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谷原章介と浅香航大が不倫関係に、松本清張の「証言」を大胆アレンジ加えドラマ化

ナタリー

20/5/8(金) 8:01

「松本清張ドラマ『黒い画集~証言~』」

「松本清張ドラマ『黒い画集~証言~』」が、NHK BSプレミアムで明日5月9日に放送される。

松本清張の小説「証言」の舞台を現代に置き換え、新たな解釈でドラマとしてリメイクした本作。劇中では、一見幸せな家庭生活を営むものの、実は3年前から同性と不倫している男・貞一郎が、その関係を隠すためにある事件について偽証してしまう。そこから巻き起こる男の悲喜劇と、不倫の代償が描かれる。原作で貞一郎の不倫相手は女性だが、ドラマ化に当たりその性別を変更。バイセクシャルや偽装不倫、そして妻の逆襲といった要素が盛り込まれた。

貞一郎を谷原章介が演じ、妻・幸子には西田尚美が扮する。そして貞一郎の不倫相手である大学院生・智久役を、浅香航大が務めた。さらに堀部圭亮、吉村界人、山田佳奈実、宮崎美子がキャストに名を連ねる。「愛を積むひと」「武士の献立」の朝原雄三が演出と脚本を担当した。

放送にあたり、キャストらのコメントが到着。谷原は「罪を犯したことがないような善良な市民が、ふとしたきっかけで別の一面をあらわにしていく。そんな心の奥底を描く人間描写が魅力でしょうか。同性愛の設定が加わったことで、原作よりさらに複雑で挑戦的な内容になったと思います」と作品について語る。西田は、谷原と浅香の演技を「撮影現場でのお2人はとても美しくて純粋で、嫉妬してしまうほどでした」と絶賛。そして浅香は、ラブシーンの現場を「撮影はなんとロケの初日でした。それも冬の金沢の夜の野外で! 撮影場所が燃え盛る陶芸窯のそばだったのが救いでした。ラブシーンは、谷原さんがとても上手にリードしてくださって、円滑に進みました…今思い返すと少し照れくさいですね」と振り返った。

松本清張ドラマ「黒い画集~証言~」

NHK BSプレミアム 2020年5月9日(土)21:00~22:29
NHK BS4K 2020年5月23日(土)19:30~20:59

谷原章介 コメント

松本清張作品の魅力、原作からのアレンジ点について

罪を犯したことがないような善良な市民が、ふとしたきっかけで別の一面をあらわにしていく。そんな心の奥底を描く人間描写が魅力でしょうか。同性愛の設定が加わったことで、原作よりさらに複雑で挑戦的な内容になったと思います。浅香さんと以前に共演したときはここまで近しい関係の役柄ではなかったので、たのしみにしていました。実際に役で相対してみて、改めてとても色気がある役者さんだと感じました。

金沢ロケの思い出

金沢では空き時間が結構あったので、地元のおいしい物をいただきました。皆終わる時間はまちまちだったので、それぞれが食べた美味しいものを撮影の合間に報告し合い、翌日それぞれが金沢の町に散って行きました。

視聴者へのメッセージ

貞一郎は安定を求める善良な人間です。そんな彼もふとしたきっかけで足を踏み外してしまう。これは誰にでも起こりうる物語だという観点で見ていただけると、より一層楽しめると思います。

西田尚美 コメント

原作からのアレンジ点について

夫の男性との不倫を知って、ものすごい屈辱感と絶望感に苛まれます。でも、その感情を表に出せないプライド、妻としての矜持が幸子にはあると思います。撮影現場でのお2人はとても美しくて純粋で、嫉妬してしまうほどでした。

金沢ロケの思い出

金沢でオフの日に美味しいラーメン屋さんを調べて一人で並んで食べたのですが、次の日の撮影の時にその話しをしたら、谷原さんも浅香さんも、美味しいものがお好きなので、仕事終わりにお二人で「行くぞ!」とラーメン屋さんに向かっていました(笑)。仲良しだなぁと。

