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7ORDERの1stツアー「WE ARE ONE」終幕、7人の前に広がっていた夢の続き

ナタリー

21/1/31(日) 21:30

7ORDER(撮影:前田学)

7ORDERの1stツアー「7ORDER LIVE TOUR 2021 “WE ARE ONE”」が本日1月31日に大阪・オリックス劇場で終幕した。この記事では1月14日夜に東京・日本武道館で行われた公演の模様をレポートする。

2019年5月に7人で活動をスタートさせた7ORDERは、音楽、演劇、アート、ファッションなどジャンルレスに活動を行ってきた。そして彼らは今年の1月13日に1stアルバム「ONE」で日本コロムビアよりメジャーデビュー。デビュー日の13日から、東京・日本武道館と大阪・オリックス劇場で全8公演の1stツアーを開催した。7ORDERがワンマンライブを行うのは今回が初めてのこと。初のワンマンライブにして、彼らは日本武道館のステージに立つこととなった。各公演は動員をキャパシティの半分以下に押さえ、分散入場と規制退場、サーモグラフィーによる検温、手指や足裏の消毒、20:00までの公演終了など、さまざまな新型コロナウイルス感染症拡大防止対策を講じたうえで実施された。声が出せなくてもライブを楽しめるよう、観客には叩いて音を出せる2本のスティックバルーンを配布。バルーンには光る仕掛けが施されており、会場に終始美しい光が広がっていた。

オープニングムービーではエラーを告げるアラートが鳴り、映画「マッドマックス 怒りのデスロード 」のごとく7ORDERのロゴが入った車両が荒野を爆走。臨場感あふれる映像が終わると、白いスモークが漂うステージに7人のシルエットとバンドセットが浮かび上がった。凛とした佇まいで彼らが演奏し始めたのは、アルバムのリード曲であり、彼らにとって始まりの歌でもある「LIFE」。「ここから Change it!」とサビに入った瞬間、爆発音とともに会場のライトが点灯し、7人がすさまじい熱量のエネルギーを音に込めて放っていった。間奏では森田美勇人(B, Vo)のグルーヴィなスラップが炸裂。最後にはライブアレンジならではの諸星翔希(Sax, Vo)の高らかなサックスの音色と安井謙太郎(Vo)のロングトーンが武道館いっぱいに響きわたった。

「行くぜ、武道館!」と安井が力いっぱい叫ぶと、メンバーはきらびやかなサウンドとともに「タイムトラベラー」の演奏を勢いよくスタート。安井と阿部顕嵐(Vo)はステージサイドに作られた花道をダッシュし、朗らかな笑顔で観客に手を振った。スクリーンには7ORDERの始動日を示す「2019/05/22」という文字が表示される。パフォーマンス中、その数字はまるで時を駆け抜けていくようにどんどん進んでいき、最後に公演当日を指し示す「2021/01/14」でストップ。7ORDER始動からの約1年半を表すような演出に彩られながら、彼らは真田佑馬(G, Vo)が作詞作曲してかつて1人で歌っていたこの曲を7人で日本武道館という大舞台にて堂々とプレイした。

長妻怜央(Key, Vo)が奏でる穏やかな鍵盤の音色と、萩谷慧悟(Dr, Vo)が繰り出す軽快なドラムサウンドをバックに、安井は「次の曲はみんなと一緒に作っていこうと思います!」とスティックバルーンを叩くリズムを観客に伝授。そのまま「BOW!!」の演奏が始まると、オーディエンスは跳ねるようなリズムに合わせてバルーンで音を重ねた。安井、阿部、諸星もそんな客席をながめながら楽しげにバルーンを叩く。シンガロングができなくともメンバーとファンは互いに心を通わせ、会場に一体感が満ちあふれた。

その後7人は一度ステージをあとにし、1人ずつステージ上段の真ん中に現れてソロダンスを展開。バックスクリーンに映し出されるメンバーカラーの光を操るように、それぞれ異なる魅力のダンスで観客の心を鷲掴みにした。最後には「7」という数字がスクリーンに大きく浮かび上がり、ステージ下段に7人が集結。7色の強い光が合わさって1つになっていく映像をバックにEDMチューン「Perfect」がスタートした。バンドスタイルとダンススタイルの両方を併せ持つのが7ORDERの特徴の1つ。スポットライトが交錯する中、7人は横一列になり、力強いビートに合わせてステップを踏んだ。最後に7色の光が美しいスモークとなって混ざり合うと、長妻の「皆さーん! 元気ですか? 皆さん1人ひとり見えてます! 皆さんが持ってるスティックバルーンで、僕たちの心の光を灯してください」という元気いっぱいの言葉とともに1stシングル曲「Sabaoflower」の幻想的なイントロが流れる。シャボン玉が漂うファンタジックな光景の中、彼らは軽やかにステップを踏んだり無邪気に飛び跳ねたりして武道館を温かな空気で満たした。

