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欅坂46 石森虹花、グループで独特の立ち位置を確立 被災によって芽生えたアイドルへの強い思い

リアルサウンド

20/5/13(水) 6:00

 4月24日発売の『B.L.T.』6月号が好評だ。表紙を飾ったのは菅井友香、渡辺梨加、渡邉理佐、田村保乃、松田里奈の5名。「欅坂46の真実を、知る。」と題して、5名をはじめとした多くのメンバーが誌面に登場した。また、証言特集「欅坂46について今、思うこと。」の項では『欅って、書けない?』(テレビ東京)のMCである土田晃之とハライチ澤部佑、ナレーターの庄司宇芽香、振付師のTAKAHIROが熱いコメントを寄せている。グループのこれまでを知る上でも、そしてこれからの動向を探る上でもファン必携の一冊である。なかでも石森虹花と齋藤冬優花の2人による対談は読み応え十分。グループの軌跡を辿る1万字に及ぶ充実した内容から、2人のグループ愛が伝わるものとなっている。

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 5月7日に誕生日を迎え、23歳となった石森。同書でも「グループの語り部のような存在」と表現されているように、彼女はグループでも独特の立ち位置を確立している。今回はそんな石森に注目してみたい。

 石森は、1997年生まれで宮城県出身。彼女がアイドルを目指すきっかけとなったのは2011年の東日本大震災だったという。当時13歳だった彼女はその頃の心境を自身のブログでこう綴っている。

この震災のとき生活のライフラインが全て止まり真っ暗で不安な日々…

唯一、ラジオで音が聴けるくらいでした。

今までの生活とは一転して

町から明るさもなくなり、人との会話もなくなりました。

『どうしたら笑顔がみれるの?』

『どうしたらみんな少しでも嬉しい気持ちになってくれる?』

13歳だった私にはただ思うことしかできず

無力だったんです。
(公式ブログ:https://www.keyakizaka46.com/s/k46o/diary/detail/4576)

 震災によって辛い日々を送る被災地の人びと。宮城に住んでいた中学生の彼女もそれは例外ではなかった。しかしそんな時、被災地に復興ライブで訪れたアイドルに勇気づけられたという。

トラックの小さなステージ。

その中で歌って踊っている姿が頭から離れません。

見ているお客さんはみんな、辛いはずなのに笑顔で手拍子をしているんです。

その時に、私のアイドルに対する思いが一気に変わりました。

『今度は私がみんなを笑顔にするんだ…』
(同ブログより)

 石森は、一期生の中でも年上メンバーとして、グループ全体を見守る”お姉さん”的な立ち位置でありながら、同時にパフォーマンス面でもグループ内ユニット・五人囃子のメンバーとして高いスキルを発揮してきた。大きくダイナミックなダンスはメンバーの間でも評価が高い。被災によって芽生えたアイドルに対する人一倍強い思いが、活動へのモチベーションになっているのだろう。「グループをこうしたい」といった前向きな姿勢や意識を彼女からは強く感じる。

 また、同誌で欅坂46でどんなドラマをやりたいか問われると「メンバー1人ずつにスポットを当てたドラマを見てみたいです」と回答している。グループ全体のことを思っていることが伝わる発言だ。

 そんな“メンバー思い”な石森は、グループ随一の“ポンコツ”キャラとしても知られている。番組でもクイズ企画で珍回答を連発し、“おバカ”キャラが定着。「石森に難しいことを話させてはいけない」という流れがすっかり定番化している。

 しかし、そんなキャラクターとは裏腹の一面も持つ。筆者は一度だけ対面での取材経験があるが、質問への受け答えにしても話す内容がちゃんと整理されていて、言葉を順序立てて発している印象があった。番組で見せる姿とは異なり、人との対面の場では非常に丁寧で知性を感じるのだ。

 それを常に感じ取れるのが、彼女のSHOWROOMでの個人配信である。落ち着いたトーンで喋り、テンポ良くコメントを返し、メンバーの近況を伝えたり、欅坂46の作品について語ったり、リクエストされた曲を歌ったりなど、丁寧で“ファン思い”な姿勢が見受けられる。

 ひと頃、ライブの終演後にメンバーがステージから捌けていく際に石森だけ残って観客へ深々とお辞儀するのが恒例となっていたが、グループからファンに感謝を伝えるメンバーとして選ばれていたのも、彼女のそうした礼儀正しい人柄があってのことだろう。彼女の配信を楽しみにしているファンは多いのも、そうした真摯な対応がしっかりと伝わっているからだ。

 グループをやさしく見守るような姿勢も持ちつつ、パフォーマンス面ではグループを引っ張り、そして“ポンコツ”キャラとして愛される。“メンバー思い”で“ファン思い”……彼女はそんな温かい存在だ。

 グループ的にも、そして世界的にも混迷を極める2020年。こうした不安な状況を乗り越えて行くには、彼女のような存在がグループに欠かせない。(荻原 梓)

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