せに暮らしましたとさ」という魔法の言葉によって生み出されたものであり、実際のところ、その先を描いた“おとぎ話”はないのだから。特に幼い頃は妄想を楽しむのも子供の特徴で、物語の先を考え都合よく脳に植えつけてしまう。
だけどそもそも、おとぎ話って人生の教訓を描いたものであり、『シンデレラ』なら、継母や義理の姉たちのように意地悪をしていると痛い目に合うという教えだったわけで……。
『シンデレラ』のリアル
そこで、タイトルに“シンデレラ”がついている、土屋太鳳さんが何度も断って出演を決めた映画『哀愁しんでれら』について。
これは理想と現実のギャップに苦しむ不幸な女の子の物語であり、彼女が信じた田中圭さん演じる王子様がもたらしてくれる幸せは、理想とかけ離れた信じがたい現実だったというミステリーになっているところが斬新なのです。
そこには多感な子供の感情だったり、親の期待が子供の感情を爆発させる結果だったり、自分の子供を愛さなければいけない呪縛に苦しむ母親の複雑な思いだったりと、メルヘンではなく、意外やリアル。
王子様は優しい、お金があれば幸せなんて妄想を吹き飛ばし、“人を知るには深く時間をかけて”が大事という教訓が詰まっている正真正銘のおとぎ話なのです。
“人魚伝説”のリアル
同じ2月に公開を迎えるフランス映画『マーメイド・イン・パリ』は、おとぎ話の『人魚姫』というより“人魚伝説”がモチーフ。
その美しい歌声で船乗りを魅了し、海に引き摺り込む不吉な存在なのだけど、映画では怪我をした美しい人魚が歌声で人の息の根を止めてしまう中で、たったひとり彼女の魔術にかからない男と出会い、“じっくり時間をかけて恋に落ちていく”というお話。
人魚から見れば人間は自分たちを傷つける敵。だから人間に出会ったらやられる前にやる、という発想だと劇中の人魚ちゃんは教えてくれます。
じゃあどうしてこの男だけ魔術にかからないのか?という理由のひとつが、彼女にひと目惚れ(声と容姿)しなかったということ。外見だけで好きにならず、傷ついた人魚を助けようとする“下心の無い誠実さ”が命を救うのだという教訓なのでしょうか?
じゃあ、その先、本当の恋に落ちたらどうなるのか? ここは映画を観てのお楽しみで。
プロフィール
伊藤さとり(いとう・さとり)
邦画&洋画の記者会見や舞台挨拶を週5回は担当する映画MCであり、年間500本以上は映画を見る映画コメンテーター。TSUTAYA店内放送「WAVE-C3」で新作DVD紹介のDJ、ケーブルテレビ無料放送チャンネル×ぴあ映画生活×Youtube:動画番組(俳優と対談)「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」、雑誌「シネマスクエア」コラムや、デイリースポーツでスターの魅力コラム連載、スターチャンネルで映画紹介他、TV、ラジオ、雑誌、WEBなどで映画紹介のレギュラーを持つ。心理カウンセリングも学んだことから映画で恋愛心理分析や心理テストも作成。
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