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年末年始特別企画 第30回

水先案内人 紀平重成が選んだ2019年のベストムービー

 

① 『パラサイト 半地下の家族』(12/27公開)

         
 
 

② 『象は静かに座っている』(11/2公開)

         
 
 

③ 『金子文子と朴烈』(2/16公開)

         
 

『パラサイト 半地下の家族』(韓国) ポン・ジュノ監督
世界がその才能を認めるポン・ジュノ監督のカンヌ国際映画祭パルムドール受賞作です。映画のすべてが詰まった第一級のエンタテインメントでありながら、貧富の格差拡大を放置する現代人にこう問いかけます。「楽しんでいただけましたか? スクリーンの中にいるのがあなたでなくて良かったですね」と。

『象は静かに座っている』(中国) フー・ボー監督
現代人が抱えている不安や悲しみ、疑心といったものがしっかり描かれているのがいいです。簡単に解決策など見つかるはずもありませんが、バラバラに見えた登場人物が2300キロ離れた国境の町に向かうという展開も気に入りました。唯一惜しまれるのはフー・ボー監督の新作がもう見れないことです。

『金子文子と朴烈』(韓国) イ・ジュンイク監督
ベスト3選出には不利な2月の公開なのに主人公の金子文子を演じるチェ・ヒソの自由でチャーミングな笑顔が忘れられません。無政府主義者の朴烈と日本人女性金子文子の運命的出会いによる愛と闘いを描いた作品ですが、人間対人間という視点からの差別を憎む思想は今の世界にこそ求められています。

『パラサイト 半地下の家族』(C)2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
『象は静かに座っている』(C)Ms. CHU Yanhua and Mr. HU Yongzhen
『金子文子と朴烈』(C)2017, CINEWORLD & MEGABOX JOONGANG PLUS M , ALL RIGHTS RESERVED

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