「Rest of my life」ではメンバーが7つの白いチェアを使い、しなやかにコンテンポラリーダンスを展開。1人ひとり柔らかな歌声を響かせ、観客の心にそっと寄り添うように歌を届けた。「GIRL」のきらめくようなイントロが流れると、真田の「オダちゃんが消えちゃったんだよ! みんなで一緒に探そうじゃないか!」という提案で、彼らはこの曲のミュージックビデオにも登場する7ORDERの公式キャラクター・オダちゃんを探すために冒険に出発。ポップなアニメーションを背景に、7人は雨の中や海の中をどんどん進みながらにぎやかに歌を届けた。

武道館の最終公演ということで、安井が「2日間あっという間でしたね」と話を切り出すと、真田は「寂しい。ここに泊まらせてもらおうかな」と名残惜しむ。メンバーは武道館の入口にグループ名が入った看板が出ているのを目にしたときの感動をそれぞれ口々にし、「本当に皆さんのおかげです。ありがとうございます」と感謝の思いを述べた。ここまで7人は統一感のある白と黒のシックな衣装でライブを行ってきたが、ここでそれぞれ色も系統も異なる衣装にチェンジ。ハーフパンツやタートルネックニット、ジャケット、ベレー帽など、各々の個性が際立つようなアイテムを身にまとった。

MCタイムを経て、7人はステージの上段と下段、花道にそれぞれ散らばり、バラードナンバー「Monday morning」を披露。オレンジ色に染まった舞台で、切なくもたおやかなラブソングをしっとりと歌い上げた。アウトロで7人を照らすスポットライトが1つずつ消えていき、会場が暗転。しかし次の瞬間にはステージ上段の扉がゆっくりと左右に開き、眩い光をバックに7人のシルエットが現れた。荘厳な雰囲気の中、ダンスチューン「Make it true」のイントロがスタート。この曲ではメンバーの表情を抜く左右のスクリーンを消した状態で、グループの洗練されたパフォーマンスが舞台上で繰り広げられた。迫力のあるダンスで観客の目を釘付けにすると、そのまま彼らはアバンギャルドな雰囲気が漂うナンバー「&Y」を続け、妖艶なダンスで観客を魅了。2番では諸星がサックスを手にし、艶やかな音色で楽曲を彩った。その後電動ドリルや缶バケツ、デッキブラシなどを用いたストンプ風の演出を経て、彼らはダンスパートへと突入。7人がストリートダンスのように軽やかにステップを踏むと、そこに観客のバルーンの音が重なり、まるでお祭りのようなにぎやかな空気が広がった。

炎が吹き上がるステージで披露されたのは、ヘヴィなサウンドが渦巻く「What you got」。自分らしく道を進んでいく意思を表現するように、彼らはギラついた瞳を輝かせて力強いダンスを繰り広げる。重厚感のあるAメロ、Bメロを経て、開放感のあるサビ、メロディアスな間奏と、楽曲は目まぐるしく展開。大サビでは7人がステージ上段に並び、広々とした空をバックに晴れやかなメロディを歌い上げた。

メンバーが一度ステージをあとにすると、時間が進んでいくようにその空は美しい夕空となり、やがて星空へ。ステージにはギターを携えた真田が1人で現れ、美しい音色を1音1音そっと思いを込めるように響かせた。ステージ下段にスポットライトが当たると、長妻がメロディアスな鍵盤の音色を重ね、諸星の淀みのない歌声で「27」がスタート。流星群が降り注ぐ中、メンバーは感情を解放するように真田が作詞作曲したこの曲をエモーショナルにプレイした。ライブも佳境を迎え、勢いよく放たれたのはアグレッシブなロックチューン「Break it」。メンバーの迫力のあるプレイにつられるように、観客のスティックバルーンを叩く音にも自然と力がこもっていき、場内に巨大なエネルギーが渦巻いていった。

リーダーの安井は武道館を見渡し、「1年半前に7ORDERを結成して、今回こんなに大きな会場でライブができることも、初めてのアルバムをリリースできたのも、皆さんのおかげだと思っています。本当にここまではきっと皆さんが連れて来てくれた場所だと思っています。これからは僕たちがもっともっとすごいところに、もっともっとすごい景色を皆さんに見せられるように、7人で突っ走っていこうと思います」と力強い眼差しで語る。そして「本当に皆さんがいるから僕たちはここに立てるし、ここにいる皆さんだけじゃなくて、ここに来れなかった方々、すべての人がいて、この7人が今日この日、この場所に存在できていると思います」と7ORDERを応援するすべてのファンに感謝した。

