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“平成で最も長く売れているCD”とは? ロングヒット作の共通点を考察

リアルサウンド

18/9/16(日) 12:00

 DJ和のMIX CD『ラブとポップ ~好きだった人を思い出す歌がある~ mixed by DJ和』の好調ぶりが続いている。9月13日時点でオリコン週間アルバムランキングでトップ30に57週連続(1年と5週)でランクインしており、9月24日付の同ランキングでもランクインすれば58週連続トップ30入りを達成。MONGOL800『MESSAGE』と並ぶCD史上最大ロングヒット作の仲間入りを果たすことになる(オリコン調べ)。

 昨年8月に発売された同作にはDA PUMP「if…」や浜崎あゆみ「SEASONS」など、00年代のJ-POPの名曲を収録。ジャケットには広末涼子を据え、彼女が出演する同作のテレビCMも注目を集めた。改めてその特徴を踏まえると、同作のロングヒットは“必然”だったようにも思える。

 オリコンランキング史上CDとして最も長く売れているアルバムであるMONGOL800『MESSAGE』(58週連続/2001年9月24日付~2002年10月28日付)、そこに次ぐのがVarious Artists 『R35 Sweet J-Ballads』(57週連続/2007年5月7日付~2008年6月2日付)だ。2001年リリースのMONGOL800『MESSAGE』は彼らの代表曲「あなたに」や「小さな恋のうた」を収録したアルバムで、当時中高生などの若者を中心に人気を得ていた。『ラブとポップ』にはMONGOL800の楽曲は含まれていないものの、同時期にヒットした楽曲が多く収録されている。つまり、CDを購入する習慣のあるいわば“アラサー世代”をターゲットとし、しっかりとその層に刺さっていることがヒットの一つの要因だろう。

 一方、2007年発売の『R35 Sweet J-Ballads』は米米CLUB「君がいるだけで」や、藤井フミヤ「TRUE LOVE」といった1990年代前半のヒット曲を集めたコンピレーションアルバム。桜井幸子が「ねえ……いい曲だね」と呟くCMも印象的だった。今なお聴き継がれているヒット曲のコンピ盤、CMにターゲット世代にとって“青春”の象徴のような女優を起用している、といったポイントは『ラブとポップ』にも共通するところだ。

 以前、当サイトのコラム(DJ和、最新ミックス『ラブとポップ』ヒットの要因は? “2000年代Jポップ”に感じる音楽的な多様さ)でも指摘されていたように、『ラブとポップ』の収録曲はひとくちに“J-POP”と言っても、サスケ「青いベンチ」、キンモクセイ「二人のアカボシ」といった曲に加え、RIP SLYME「One」やnobodyknows+「ココロオドル」などのヒップホップからCrystal Kay「恋におちたら」などのR&B調、ASIAN KUNG-FU GENERATION「君という花」、サンボマスター「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」といったロックまで、音楽性は幅広い。それゆえ1枚を通して飽きずに聴くことができ、より広いリスナーに届けられる可能性を秘めているのではないだろうか。

 ブレイクのきっかけとなった、DJ和による海老名SAでの実演販売イベントやポップアップショップでも“新たなる海老名SA名物”として売れ続けている本CD、今後も58週、59週……と史上最大ロングヒット記録を伸ばしていきそうだ。

(文=村上夏菜)

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