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ラジエーションハウス、パーフェクトワールド、わた定、インハンド……2019年春注目の主題歌は?

リアルサウンド

19/4/10(水) 12:00

 2019年1月期は、『3年A組―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)が大きな話題を呼んだ。ザ・クロマニヨンズが歌う同作の主題歌「生きる」は、劇中で自己喪失感や孤独と戦う学生たちが、前を向ける希望になるようなコントラストをつける役割を果たしていた。また、ドラマ『イノセンス 冤罪弁護士』(日本テレビ系)主題歌のKing Gnu「白日」や、『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』(フジテレビ系)主題歌のmilet「inside you」がダウンロードやストリーミングの配信サイトで1位の記録を打ち立てるなど好評を博し、ドラマ人気とともに若手アーティストの知名度をぐっと押し上げる効果も見られた。このように、主題歌はドラマを盛り上げる要素として欠かせないものとなっている。2019年4月期ドラマではどんな注目の楽曲やアーティストが登場するのだろうか。

(関連:Superfly、吉高由里子主演ドラマ『わたし、定時で帰ります。』主題歌を書き下ろし

■平成最後の月9主題歌を務めるのはMAN WITH A MISSION

 フジテレビで月曜9時から放送される連続ドラマを「月9」と呼ぶようになったのは、時代が昭和から平成に変わった1991年あたりからだ。30%を越える視聴率を取った『東京ラブストーリー』と『101回目のプロポーズ』をはじめ、『ひとつ屋根の下』『ロングバケーション』など大ヒットを生み出し、月9はフジテレビを象徴する枠となった。

 2019年4月、令和へと時代を跨ぐ平成最後の月9ドラマとして放送されるのが窪田正孝主演ドラマ『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』。4月8日の初回放送で視聴率12.7%、瞬間最高13.9%と好発進を見せた同ドラマではMAN WITH A MISSIONが主題歌「Remember Me」を書き下ろした。同名の原作コミックスにMAN WITH A MISSIONの楽曲「FLY AGAIN」が登場するという縁からタイアップが実現したという同曲は、医療の現場で交錯する様々な人間模様と繊細な気持ちが描かれたドラマの世界観を絶妙に捉えている。

■続々と決定するタッグにも注目

 今クールで注目したいのは、次々に発表されたアーティスト同士のタッグだ。まず発表と同時に大きな話題を呼んだのは、松坂桃李が主演を務める有賀リエ原作による『パーフェクトワールド』(カンテレ・フジテレビ系)。同作では、松坂と公私ともに親交の深い菅田将暉が主題歌「まちがいさがし」を歌い、楽曲の作詞・作曲・プロデュースを米津玄師が手がけている。菅田と米津は2017年にリリースされた米津のアルバム『BOOTLEG』の収録曲「灰色と青(+菅田将暉)」で初コラボレーションを果たしており、今回が再タッグ。米津は2018年1月期放送の『アンナチュラル』(TBS系)で主題歌「Lemon」が社会現象と言えるほど大ヒットし、菅田もまた同時期放送の『トドメの接吻』(日本テレビ系)主題歌の「さよならエレジー」でシンガーとしてのポジションを確立した。そんな2人による楽曲がドラマをどう盛り上げていくのかに期待したい。

 また、高橋一生は自身が主演を務める『東京独身男子』(テレビ朝日系)の主題歌「きみに会いたい-Dance with you-」で、エレファントカシマシ・宮本浩次の詞曲提供&プロデュースにより歌手デビューを果たす。以前からエレファントカシマシの大ファンであった高橋が、宮本とのテレビ番組での共演をきっかけに、エレファントカシマシのトリビュートアルバムで東京スカパラダイスオーケストラ×高橋一生として「俺たちの明日」をカバーし、宮本が高橋の歌声を絶賛するなど音楽を通して親交を深めてきたという。インタビューで今回の歌手デビューについて「未だに夢のようです」とコメントしている高橋だが、すでにその歌の才能は高い評価を得ているだけに、本格的なデビューが非常に楽しみである。