「僕たちのいろんな思いが詰まった曲です。ぜひ皆さんの心にしまって今日は帰ってください」という安井の言葉に続いて披露されたのは、メンバーで作詞をしたという新曲「夢想人」。白いスモークが漂う神秘的な光景の中、彼らは思いをそっと言葉にするようにこの曲を歌い始めた。長く寂しい夜のこと、光が欲しくて前に進んだこと、“君の声”が夢をつないでくれたこと。ステージから届けられる1つひとつの言葉を、観客は息を呑んでじっくりと受け止めていった。最後には7人全員が声を重ねて、夢見て飛び立っていく意思を力強く歌う。画面には7分割で7人それぞれの姿が映し出され、そのまっすぐな瞳には気迫が満ちあふれていた。アウトロでメンバーは1人ずつ楽器を置いて客席に向かって頭を下げ、ステージの奥へと消えていく。安井、阿部、森田、諸星、長妻、萩谷が順に退場するたびに楽器の音が減っていき、最後には真田の歪んだギターサウンドだけが残った。観客の視線を浴びながら、真田は勢いよくギターをかき鳴らしてライブに幕を下ろす。7人が去ったステージのバックスクリーンには、“7ORDER”の文字が大きく輝いていた。

アンコールでは、安井の誕生日をきっかけに生まれた楽曲「雨が始まりの合図」が初披露された。この曲はメンバーが安井に贈る歌として書き上げた1番に、新たに2番を加えて完成させたもの。イベント当日など大切な日に雨が降ることが多いという7ORDERは、パフォーマンス前に映像を通して「雨をポジティブなものに捉えて、雨が降ったら自分たちの何かが始まるって思えたらいいんじゃないかなって」と楽曲に込めた前向きな思いを明かした。映像が終わると会場に雨音が響き渡り、リメイクしたツアーグッズのパーカーを身にまとった7人がステージに登場。手書きの歌詞をバックに、メンバーは時折目を見合わせながら、弾けるような笑顔でこの曲を届ける。楽曲の終盤には、事前にファンからデザインを募った色とりどりの“雨のしずく”がスクリーン内で降りしきった。

すべてのパフォーマンスを終え、メンバーは1人ずつ挨拶の言葉を述べていく。真田は「ないと思っていた夢の続きを見せてくれて、本当に本当にありがとうございました。体はヘトヘトですが、このヘトヘトがこんなにも気持ちいいと思ったことはありません。これからも一緒に夢の続きを見させてください。そしていろんな景色を見ていきましょう」と充実した表情で語り、森田も「いろんなことを考えながら、ここまで来ました。こうやって皆さんと会えて、この瞬間に立ち会えることがとても幸せです。ここからがスタートです! これからもがんばるのでよろしくお願いします」と喜びいっぱいに語る。長妻は「やっぱりこうやってライブをできることが当たり前じゃないんだなってわかりましたし、皆さんとこうして一緒にいられる時間がどれだけ大切かっていうことも、本当に身に染みてわかったので、これからも1秒1秒を本当に大事にして、皆さんにできるだけ楽しい思いをしていただけるようにがんばっていきたいと思います!」と声を弾ませ、萩谷は「本当に楽しい時間ってあっという間に過ぎていっちゃうんだなって今強く噛み締めています。でもまたこうやって楽しいことをみんなで作って、それをもっともっと大きくしていって、みんなで楽しい人生を過ごしていけたらなと思っているので、これからも7ORDERよろしくお願いいたします!」と観客に呼びかけた。

諸星は「歌ってる最中、メンバーを見たら、全員めちゃくちゃ笑顔でした! 笑顔にしてくれてるのはファンのみんな全員のおかげです! これからも一緒に笑顔で元気に夢を叶えていきましょう!」と目を輝かせ、安井は「本当に皆さんのおかげで僕たち7人が幸せでいられるんだなっていうのを深く感じました。恩返しはまだまだできていないと思います。でも、それがもうめちゃくちゃ悔しいなと思いました。もっともっと恩返ししたいし、もっともっとみんなのことを幸せにしたいと思いました。この7人がいれば、それができる気がします。これからもよろしくお願いします!」とまっすぐに前を見据える。最後に阿部が「皆さんの前に僕たちが立てるのは当たり前のことではないですし、だからこそ今日の気持ちは今日伝えようと思います。皆さん、本当に今までありがとうございました! そしてこれからも……」と言いかけたところでマイクを口から離し、「よろしく!」とマイクを通さずに力いっぱい叫んでファンに思いを伝えた。

ステージ上段に並んだ彼らは、何度も「ありがとうございました!」と観客に感謝の気持ちを伝える。そして完全に扉が閉まり切るまで会場の隅々まで手を振り、7人は晴れやかな表情で日本武道館でのライブを終えた。

また、このライブの映像が2月27日(土)から3月7日(日)まで配信されることが決定した。配信の詳細は7ORDERのオフィシャルサイトで確認を。

7ORDER「7ORDER LIVE TOUR 2021 “WE ARE ONE”」2020年1月14日 日本武道館 夜公演セットリスト

01. LIFE
02. タイムトラベラー
03. BOW!!
04. Perfect
05. Sabaoflower
06. Rest of my life
07. GIRL
08. Monday morning
09. Make it true
10. &Y
11. What you got
12. 27
13. Break it
14. 夢想人
<アンコール>
15. 雨が始まりの合図

※「Sabaoflower」の2つ目の「a」はティルデ付きが正式表記。

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