視聴者へのメッセージ

幸子の天真爛漫さの奥に潜むしたたかさ、それがとても怖くて物語に引き込まれます。幸子の心理にご注目下さい。それと、ラストが原作とは違っているので、そこも楽しみに見ていただけたら。

浅香航大 コメント

原作からのアレンジ点について

僕が谷原さんの不倫相手役という設定変更には驚きましたが、グッと作品の求心力が強まった気がします。僕自身、役者としてもチャレンジングな作品となりました。

金沢ロケの感想

ラブシーンの撮影はなんとロケの初日でした。それも冬の金沢の夜の野外で! 撮影場所が燃え盛る陶芸窯のそばだったのが救いでした。ラブシーンは、谷原さんがとても上手にリードしてくださって、円滑に進みました…今思い返すと少し照れくさいですね。

視聴者へのメッセージ

智久は純粋で素直なだけに、自分を大切に出来ず、時に生き辛さを感じてしまう。そんな彼の想いや葛藤を感じてもらえたら嬉しいです。また3人以外にも個性的な登場人物が多く、とても見応えがあり注目です!

朝原雄三 コメント

松本清張作品の大きなテーマのひとつは人間の弱さだと思います。人間はその弱さゆえに、失敗を犯し、嘘を吐き、裏切り、犯罪に手を染めてしまう。犯罪にこそ踏み込まないまでも、たいていの人が多かれ少なかれ同じ経験をしていて、それゆえ小説の登場人物たちは、たちまち読者の身近な隣人となります。
今回のドラマの主人公たちもそれぞれに弱さを抱えた普通の人間たちです。どこにでもいる普通の人間は、誰もが抱える弱さを支え合うための愛情を必要としていて、けれど、その愛情の形は一つではなく、単純ではありません。愛情は自身からも相手からも発せられますが、それを突き詰めると、一体、自身のための愛情なのか、相手のための愛情なのか分からなくなる。
そんな、どこにでもいる私たちの生活にも潜んでいるはずの弱さと愛情が、主人公たちに引き起こす悪夢を九十分の束の間、お楽しみいただければと思います。

原克子(制作統括)コメント

松本清張の「証言」をドラマ化したいと朝原監督と打合せするまでは、まさか男性同士の恋愛話になるとは思ってもいませんでした。しかし、実は隠れ腐女子であった私は、出来上がった脚本を貪るように読んで、うかれ喜びました。この設定に変更したことで舞台を現代にした必然性がグッと増し、ラストまで見応えのあるものになっていたからです。その直後、台風19号の影響で各地に被害が出て、金沢へ向かう北陸新幹線も大きな被害をうけました。そんな混乱の中、谷原章介さんが貞一郎役を快く引き受けて下さり、役作りのために年末年始もご馳走を諦めて節制し、7キロ近く体重をおとされたと聞いています。
「清張もこの脚色を面白がると思うよ」と原作関係者の方が褒めて下さったことも大きな励みとなりました。私のような隠れ腐女子のみなさまも、そうではない方も、楽しんで頂けるドラマとなっています。ぜひご覧ください。

後藤高久(制作統括)コメント

60年以上前に書かれた松本清張氏の短編小説「証言」は何度も映像化され、今回で7度目です。なぜこの作品が、今なおこれほどに私たちを惹きつけるのか? それは、上質なサスペンスであることはもちろんなのですが、それ以上に清張氏の描く人間ドラマには誰もが身につまされ引き込まれてしまう魔力がある。普通の人がほんのちょっと道を踏み外したことから、とめどなく転落していく様子が、それはそれはホントに恐ろしいお話なのです。
今回の令和版「証言」では、その人間ドラマに現代日本ならではの磨きをかけました。崩れかけた夫婦関係から目を逸らす男と女。そして、不倫に燃え上がる男と男。その男と男と女の三角関係がとんでもない悲劇を生み、最後には原作にもなかった今作オリジナルの驚きの結末が訪れます。息をするのも忘れて、怖~いラブサスペンスをどうぞ。

(写真提供:NHK)

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