 そして私立恵比寿中学が主演を務める『神ちゅーんず ~鳴らせ!DTM女子~』(ABCテレビ、テレビ朝日)からは異色なタッグが生まれた。本作は、DTMを用いて世界に通用する“神曲”作りに挑む様子を描いた青春音楽劇だ。エビ中の新曲となる主題歌の「トレンディガール」、劇中歌の「あなたのダンスで騒がしい」の作詞・作曲をはじめ、川谷絵音(ゲスの極み乙女。、indigo la End、ジェニーハイ、ichikoro)がドラマ内の楽曲を手掛けている。ドラマとリアルが交錯する新感覚ドラマにもふさわしく、主題歌も洗練された印象が強くエビ中の新たな一面を見せる楽曲だ。また、川谷が本人役で出演しているところも同ドラマの見どころとなっている。

■ジャニーズが歌うドラマ主題歌も充実のラインナップ

 ジャニーズのメンバーが出演するドラマでは、そのメンバーが属するグループが主題歌を担当することも多い。Hey! Say! JUMPは『頭に来てもアホとは戦うな!』(日本テレビほか)の主題歌「Lucky-Unlucky」と、『家政夫のミタゾノ』(テレビ朝日系)の主題歌「愛だけがすべて 」で1クールに2本のドラマ主題歌を担当。そのほか、『特捜9 season2』(テレビ朝日系)ではケツメイシのRYOJIが作詞・作曲を手掛けたV6「ある日願いが叶ったんだ」、『白衣の戦士!』(日本テレビ系)ではジャニーズWEST「アメノチハレ」など充実のラインナップ。

 また、『インハンド』(TBS系)で山下智久がオープニング曲「CHANGE」を歌唱、『ストロベリーナイト・サーガ』(フジテレビ系)で亀梨和也(KAT-TUN)が主題歌「Rain」を歌唱しており、“修二と彰”コンビそれぞれのソロ曲にも注目したい。

■力強い表現力のある女性シンガーたち

 今期の主題歌は、特徴のある歌声で耳を引きつける女性シンガーの楽曲も豊富だ。『高嶺と花』(フジテレビ系)に起用されたのはRUANNの「LOVE&HOPE」。同曲はRUANNのメジャーデビューシングルとして2018年9月に配信リリースされたナンバー。愛と希望を歌ったポジティブな楽曲が、ドラマを明るく彩る。

 『緊急取調室(第3シーズン)』(テレビ朝日系)の主題歌に起用されたのは家入レオ「Prime Numbers」。天海祐希が主演を務めるドラマの主題歌を家入レオが担当するのは7年ぶり2度目となる。場に馴染めなかったり孤立してしまう気持ちを、1とその数自身でしか割り切れない“孤独な数字”である素数に例えて歌われ、ドラマの世界観に優しく寄り添っている。

 『わたし、定時で帰ります。』(TBS系)ではSuperfly「Ambitious」が主題歌を担当。Supeflyが「サウンドと歌詞に背中を押されてロック魂が呼び起こされ、都会の中で叫んでいるような感じが出せたのではないかと思います」と語る同曲は、定時で帰ることをモットーに働く主人公が曲者だらけの社員に囲まれて奮闘する物語を反映させながらも、視聴者に前向きな希望を与えてくれそうだ。

 恋愛や友情を描いたいわゆる“王道”のドラマに比べ、働き方や様々な人間関係の中で感じる孤独に焦点を当て、社会に対して問題提起をするレジスタンス的な物語が2010年代ごろからは特に増えてきた。そうした中で、ドラマを毎話盛り上げている主題歌もまた、孤独と戦う人にそっと寄り添うような楽曲が増えて物語との親和性がどんどん強くなってきていると感じる。果たして今クールではどの作品と主題歌が良い相性を見せるのか、それぞれの放送をチェックしたい。(神人未稀)

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