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公開から19日間で興収30億突破 『ジョーカー』は一体どこまで伸びる?

リアルサウンド

19/10/24(木) 13:30

 今年ここまで絶好調のディズニーの新作『マレフィセント2』が公開された先週末。しかし、動員ランキングでは2位以下に大きな差をつけて『ジョーカー』が3週連続1位を記録した。土日2日間で動員23万4000人、興収3億5300万円という数字は、(多くの地域で台風の直撃と重なったという要因はあったにせよ)前週から興収比で106%。ちなみに先週末の成績は、今年4月に公開されて累計興収61.2億円を記録した『アベンジャーズ/エンドゲーム』の同時期(公開3週目の週末)の興収と比べても112%という驚くべき持続力をみせている。公開から19日、10月22日(火)までの動員は207万8744人、興収は30億5826万6450円。既に『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』の累計興収を超えて、今年公開されたアメコミ映画で『アベンジャーズ/エンドゲーム』に次ぐ2位の座を奪取したことになる。

参考:早くも興収20億突破 『ジョーカー』現象、4つの理由

 さて、ここまでくると気になるのは、「一体『ジョーカー』の成績はどこまで伸びるのか?」ということ。映画興行の閑散期である秋公開作品の大穴、前週の記録を塗り替える推移、リピーターの多さ、口コミの強さ、ソーシャルメディア上でのバズ、年末から年明けにかけての賞レースでの話題性など、思い出すのは昨年の『ボヘミアン・ラプソディ』だが、さすがに累計興収128億円を記録することになったあの作品は例外中の例外。『ボヘミアン・ラプソディ』は海外でも十分にヒットしたものの、その規模感を大きくはみ出して日本で異常なまでに支持された作品だった。

 一方、『ジョーカー』に関しては世界中で驚異的なヒットを続けていて、現時点でアメリカ国内では『アベンジャーズ/エンドゲーム』、『ライオン・キング』、『トイ・ストーリー4』、『キャプテン・マーベル』、『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』、『アラジン』に次ぐ(上位6作品のうち5作品がディズニー作品で、残る1作もMCU作品)、年間7位まで順位を上げてきている。つまり、『ジョーカー』に関しては「日本で特別にヒットしている作品」と言うよりも、「近年のアメコミ映画としては異例なことに、日本でも海外と同じ水準でヒットしている作品」と言った方が正確だ。配給元のワーナーは「興収50億も射程に入った」とのコメントを発表しているが、そうなれば日本でも年間トップ10入りの可能性も出てくる。

 その『ジョーカー』の割りを食ったかたちとなったのは、土日2日間の動員が15万8000人、興収が2億2200万円にとどまり、初登場2位となった『マレフィセント2』だ。これは2014年7月に公開されて、累計興収65.4億円を記録した前作『マレフィセント』の週末初動成績と比べて32.1%という成績。奇しくもこの下降率は、ちょうど同じディズニー作品の『アリス・イン・ワンダーランド』(2010年)から『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』(2016年)の下降率とほぼ同じ。『アリス・イン・ワンダーランド』の場合は1作目の興行が当時の3D映画ブームによって膨れ上がったという理由があったが、『マレフィセント』の場合は作品自体には理由らしい理由がないのがより深刻だ。海外でも絶好調というわけではないものの、そこまで激しく前作から下降しているわけではないので、やはり本来作品のターゲットとなる大人の女性客の間でも同時期公開の『ジョーカー』に話題が独占されていることが不調の一因となっているのではないだろうか。1人当たりの年間映画鑑賞本数が少ない日本では、このような事態がしばしば起こる。

 また、『ジョーカー』と同日に公開されて初登場4位、次週6位、そして先週末のランキングではトップ10から消えてしまった石川慶監督の『蜜蜂と遠雷』、そして先週末のランキングで10位に初登場した瀬々敬久監督の『楽園』と、充実したキャスト陣も含め、もっと映画ファンの間で話題になっていいはずの実写日本映画の秀作の成績があまり奮っていないのも気になるところだ。なんでもかんでも『ジョーカー』のせいにするわけではないが(しかし話題性という点では確実に「食われた」側面はあるだろう)、例年と比べても興行的にも作品内容的にも低調が続く2019年のメジャー実写日本映画にあって、この2作は自信を持ってオススメできる作品。上映が終わらないうちに、是非劇場に足を運んで欲しい。(宇野維正)

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