Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

ぴあ

いま、最高の一本に出会える

jealkbが語る、ライブに全力を注ぐ活動スタイル 結成14年目だからこそ生まれた新曲秘話も

リアルサウンド

19/10/30(水) 17:00

 jealkbが10月30日、ベストアルバム『THE BEST』をリリースした。本作は赤盤、黒盤と銘打たれた2枚のディスクのほとんどがシングルカットされていない曲で構成されており、新曲を含む全24曲で「とにかくライブで楽しめる楽曲を!」をコンセプトに掲げメンバーが選曲。jealkbがライブとファンへの想いを詰め込んだ結成14年目の覚悟が伝わってくる作品となっている。

 インタビューでは、収録曲に加え新曲「風花雪月」と「Sign」でそれぞれが感じたバンドの絆や、11月から来年1月にかけて開催するツーマンツアーへの想いも語ってくれた。(編集部)

ライブを観た上で音源を欲しいと言われたときの嬉しさ

――結成14年目にして初のベストアルバムをリリースすることになったきっかけを教えてください。

haderu(Vo):ライブのときはいつも僕とhidekiで物販のところに立っているんですけど、「jealkbが好きになったからCDください」って言われたときにどこから薦めたらいいか迷うことがあったんですよね。今までのCDを全部買ってもらうわけにもいかないじゃないですか、お金もすごくかかるわけだから。なので僕らがライブでよく演奏する楽曲が詰まった名刺代わりのようなアルバムがあればなっていうことでベストを作ることに決めました。

hideki(Agitator):僕らのライブを観た上で音源を欲しいって言われたときの嬉しさったらないんですよ。だからできるだけいろんな曲が詰まったお得なアルバムを作りたかったんですよね。

――そういったきっかけだったから本作は「とにかくライブで楽しめる曲を!」というコンセプトになったわけですね。

ediee(Gt):はい。収録する曲もすぐ決まりましたね。そんなに難航せず。

haderu:シングル曲があんまり入ってないのがおもしろいところではあると思うんですよね。普通だったらシングル曲をずらっと並べたりするんだけど、そういうアルバムにはしたくなかったから。俗に言うベストアルバムとはちょっと違っているとは思いますね。

hideki:うん。選曲の基準としてはライブで盛り上がる曲であることと、今の自分たちとして録り直したいなって思う曲を優先したところがあって。で、最近の曲はけっこう納得のいく内容になってるから、それはリマスターして入れようかと。

――2枚組全36曲のうち、半分がリテイクされていますもんね。さらに7曲がリマスターされ、2曲がリミックスで収録されているという。ベスト盤とは言え、オリジナルアルバムと同じくらいの労力が注ぎ込まれている印象です。

elsa(Dr):うん。ほんとそのくらいのカロリーは使いましたね。

sapoto(Gt):リテイクに関しては、ここ10年で録音環境のテクノロジーがすごく進化したことが影響してる部分もありますね。今回のタイミングで過去の作品を全部聴き返してみたんですけど、音的に今聴くとちょっとしんどいなと感じるものがわりとあって。さらにライブで何度も演奏しているうちにアレンジやテンポがどんどん変わっていった曲もあるから、だったらこの際、録り直しちゃったほうがいいんじゃないかなと思って。

――バンドとしてのスキルも上がっているわけですしね。

hideki:そうそう。マンガなんかと一緒じゃないですかね。1巻の頃は絵があんまり上手くないけど、巻を重ねていくうちにどんどんいい変化をしていくっていう。

haderu:ライブで歌いこんでいくからね。自分に関して言えば歌唱力もそうだし、ニュアンスのつけ方なんかは上手くなってるなって思う。自分自身でも感じるから、聴いてくれる人はもっと感じてくれると思いますけど。

hideki:うるせぇな! それさっき別の取材で俺が言ったコメントだろ(笑)。

haderu:あははは。いやでも自画自賛できるくらい、ほんとに変わってると思いますよ。

――その変化は演奏面も同様ですよね。

sapoto:そうですね。そもそも録り方自体、今回は違うんですよ。『IDENTITY』(2017年リリースのメジャー6thアルバム)以降はベースとドラムだけ先に録って、そこにギターやシンセを重ねていく感じだったんです。でも今回はベース、ドラム、ギターを「せーの」で録って、その後にダビングものを重ねていくっていう、要はライブに近い録り方をしたんですよ。結果、レコーディングはいつもより全然早かったですね。

elsa:うん、早かった。1日6曲とか録ったから死にそうでしたけど(笑)。リテイクしたものに関しては、ほぼ別物に近いくらいの仕上がりになりましたね。パワーアップ感がハンパじゃないんで、元々の楽曲を知っている方はより楽しんでもらえるんじゃないかな。

dunch(Ba):バンドを結成した当初はみんなで「いっせーのせ」で音を出してたから、今回のレコーディングではその頃を思い出すこともできて。ちょっと懐かしかったです。ライブ同様に、みんなの気持ちを伝え合いながらリテイクできたのはすごく良かったなって思いますね。

