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「Fukushima 50」佐藤浩市、渡辺謙、若松節朗が福島訪問、現地への思い語る

ナタリー

20/1/24(金) 14:08

郡山テアトルでの「Fukushima 50」舞台挨拶の様子。左から若松節朗、佐藤浩市、渡辺謙。

福島第一原子力発電所の事故を描く「Fukushima 50」で主演を務める佐藤浩市と監督の若松節朗が、1月22日と23日に福島県内を巡るキャンペーンを行った。

門田隆将によるノンフィクション「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」をもとにする本作では、高い放射線量のもと収束作業にあたり、世界中のメディアから“Fukushima 50”とたたえられた名もなき作業員たちの姿が描かれる。佐藤は1・2号機の当直長を担当した伊崎利夫を演じた。

1月22日には、佐藤と若松が本作の舞台の1つとなった富岡町を訪れ、町長の宮本皓一に本作の完成を報告。若松は「撮影前の取材も含めまして、富岡町の方々には本当にお世話になりました。ぜひ、皆様にも観ていただいて『この映画は世界に発信していくべき映画だ』と発信していただきたいと思っています」と語る。佐藤は「(事故は)決して遠い過去ではなくて、ふと振り返ると昨日のことのように思い出される方もたくさんいらっしゃると思います。思い出されたくない方々もたくさんいるかと思いますが、この事故を風化させないためには、どうしても映像の力も必要。痛みを伴うけどこの事実を後世に伝えていくためにもこの映画は必要だと踏まえて観ていただけるとありがたいと思います」と呼びかけた。

本作では、同町内で現在立ち入りが禁止されている夜ノ森公園でもロケを実施。このことについて若松は「劇中でも重要な“桜のシーン”の撮影をさせていただいたのですが、桜は美しいがこの桜を誰も見ることができないと思うと非常に複雑でした」と思いを吐露する。佐藤も「彼(伊崎)がどんな心境でこの桜を見ているのかという複雑な心をどこまで表現できたかはわかりませんが、桜の美しさと儚さ、この事故を絶対に繰り返してはいけないという思いが交錯して、観る方々に届いてくれればいいなと思います」と気持ちを込めた。宮本は同町での撮影について「この映画を私たちが生き証人として後世に伝えていくために、撮影許可を出すというよりはこちらからお願いしたいという気持ちでいっぱいでした。今まで富岡町をロケーションとして撮影したことなどなかったと思うので、町としてもみんなに観ていただけるようにPRしていきたいと思います」と述べる。

翌1月23日には、所長の吉田昌郎を演じた渡辺謙も合流し、郡山テアトルで舞台挨拶を実施。福島の観客を前にした佐藤は「客席を見渡しただけでも、こみ上げるものがある方がたくさんいらっしゃる。日本全国を周りながらもう一度考え直し、未来につなげるということをここからスタートさせていただきます」と深々と頭を下げる。渡辺は「あの震災と事故を経験した多くの方々がいらっしゃるこの地で、こうして試写会をするということで、果たしてどう受け止めていただけるかと不安もありました。でもこの作品の中にはいい人間ドラマがあると思っています。私たちは一生懸命に撮ってきたつもりですので、深い映画だなと思っていただけるのではと思っています」と心情を明かした。若松は佐藤、渡辺に向けて「この2人がいなかったらこの作品は作り上げることはできなかった」と感謝し「現場のスタッフはこの2人の背中をずっと見ながら撮影に臨んでいました。とてつもなく熱い芝居を繰り広げています」と観客へ語りかけた。

「Fukushima 50」は3月6日より全国ロードショー。

(c)2020『Fukushima 50』製作委員会

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