さくら学院の開校（結成）10周年を記念した展示企画「さくら学院10th ANNIVERSARY MUSEUM produced by TOWER RECORDS」が11月28日～12月13日に東京・タワーレコード渋谷店 8F SpaceHACHIKAIにて開催される。それに先立って本日11月27日に行われたオープニングセレモニーにさくら学院の野中ここな、白鳥沙南、卒業生の松井愛莉、校長の倉本美津留、タワーレコードの嶺脇育夫代表取締役社長が登壇した。

2010年4月に開校し、今年10周年を迎えたさくら学院。2021年8月をもってグループは10年の歴史に幕を閉じることが決定している。卒業生には松井と同期で今はソロの歌手として活動している武藤彩未やモデル・女優の三吉彩花、「ラブライブ！サンシャイン!!」への出演で知られる佐藤日向、世界で活躍するメタルダンスユニット・BABYMETALといった面々がおり、これまでに28名が卒業した。このミュージアムでは彼女たちが着用してきた衣装や直筆の“学院日誌”、歴代メンバーが使用してきた髪飾りなど、父兄（さくら学院ファンの呼称）にはたまらないレアなアイテムの数々を観ることができる。

2010年からさくら学院の活動を追ってきた父兄・嶺脇社長は「5周年も展示をさせていただけて、ラストイヤーの今年もさせていただけてありがたい。僕がさくら学院を開校当時から応援しているのは社内外含めて知られていて、社内では相当忖度させてもらっているのか、自分から何か言わなくてもさくら学院の展示ができるんですよね。きっと『社長は10周年だからこういうのをやったら喜ぶのでは？』という点数稼ぎも含めてね（笑）。さくら学院の10年の歴史を感じていただきたいです」と大好きなグループの展示企画をできることを喜んだ。

オープニングセレモニー実施前にミュージアムを鑑賞した松井は「写真を観るといろんなことを思い出します。10年の歩みを見て私たちがいたのはこれだけなんだなと寂しくなりつつ、感慨深くもなり、そしてうれしくなりました」としみじみコメント。そして「さくら学院にはすごく成長する過程を作ってもらいました。ビシバシ校長先生に鍛えられて（笑）。そういった面では今となってはありがたいです」とさくら学院時代を振り返った。

野中と白鳥は先輩の松井に質問。白鳥にパフォーマンスが難しかった曲を聞かれた松井は「Planet Episode 008」を挙げ、「これができなくてみんなに付き合ってもらって……」と同曲の特徴的な振付をやんわり踊ってみせる。その後、松井、野中、白鳥は息を合わせて「Planet Episode 008」のステップを報道陣の前で披露。白鳥は「おお、できてます！」と卒業から8年が経っても松井がステップを覚えていたことに驚き、野中は「いつか（ステージで）一緒に踊りたいです！」と共演を望んだ。

野中からさくら学院在籍時に一番失敗したことは何かと聞かれた松井は「失敗が多すぎて……やらかしてきていると言いますか、いろいろあるんですよ」と苦笑。倉本校長は「こうして人前でしゃべっていることがもうすでにすごい。10年経ったら人はこんなに成長するんだと感じてますよ」と松井のトーク力の成長に感心した様子で、「でもあれだろうね。百人一首の好きな札を選んで、それに自分でメロディを付けて歌うというイベントがあったんです。BABYMETALのSU-METALとして今をときめく中元すず香が最初に手を挙げて、それ以降はみんな悩みながらもやっていったんですね。でも松井は1人だけずっとできなくて」と当時を振り返る。松井は「そんなのさ、すごい難しくない？」と在校生2人に同意を求めつつ、「1、2時間みんなのことを待たせて……」と渋い表情を浮かべた。そのやり取りを聞いていた野中は「けっこう失敗したことがあったけど大丈夫なほうだったなと思いました」とホッとした様子で、松井は「えー！」と野中の堂々とした態度に驚いた。嶺脇社長も「松井さんはすごい成長してるときっと父兄の皆さんも感じてますよ。倉本さんと松井さんが並んでいるのを見て思い出すのはやっぱり百人一首。時が経って成長されて、5周年ライブでもトークが上手になっていたんですけど、今日はまたさらに成長していると思いました」と父兄目線でコメントした。

