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嵐のカップリング曲は、5人とファンをつなぐ大切な懸け橋だーー思い出に刻み込まれた、心に響くメッセージに耳を傾けて

リアルサウンド

20/11/17(火) 6:00

 『アラフェス2020 at 国立競技場』で改めて感じた、嵐のカップリング曲の尊さ。ライブ以外で披露することは少なくとも、それらの曲なしでは嵐の歴史を語ることは決してできない。今回は、嵐のカップリング曲の中から厳選した3曲をピックアップし、改めてそれら楽曲の魅力やエピソードを振り返る。

 まず1曲目は「Still…」。もはやカップリング人気投票で1位を獲得するのが当たり前となった曲。魅力はなんと言っても、その心にしみる歌詞だろう。筆者が最もグッとくるのは〈抱えた物の多さに潰れそうなその時には思い出して ずっと繋いできた その手は嘘じゃないから〉の部分だ。自分にしか分からない不安や葛藤、苦しみにそっと寄り添ってくれるかのような優しい歌詞。5人が「僕らがいることを忘れないでね」と言ってくれているかのような温かさ。切なくも明るいメロディラインに沿って歌いあげられるその歌詞は、くじけそうな時でも不思議と前向きになれる。

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 続いて2曲目は「ファイトソング」。嵐が『Gの嵐!』(日本テレビ系)という深夜番組をやっていた頃、同番組の公式応援歌として5人で作り上げた曲だ。〈人は人 自分は自分 比べた時点で負けてる〉〈時には泣いていいよ 弱いとこ見せても大丈夫 でもそこで腐るな! まだやれる その先の夢(さき)〉こういった歌詞の一つひとつをみればありきたりな言葉かもしれない。だが、嵐5人の気持ちがこもった曲、5人が与えてくれた言葉だと捉えると、歌詞がストレートに心にしみるのだ。筆者は特に学生時代、毎日のようにこの曲を聴いていた。勉強漬けの日々でつらかったとき、部活を辞めたくなったとき、何もかもが上手くいかなかったとき。苦しいときは何度も何度もこの曲を聴き、励まされた。〈「頑張れ!!」〉という簡単な言葉が、こんなにも心に響く曲を他に知らない。

 そして3曲目は「season」。約11年前の2009年に、au by KDDI『もし僕らが、嵐でなかったら。』のCMソングだった曲だ。CMが流れるたびに幸せを感じていたことから、朝のテレビから嵐の声が聞こえただけで毎日スッと起きられていたような思い出まで、まるで一本の糸をたぐるように記憶が蘇る。これを読んでいるあなたは、今どんな記憶を思い出しているだろうか。素敵な曲と思い出がセットであることが、こんなにも幸せであることを私は今まで知らなかった。そしてこの曲の歌詞において〈旅立ちを決めた思いは 今 誰のためでもなくて〉〈変わりゆく僕の 変わることない思いを〉の部分は、まさに今変化しようとしている嵐そのものと重ねることで、さらに想いがこみ上げってくる。まさに〈涙零れそうなとき 君の事を 思い出す〉関係になれていたらいいなと信じてやまない。これまで嵐がファンのことを思い続けてくれていたように、休止期間は私たちが嵐を思い、待ち続けなくてはという使命感も生まれてくる。

嵐

 そして、カップリングではないが、番外編として「スケッチ」を紹介したい。表で語られることは少ないが、この曲は2004年の嵐結成5周年記念で制作され、作曲を二宮和也、作詞を二宮と櫻井翔が手掛けた。結成から5年間の出来事や気持ちの変化、ファンを大切に想う気持ち、何よりも自身のグループを想う気持ちが強く描かれている。特に〈さあ卷き起こそう その扉が開いたら「俺らが止まる所じゃないから」〉〈ゆずれない想い誰も邪魔出来ない 誰よりも俺ら自身が溺愛〉の部分には、グループとして登り詰める意思の強さと5人の固い絆を感じずにはいられない。また、曲中では相葉雅紀の「トップになりたいって夢、絶対叶えようね」という生の音声が収録されているが、これは2004年の『24時間テレビ』(日本テレビ 系)で相葉がメンバー4人へ読んだ手紙の一節である。自身が肺気胸を患い他のメンバーに負担をかけたことを申し訳なく思う気持ちや、メンバーそれぞれへの感謝を綴った手紙の一説からは、嵐の絆が昔から何も変わっていないことを思い出させてくれる。

 カップリング曲からたった数曲だけを取り出しても、決してここで全てを語りつくすことはできない。他にも「僕が僕のすべて」「花」などメッセージ性の強い楽曲は数多くあり、嵐の各カップリング曲が嵐とファンをひとつに繋いできたといっても過言ではない。カップリング曲一つひとつが尊い存在であって、嵐とファンをつなぐ大切な懸け橋なのだ。これまでも、これからも。

■ミキマキ
ゲームを趣味とするフリーライター。新作発売と同時に引きこもりとなる傾向がある。一つの作品をとことんやり込むのがモットーで、とくにマリオカート8デラックスは約3年間、腕を磨き続けている。ゲームの楽しさや作品の魅力を文章で伝えていきます。Twitter

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