――edieeさんはいかがでしたか?

ediee:今回はですね、いかにライブのようなグルーブ感を出せるかってところがけっこう大変でした。

haderu:いや、おまえは弁当しか頼んでねぇだろ。すぐ弁当に気持ちが行っちゃうから。

ediee:すいません、僕はお弁当を担当しております。お弁当も選ぶのがけっこう……。

haderu:お弁当の話はいらないから(笑)。

ediee:基本、レコーディングでのギターはsapotoが弾いてますからね。包み隠さず言いますけど。あ、でも「タルトタタン」は僕が作ったデモをそのまま使ってるので、僕が魂込めて弾いたギターが聴けます。パッと聴けばわかると思います。他の曲との違いが(笑)。

「これが最後だ」という思いで活動を続けていく


――「ライブで楽しめる」というコンセプトはありつつも、収録される楽曲には様々なタイプのものがあって。それらに共通している特徴ってどんなものなんですかね?

haderu:うちには振付先導係(hideki)がいるんで、お客さんと振付で一体になれるっていうのが一番の特徴だとは思いますね。今回のアルバムには基本的にそういう曲が集まってます。

hideki:あとは曲自体にパワーのあるものですよね。僕がそこまで煽らずともライブでワーッと盛り上がる曲というか。そういう曲も今回はかなり入ってます。

haderu:もちろんね、今回収録されなかったからと言ってライブで盛り上がらないわけではないんですよ。実際、ベストに入れたかった曲はもっとたくさんあったし。まぁでもこの2枚を聴いてもらえれば今のjealkbのライブのことはわかってもらえると思うし、その上で遊びに来てもらえれば絶対楽しめるだろうなっていう手ごたえはありますよね。

hideki:ライブのセットリストをイメージした曲順にしたから、よりわかりやすい感じにもなってると思うし。

――曲順には2枚組ならではの遊び心が感じられるところもありますよね。

haderu:曲順はsapotoがだいたい決めたんだよね。

sapoto:そうですね。大事にしたのはセトリのような並びであることと、シンメトリックな2枚になればいいかなっていうイメージで。

hideki:曲のスピード感が似てる2曲を、それぞれのディスクの同じ場所に配置したりとか。ディスク1の9曲目に「FIREBIRD」を、ディスク2の9曲目に「FIREBEEF」を入れて、“鳥”と“牛”を対にしてみたりとか。

――edieeさん入魂の「タルトタタン」がそれぞれ7曲目に収録されていたり。

ediee:そうですね、はい。ありがとうございます(笑)!

elsa:「タルトタタン」の前の曲はどちらもedieeの曲だしね。そういったシンメトリー感を楽しみながら並べられたところはあったと思います。

hideki:さらに、ディスク1の頭とディスク2のケツを新曲にしたのもこだわりではありますよね。今のjealkbのメッセージで過去の曲たちを挟んでやるっていう。

――そう、今回のベスト盤には2編の新曲が収録されています。頭の新曲は疾走感のあるロックチューン「風花雪月」ですね。

haderu:jealkbを結成した当初って、「バンドがいつなくなるか?」とか「自分はいつ死ぬのか?」みたいなことってまったく考えてなかったんですよ。でも結成から14年経ち、年齢を重ねたことでそういうことをリアルに考えるようになったというか。メンバーの誰か1人が欠けたらライブもできなくなるし、お客さんとも会えなくなるわけですからね。だから僕らはこれからも「これが最後だ」という思いで活動を続けていくし、お客さんにもそういう気持ちで向き合ってもらえたらなって思うんです。この曲の歌詞ではそんなことを書きましたね。

elsa:そんなhaderuのメッセージを受け取りつつ、サウンドはライブで楽しめることを意識して作っていきました。リズムパターンがどんどん展開していくアイデアはhidekiが出してくれたもので。jealkbではあまりやったことのないパターンだったし、最初に作ってたデモからかなり形を変えましたけど、結果的にすごくいい仕上がりになったかなと。

hideki:僕がライブでお客さんを盛り上げるときって、けっこうリズムがきっかけになることが多いんですよ。だったら最初から煽りやすいドラムパターンを演奏してもらったほうが話が早いよなと思って。僕は音楽の知識やルールが全然わからないから、「そう来る?」「ちょっと気持ち悪いかも」ってなる場合も多々あったんですけど、「じゃどうすれば気持ち悪くなくなりますかね?」って何度もやりとりして作ってもらいました。結果、聴いててライブの画がパッと思い浮かぶ曲になったんで、ほんと良かったなって思いますね。

haderu:14年やってきて、そういう話し合いがやっとできるようになったんだと思うんですよね。それによってライブで盛り上がる曲と自分らがいいと思える曲が直結するようになったとも思うし。

