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東映ビデオが新たな才能発掘するプロジェクト発足、受賞企画には1500万円出資

ナタリー

「TOEI VIDEO NEW CINEMA FACTORY」 ロゴ

東映ビデオが新たな才能を発掘するプロジェクト「TOEI VIDEO NEW CINEMA FACTORY」を立ち上げ。本日6月24日より「青春映画」をテーマとした企画を募集する。

「百円の恋」「愛の渦」「アンダードッグ」など、公開規模の大小にかかわらず数々の映画を製作してきた東映ビデオ。同プロジェクトではこれまでに培ってきた制作能力と人脈を生かし、新進クリエイターとともに良質な劇場映画を作る。コンペティションで選ばれた企画には東映ビデオが1500万円を出資。演技ワークショップ、キャスティング、クラウドファンディング、プロモーション、上映まで、全プロセスをバックアップしながら映画を製作する。

応募に必要なのは、企画書、オリジナル脚本、過去に制作した映像作品。監督と脚本執筆が別人での応募も可能だ。募集期間は9月30日まで。公式サイトの応募フォームで受け付ける。受賞企画は11月末に発表予定。第1回では「百円の恋」「アンダードッグ」の脚本家で、昨年「喜劇 愛妻物語」を発表した足立紳が特別審査員として参加し、東映ビデオのプロデューサー陣とともに厳正な審査を行う。

足立は東映ビデオが製作した出世作「百円の恋」の制作を振り返り「シナリオがどれだけいじられてしまうだろうかと不安があった。だがその不安は杞憂だった。プロデューサーが、このシナリオの良さを出来るだけ損なわないように映像化したいと言ってくれたのだ。結果シナリオをいじることはほぼなかった。大切にされていると感じた」と述懐。そして「作家性という言葉はなんだか面映ゆくてあまり使いたくないが、でも、それを大切にする以上に、それに惚れるものときっと出会いたいに違いない。『なんだよ、俺じゃダメなの?』とちょっと思った。審査員じゃなかったら、恥ずかしげもなく応募していたに違いない」と語っている。

プロジェクトのリーダーを務める東映ビデオの佐藤現によるコメントは下記の通り。

佐藤現 コメント

毎年、多くの自主映画が制作され、様々な映画祭、コンペティション等で優れた作品が発表されていますが、そこで喝さいを浴びたクリエイターが、その個性を保ちつつ商業映画に進出していくための門戸は、現状そんなに広くありません。本プロジェクトは、そんなクリエイターの皆さんが飛躍するためのネクストステップの場にしたいと思っています。クリエイターの個性と寄り添いながら、共に「劇場映画」を作って世に出していきたい。また、オーディションを兼ねた演技ワークショップの実施により、キャストの一部を選考していきます。俳優の皆さんにとっても飛躍へのステップになれば、と考えています。
当社は、制作、劇場配給、パッケージ化、配信など、企画から観客に届けるまでのプロセスを一社で完結できる強みを持っていますので、劇場映画を皮切りに、様々なメディアで多くの方々に作品を観てもらえる機会が得られます。ただ、もちろん作品を生み出して届けるまでには多くの困難が待っているでしょう。だからこそ、作品が観客の心に届いた時の感慨はひとしおです。そんな苦労も喜びも全部ひっくるめて、我々と一緒に歩んでくれるクリエイターの皆さん、ぜひご応募ください。記念すべき第一回の募集テーマは「青春映画」です。瑞々しい感性のほとばしる企画、脚本を、心待ちにしています。

足立紳 コメント

2012年の暮れ、私は周南映画祭という山口県の小さな映画祭が立ち上げた松田優作賞というシナリオコンクールに「百円の恋」という脚本を応募して賞をいただいた。映像化が決まっている賞ではなかったから、その後に営業した。すでに40歳であとのなかった私にとっては敗者復活戦のようなものだったので必死だった。映画化してくれたのは東映ビデオという会社だった。映画化が決まってすごく嬉しかったが、このシナリオがどれだけいじられてしまうだろうかと不安があった。だがその不安は杞憂だった。プロデューサーが、このシナリオの良さを出来るだけ損なわないように映像化したいと言ってくれたのだ。結果シナリオをいじることはほぼなかった。大切にされていると感じた。作家性という言葉はなんだか面映ゆくてあまり使いたくないが、でも、それを大切にする以上に、それに惚れるものときっと出会いたいに違いない。「なんだよ、俺じゃダメなの?」とちょっと思った。審査員じゃなかったら、恥ずかしげもなく応募していたに違いない。

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