さくら学院が来年8月末をもって10年の歴史の幕を閉じることについて嶺脇社長は「来年で一旦休校するのは残念です。アイドルという枠組みの中で非常に奇抜なコンセプトだったんですよ。校則もあるし、中学3年生が終わると卒業だし、本当に学校じゃないですか。卒業生の活躍も父兄は見続けられるのもいいですよね」と、ほかのアイドルグループにはない、中学校卒業と同時にグループからも卒業するという鉄の掟も魅力の1つだと語る。加えて「10年間楽しませていただいたので、本当にありがとうございますという感じですよ」とさくら学院へ謝辞を述べた。

中元すず香、菊地最愛、水野由結がさくら学院在籍中に結成したBABYMETALが、結成10周年という節目に「NHK紅白歌合戦」に出場することについて松井は「知ったときはテンション上がりましたよ！ うぉー！って！」と興奮気味に語る。セレモニー後に行われた囲み取材では、BABYMETALの「NHK紅白歌合戦」出場を知りメンバーと連絡は取り合ったのかという質問が松井に飛び、彼女は「しようと思ったんですけど忘れちゃいました。送ろうと思ったんですけど、忘れちゃった。でも心の中ではめちゃめちゃ応援しているし、絶対に観ます。気持ちだけは十分にあります！」と大みそかを楽しみにしていることを明かした。

そのほか、囲み取材では2021年末でさくら学院が閉校することについてのコメントもメンバーに求められた。白鳥は「閉校って聞いたときはびっくりしたし、私とここなは中3だけど、下級生は中3で卒業できないんだと悲しくなって。でも今日愛莉ちゃんと会って、卒業してこんなスーパーレディになりたいと思いました。この1年でしっかり成長して、松井愛莉ちゃんみたいなスーパーレディになりたい」とコメント。それを受けて松井は「泣けるー！ ありがとう！」と笑顔を見せた。野中は「私はさくら学院を卒業して、自分が卒業したあとのさくら学院のステージを席から見たかったんです。みんなの歌っている声とかダンスとか立ち位置とか。自分が卒業したあとのメンバーの成長を見れないのが悲しい。でもさくら学院が閉校しても、モデルや役者として活躍できるとポジティブに考えながらやっていきたいというのが正直な私の気持ちです」と前向きに語った。

松井は「私は閉校を知って、びっくりしたと同時に寂しい気持ちになりました。10年も続いてきて、絶対に終わらないものだと思っていたので。でも今日振り返ってみて10年の歴史はこんなに長いんだと思ったのと同時にうれしくなったんですよ。閉校するのは悲しいですけど、残りの時間を父兄の皆さんに応援してもらいながらがんばってもらえたら」と“母校”への思いを述べる。また後輩へのエールを求められると「私からでいいんですか？ 残りの時間が決まっているから悔いがないように思いっきりみんなで笑って、みんなでダンスを覚えて踊って、楽しい思い出をたくさん作ってね。ごめんね、私からで」と謙虚な姿勢を見せ、野中と白鳥は「ありがとうございます！」と松井に頭を下げた。

登壇者たちはミュージアムの見どころを記者から問われると、嶺脇社長は「年表ですね。すごく細かく作ったんですけど、僕も半分やっていて（笑）。さくら学院の10年を眺めるといろんなことをやってきたんだなと俯瞰できる。今はもう見られないレアなグッズもあるのでディティールを観てもらいたいです。あと学院日誌の原本も見どころ」とコメント。白鳥も「私も日誌ですね。日誌を書くときに卒業生の日誌を参考にしていたので、それの本物が置いてあって『本物だ！』ってなって。父兄の皆さんもきっと驚くと思います」と嶺脇社長と同じく学院日誌の原本を見どころの1つに挙げた。倉本校長と野中は制服や部活動の衣装を挙げ、野中は「愛莉ちゃんが入っていた新聞部の衣装もあって！」と興奮気味にコメント。松井は「新聞部は腕章とメガネだけだよ？」とすかさず野中にツッコミを入れた。松井はCDジャケットや歴代のさくら学院メンバーの壁掛け写真を見どころに挙げ、「こんなにいっぱい（さくら学院メンバーが）いたんだってうれしくなりました」と語った。

「さくら学院10th ANNIVERSARY MUSEUM produced by TOWER RECORDS」は感染症予防のため、日時指定のチケットが用意され、1時間毎の入れ替え制で実施される。チケットはチケットぴあにて販売中。