――今まではそこが直結していなかった?

haderu:うん。そうだったと思います。今回のベストにシングル曲がほとんど入っていないっていうのがその証拠でもあるんじゃないかな。自分らではいい曲だと思って作ってるんだけど、それがライブでは思ったほど盛り上がらないっていう経験は、この14年の間にはたくさん経験してきましたから。

――いい曲であることとライブで盛り上がる曲であることの距離は、昨年9月にリリースされたミニアルバム『Mix Up Sonic』でグッと縮まった印象がありましたよね。メンバーのみなさんもそこに手ごたえを感じていましたし。

haderu:確かにそうでしたよね。でも、今思うとあれはあれでちょっと違った方向に行っちゃったような気もしてて(笑)。ピコピコしたサウンドに頼っちゃったことで、今度はjealkb色が薄まってしまったというか。あそこに入ってた6曲は全部ライブで活躍してくれると思ってたんだけど……。

elsa:今回のベストに入ったのは「煽情」と「ジガサガ」の2曲だけだもんね。

haderu:そう。しかもその2曲の盛り上がりは、自分らが想定していたのとはまた違った感じだったし。

――なるほど。そう考えると、jealkbはバンドとしてのアイデンティティを確立するまでに相当もがき続けてきたってことなんでしょうね。

haderu:うん、相当もがいてるよね。

hideki:もがきまくってますね。まぁでもそれがあったからこそ、今このタイミングの自分たちに行きついたというのあると思うんですよ。もちろん1年後にこのベストを聴いてどう感じてるかはわかんないですよ。実際、今回録り直した曲たちや新曲をライブでやってみたら思ったような反応が来ない可能性もあるわけだし。でも今の自分たちの全力を注ぎ込めたし、進むべき方向はしっかり定まってきたような気はするんですよね。

haderu:そうだね。メンバーみんなの思考の焦点が定まってきてるし、jealkbのパフォーマンスについてもひとつの“点”になってきているような気はするかな。

“14年分の苦悩”も込められたアルバムに


――そういったお話をふまえてもう1曲の新曲「Sign」を聴くとかなり胸を打たれますね。これはジュアラー(jealkbファンの呼称)たちのアンセムになりうる曲だなと。

ediee:確かにそうですね。

elsa:この曲は詞先なんですよ。haderuからまず歌詞が来て、そこに僕がメロをつけたっていう。

haderu:僕らが信頼してるプロデューサーに言われたんですよ。「自分たちの未来への覚悟と、ジュアラーへの思いを込めた曲を作ったほうがいい。さらに、ライブではみんなで歌えるような曲を作るべきだ」って。で、僕がバーッと思いのたけを歌詞として書いて、それを3人(ediee、elsa、sapoto)に投げたんですよね。これにメロディをつけてくれと。そういう作り方は初めて。このベストのタイミングだからできたことだとも思うんだけど。

――歌詞を渡された3人はどんな気持ちでメロを紡いでいったんですか?

ediee:これはかなり難しかったですね。読んだだけでウルっと来てしまうような歌詞になっていたので、どんなメロをつけるべきなのかでかなり悩んで。いちおう提出はしましたけど、やっぱり選ばれはしなかったですよね。

sapoto:俺はサボって書かなかったんですよ(笑)。

haderu:あはははは。sapotoはたぶん、この曲はelsaが書くべきだと思ってたんだよね。

hideki:そうだね。jealkbの歴史を考えた上でね。

――オリジナルメンバーであるelsaさんに対して、sapotoさんは途中からの加入だから……という意味で?

sapoto:そうですね。それにelsaさんが書いた曲を聴かせてもらったときに「あ、これがいいじゃん」って素直に思えたというか。「俺は書かなくていいや」って(笑)。

――ある種、必然的にelsaさんの曲になったわけですね。

elsa:確かに、この曲は俺がメロディをつけたかったです。だから書き始めてからも意外と悩まなかったというか。そこにはもしかするとhaderuが歌詞に込めたものと共通した思いが俺の中にもあったからかもしれない。haderuとは基板となる好きな音楽が似てたりもしますしね。この曲が、パンクバンドがやる青春ソングみたいになったのはそういう理由。

haderu:うん。高校生の頃に好きだった音楽とかは共通してるからね。ちなみに大人になった今聴く音楽は全然違うけど。僕は『ラブライブ!』の曲をよく聴いてるけど、elsaは聴かないんで(笑)。

elsa:そうですね(笑)。まぁでも根底にある音楽性とhaderuのメッセージがすごくかみ合ったから、すげぇいい曲に仕上がったかなと思います。

hideki:うん。ジュアラーに対してはもちろん、jealkbの中にある絆をも感じられる曲になりましたからね。

――dunchさんはこの曲に対してどんな印象を持っていますか?

