Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

『エール』に登場の堀田真由、何か裏がありそう? 過去出演作と主演・窪田正孝の存在から考察

リアルサウンド

20/4/17(金) 6:00

 朝ドラ『エール』(NHK総合)にて、踊り子としての姿を披露している堀田真由。主人公の裕一(窪田正孝)だけでなく、見ているこちらも思わず魅了されてしまったが、彼女の裕一への態度には、何か裏がありそうな気がしてならない……。

 家族のため、泣く泣く音楽の道を諦めざるを得なくなった裕一。そんな物語の中で堀田が演じているのは、ダンスホールの踊り子だ。裕一が、勤め先である銀行の同僚に連れられて入ったダンスホールで、二人は出会った。ここでは通常、男性からアプローチをかけるのが当然のようだが、まさかの一番人気である踊り子・しず(堀田真由)から裕一は声をかけられたのだ。「シャルウィダンス」という艶やかな声、そして何か意味ありげな笑顔……祐一が一瞬にして恋に落ちることは無理もないが、どうにも思わせぶりな感じがしてしまう……。ここで冒頭で触れた、“何か裏がありそう”な気がすることについて、少し掘ってみたい。

【写真】堀田真由が演じたきゃぴ子

 次々と話題作に顔を見せ、活躍の目覚ましい堀田。先ごろ開催された写真展「私が撮りたかった女優展 Vol.2」でトップを飾るなど、彼女は純粋に被写体としての力も大きい。朝ドラに登場するのも、『わろてんか』(2017年~2018年/NHK総合)に続いてこれで二度目だ。あの頃はまだ俳優デビューから2年ほどでありながら、ヒロインの妹という大役をしっとりと演じ上げたことが新鮮な記憶として残っている。そんな彼女だが、これまで多くの作品で一癖も二癖もあるキャラクターを演じてきた。高杉真宙とのコンビ感も愉快であった『虹色デイズ』(2018年)でのオタク・ゆきりん役や、『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』(2019年)において橋本環奈が演じた変わり者であるヒロインの近侍・早坂愛などもそうだが、やはり彼女が強い魅力を放つのは、分かりやすく言えばある種の二面性、つまり“表と裏”を持つ人物を演じるときだ。

 テレビドラマで言うならば、『チア☆ダン』(2018年/TBS系)、『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(2019年/日本テレビ系)などで演じたキャラクターがこれに当てはまるだろう。演じた人物のタイプはそれぞれ違うが、その手の性質を持った存在として、堀田は作品ごとにフィットしてきた。ドラマに続き映画化もされた『ブラック校則』(2019年)での、屈折した性格を押し隠す女子高生役も記憶に新しい。

 その堀田がさらなるステージへと上がったのは、やはり『殺さない彼と死なない彼女』(2019年)での、きゃぴ子役で間違いない。これはハマり役、アタリ役といって差し支えないだろう。同作で彼女は、親からの愛を満足に得られずに育ったがゆえに、“全人類から愛されたい”という願望を持つ少女を演じた。彼女は名前の通りの“きゃぴきゃぴ”した天真爛漫な性格に反して、心には空洞を抱える存在であった。明るく愛らしい笑顔とは対照的に、表情にふと差す陰りや、ときどき言葉尻に滲ませる“寂しさ”が印象深い。同作は、間宮祥太朗と桜井日奈子のW主演作となってはいるが、実際には群像劇だ。つまりどの登場人物にも、ほとんど同等に温かなまなざしが注がれている。堀田もまたその重要な一枠を担ったのである。これはまさに、“表と裏”を体現したキャラクターだと言えるだろう。

 さて、ここで『エール』で堀田が演じる踊り子・しずに話を戻そう。彼女に“何か裏がありそう”だと考える理由は、これまでに堀田が演じてきたキャラクターを振り返り述べてきた通りだが、本作の主演を窪田正孝が務めていることが、この疑惑の念をより強めているように思う。彼の出演作を思い返してみれば、これまでにもよく“周囲の環境に流される人物”を演じてきた。“おどおどした窪田正孝”が作品に登場するときは、これが多いのだ。つまり結論として言いたいことは、「裕一、気をつけろ!」ということなのである。

(折田侑駿)

新着エッセイ

新着クリエイター人生

水先案内

アプリで読む