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SHINee テミン、ミニアルバム『WANT』でより妖艶に ソロ活動で確立した個性に迫る

リアルサウンド

19/2/18(月) 7:00

 約1年4カ月ぶりにSHINeeのテミンが韓国の音楽シーンへ戻ってきた。2019年2月12日にソロでは2枚目になるミニアルバム『WANT』をリリースした。2017年にリリースされたフルアルバム『MOVE』の表題曲の夢幻的なダンスで多くの人の目を引きつけただけに、最新作も再び注目を浴びている。

(関連:テミン、ジョンヒョン、キー、オンユ……SHINee、それぞれの個性溢れるソロ活動

 『WANT』ではどんな新しいテミンを見せてくれるのだろうか? 今回のコラムでは、表題曲を取り上げて彼の魅力について考察してみたい。

■『WANT』はディスコ、R&B、ポップの3つのジャンルから生まれた

 最初のティザー写真が公開された時、中性的で妖艶なテミンの姿に、『MOVE』の延長線上か? とも思ったが、前回よりもさらに色気をまとった姿に期待が高まった。

 今回のタイトル曲「WANT」は、テミン曰く「ディスコ、R&B、ポップの3つのジャンルのハーモニーが感じられる強烈なアップテンポのダンス曲」だという。イントロを聞いた瞬間は、彼のデビュー曲「Danger」を思い出させたが、本編に入っていくといわゆるディスコサウンドで、シンセやリズムの使い方では現行のサウンドを取り入れている。また、〈Hot, Hot!〉というコーラスは80年代に流行ったディスコサウンドを彷彿させ、80年代と現在がうまくミックスされた音に仕上がっていた。

 テミンは1993年生まれだ。リアルにディスコサウンドブームを体験していない世代だが、その世代の彼がこの曲をパフォーマンスするからこその新鮮さが生まれるのではないだろうか。

■さらに中性的に妖艶に……“アシンメトリー”が示すもの
 今回のビジュアルやダンスもインパクトがある。特に、左半身はロングスリーブ、右半身はハーフスリーブというファッションは、何か意味があるように感じる。このアシンメトリーな中心地点にテミンがいることで、彼がちょうどジェンダーの中間地点に立っているということをイメージさせる、非常に面白いコンセプトだ。そして、この中間地点であるビジュアルに「テミンはテミン」という唯一無二の存在であることを感じた。

 テミンは、まるで羽が生えているかのように飛ぶような軽やかなダンスが特徴だが、『MOVE』から1年以上の時間が経ち、今回はさらに大人の男性としての色気が加わった気がする。今までの軽やかさに重厚感も加わり、もう完全に“テミン色”というものを作り上げた。指先から足先まで、誰が見ても「これはテミンだ」と思うだろう。今回も『MOVE』の時のようなカバーダンスのブームを巻き起こすのだろうか。

■21歳から25歳のテミンへの成長
 普段の可愛らしいテミンを知っていると、このスイッチが入った時のギャップに時々戸惑うことがある。しかし、その二面性こそが彼の魅力であることはたしかだろう。そして、韓国のソロ活動におけるテミンのサウンドは、日本と比べるとよりアーティスティックだ。その二面性も楽しみたい。

 ソロデビュー曲の「Danger」の頃のテミンはまだ21歳だった。細い身体の中に、少年と大人の間の曖昧な時期だからこそ生まれる色気や幼さがあった。今回の「WANT」でテミンは25歳になった。体つきは細いが筋肉がつき首も太くなり、少年っぽさはなくなってきた。

 「Danger」から「WANT」までを見ていると、ソロにおけるテミンは中性的で妖艶であるという部分が一貫している。サウンドにおいても最新のものを取り入れ、そして誰の耳にも残るメロディと歌詞、そしてダンス。この4年間でしっかりテミンのカラーを見つけてきたのだ。そして、ファンの期待を決して裏切らない仕上がりはさすがといったところだ。

〈さらに求めるようになり 一層燃え上がるだろう 君は〉

 と色っぽくダンスをしながら歌うテミン。「Danger」で多くの人々の心を盗んでいった21歳の“怪盗”は、すっかり25歳の大人の男性になっていたのだ。(西門香央里)

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