dunch:サビをみんなで歌うイメージも沸きますし、ほんとにいい曲になったなって思います。制作過程では今回のベストに「Sign」を入れないかもしれないっていう流れになった瞬間もあったんですよ、実は。

haderu:そうそう。「風花雪月」がまだできる前だったから、「Sign」だけを新曲としてアルバムに入れるのは作品の意味合い的にもおかしいだろうっていうことになったんですよ。もう1曲、納得のいくものができないのであれば「Sign」も入れないほうがいいよねって。

dunch:ガッと盛り上がる曲があってこその「Sign」だろうっていう思いがメンバーみんなの中にあったんですよね。結果的にギリギリのタイミングで「風花雪月」ができて本当に良かったです。

hideki:「風花雪月」をいいものにするために、何度も締め切りのデッドを超えたもんね。曲を書いたelsaのプレッシャーはハンパなかったと思う。

elsa:プレッシャーはほんとすごかった(笑)。「Sign」とは対照的に、「風花雪月」の作曲はほんとに苦労しましたから。いい形に収まってホッとしましたね。

――様々な楽曲でわちゃわちゃと楽しませた後、最後に「Sign」というせつない、いい景色を持った楽曲でアルバムのエンディングを迎える感じもすごくよかったです。そこもjealkbの持つひとつのカラーなのかもしれないなと。

haderu:好きなんでしょうね、感動して終わるのが(笑)。「さっきまであんなにはしゃぎ倒してたのに!」みたいな。

hideki:最後は笑いながらちょっと泣いちゃうというかね。僕らの14年分の苦悩みたいなものも込められたアルバムでもあるので、笑顔でジーンとしてもらえたら嬉しいです。

――本作のリリース後、11月から来年1月にかけてはツーマンツアーの開催も。 EGG BRAINやGacharic Spin、四星球、LM.C、オメでたい頭でなにより、と多彩なメンツとの対バンが楽しみです。

dunch:活動を再開したEGG BRAINや、最近体制が変わったガチャ(Gacharic Spin)なんかは、バンドを長く続けていく中でいろんなことを乗り越えてきてるんだと思うんですよ。そういった各バンドさんの生き様みたいなものを対バンを通して勉強できたらいいですよね。

haderu:そうだね。前回、THE冠さんとスプリットツアーをやったときにも感じましたけど、ツーマンライブってものすごく刺激があるんですよ。もう得るものだらけってくらいに。なので今回も自分たちが「ちょっと勝てなそうだよね」って思えるバンドさんに参加していただき、その背中を追いかけつつ成長できたらいいなと思ってます。で、願わくばライブ後の物販で他のバンドのファンの人が僕たちのCDを買いに来てくれて、そこで今回のベストを渡せたら最高ですよね。

hideki:それがこのベストを作った一番の理由だからね。

ediee:僕はですね、対バンするからには、相手のお客さんを全部もぎ取る気持ちで挑もうと思ってます。その場にいる全員にjealkbの楽しさを伝えて、これからずっと僕らのライブに来てもらうことをモットーに。全力で楽しむぃさいと思います!

全員:あはははは。

haderu:最後に全力で噛むやん(笑)。

(取材・文=もりひでゆき/写真=はぎひさこ)

■リリース情報
jealkb『THE BEST』
発売:10月30日(水)
<収録曲>
DISC 1「赤盤」
01. 新曲(タイトル未定)
02. 煽情
03. 虚無感狂想曲
04. Packya Ma Lad
05. 歪ミイズム
06. Liberty
07. Fight for a renovation
08. FIREBIRD
09. Sadistic Maria
10. 暴レ神
11. shell
12. 花

DISC 2「黒盤」
01. 誓い
02. 恋する日曜日
03. 嘆きのエンドレス
04. ジガサガ
05. R-P-S
06. ASTROMEN
07. OKK-17
08. FIREBEEF
09. D.D.D
10. Reverse Bonito
11. 堕落
12. Sign(新曲)

■ツアー情報
『jealkb THE BEST TOUR 〜異色薔薇ノ宴〜』
11月1日(金)千葉・千葉LOOK w/EGG BRAIN
11月29日(金)さいたま・HEAVEN‘S ROCK さいたま新都心VJ-3 w/Gacharic Spin
12月28日(土)東京・新宿BLAZE w/四星球
1月17日(金)神奈川・NEW SIDE BEACH w/LM.C
1月31日(金)大阪:umeda TRAD w/オメでたい頭でなにより

jealkb オフィシャルサイト

アプリで読む