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篠田正浩×坂東玉三郎「夜叉ヶ池」がよみがえる、4Kデジタルリマスター版公開

ナタリー

21/1/28(木) 13:00

「夜叉ヶ池」

篠田正浩が監督、坂東玉三郎が主演を務めた「夜叉ヶ池」4Kデジタルリマスター版の公開が決定した。

泉鏡花の小説をもとにした本作は、玉三郎が村に暮らす女性・百合と夜叉ヶ池の竜神・白雪姫の一人二役を演じた物語。加藤剛、山崎努、丹阿弥谷津子が共演に名を連ねる。脚本は田村孟と三村晴彦、篠田が手がけ、音楽は冨田勲が担当した。

1979年に公開され、このたび松竹が映画製作開始から100周年を迎えたのを記念して42年ぶりによみがえる本作。篠田は「坂東玉三郎が、山崎努・加藤剛を相手に緊迫した現代劇を演じ、その果てに魔性の姫に変化する見事な<女形>と、世界を圧倒した大洪水の<特撮技術>のお家芸が出会った日本映画の奇跡を、その目で確かめてください」と、玉三郎は「泉鏡花『夜叉ヶ池』の世界をデジタル化により美しくよみがえった映像で皆さまに是非ご覧いただきたいと思います」とコメントしている。

なお劇場公開時、マーティン・スコセッシは篠田へ「玉三郎さんの演技と、あなたが彼を(俳優としても、日本の伝統芸能の象徴としても)演出した素晴らしい手法に魅了されました。玉三郎さんが繊細に演じた百合を凌ぐものがあるとしたら、彼が演じた歌舞伎にインスパイアされた素晴らしい夜叉ヶ池の白雪姫をおいて他にないでしょう」とメッセージを寄せた。

「夜叉ヶ池」は3月に衛星劇場の「『夜叉ケ池』放送記念 生誕90年 篠田正浩監督特集」でテレビ初放送。夏に東京・ユーロスペースでジャパンプレミア上映が行われたあと全国で順次公開され、Blu-rayが発売される。なお本作は海外映画祭への出品も予定している。

※山崎努の崎は立つたつさきが正式表記

篠田正浩 コメント

この新作「夜叉ヶ池」を観る人は、坂東玉三郎が、山崎努・加藤剛を相手に緊迫した現代劇を演じ、その果てに魔性の姫に変化する見事な<女形>と、世界を圧倒した大洪水の<特撮技術>のお家芸が出会った日本映画の奇跡を、その目で確かめてください。90歳でデジタル技術でよみがえった「夜叉ヶ池」の初日を迎える冒険を楽しみにしています。

坂東玉三郎 コメント

昨年の夏に篠田正浩監督と再会して「夜叉ヶ池」のデジタルリマスター化のプロジェクトが始まりました。デジタル化の作業で映像を確認して、撮影当時の1つ1つの出来事を鮮明に記憶していたことに気づきました。それだけ思いを込めて撮影に臨んでいたのだと思います。泉鏡花「夜叉ヶ池」の世界をデジタル化により美しくよみがえった映像で皆さまに是非ご覧いただきたいと思います。

マーティン・スコセッシから篠田正浩への手紙(一部抜粋)

まず最初に、玉三郎さんの演技と、あなたが彼を(俳優としても、日本の伝統芸能の象徴としても)演出した素晴らしい手法に魅了されました。玉三郎さんが繊細に演じた百合を凌ぐものがあるとしたら、彼が演じた歌舞伎にインスパイアされた素晴らしい夜叉ヶ池の白雪姫をおいて他にないでしょう。事実、一度夜叉ヶ池の中に入れば、あなたの作品の真実の美しさが明らかになると私は確信しています。このアンダーワールドで繰り広げられるシーンでは、あなたは日本の文化と伝統の真髄を捉えています。西洋人として私が完全に理解できているかわかりませんが、この映画は文化と歴史の感覚に溢れています。この映画は、あなたとあなたの(文化の)伝統への賛歌であり、現在も、そして未来においても生き続けていくことでしょう。
敬意を込めて。

(c)1979/2021 松竹株式会社

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