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坂元裕二脚本ドラマスペシャル『スイッチ』の見どころは? 阿部サダヲと松たか子の“自然体”に注目

リアルサウンド

20/6/21(日) 19:20

 6月21日21時から放送されるドラマスペシャル『スイッチ』(テレビ朝日系)。放送前日に主演の阿部サダヲ、ヒロイン役の松たか子、脚本家の坂元裕二、月川翔監督の4名が参加してリモート会見が生配信されたことも話題になっている。

参考:醍醐虎汰朗、坂元裕二脚本『スイッチ』出演 石橋静河、岸井ゆきのらの場面写真&コメントも

 本作は検事役を演じる阿部サダヲと弁護士役の松たか子は、学生時代から7年間付き合っていた元恋人同士という設定。40歳になった今も腐れ縁を続ける2人が、ある事件を巡って検事と弁護士として対峙するリーガルサスペンス×ラブストーリー。

 脚本を担当したのは『東京ラブストーリー』(フジテレビ系)、『Mother』(日本テレビ系)、『最高の離婚』(フジテレビ系)、『カルテット』(TBS系)など数々のドラマを誕生させ、近年は舞台や映画でも活躍する坂元。先日はリモートドラマ『Living』(NHK総合)も放送され、阿部も主演を務めた。また、松は『カルテット』に続いての坂元作品出演となる。松の歌手としてのデビュー作「明日、春が来たら」の作詞を担当したのも坂元だ。

 そして、阿部と松の2人と言えば、結婚詐欺を働く夫婦を演じた映画『夢売るふたり』や野田秀樹の舞台『逆鱗』など度々共演している。この息の合ったお馴染みのタッグに、今回新たに加わったのが『君の膵臓をたべたい』でメガホンを取った月川監督だ。

 本作では、この主演の2人の関係性を淡々と撮った長回しのシーンが多いようで、これには阿部も「監督はトキメキ系の作品を撮っている方なので、もっとカットを割って撮るのかと思っていたら、結構長回しでビックリしました」と語った。また月川監督からは撮影中の印象深いエピソードとして、主演2人のキスシーンの話が挙げられていた。

 「キスシーンみたいな繊細なシーンでは、若い俳優さん同士だと現場に緊張感が走るんですが、2人の場合には『自分が一番最後にキスシーンを演じた相手は誰だったか?』って話で盛り上がっていて、さすが余裕あるなぁと思いました」と話し、笑いを誘っていた。気になるキスシーンについては、どうやら「アメリカ映画っぽい」仕上がりになっているらしい。と言うのも、本作の撮影は松の第92回アカデミー賞授賞式参加直後にスタートしたそうだ。この撮影のため松は授賞式参加後すぐに日本に帰国し、現地での滞在時間がほとんどなかったことも明かしていた。11.5ページにわたるシーンがワンカットの長回しで撮影されたと言うラブシーンに要注目だ。

 また「会話劇」とも称される坂元脚本だが、企画立ち上げ時から配役は決まっていたようで、台詞は全て主演2人に向けて当て書きしたと言う。坂元は「何度かお2人は共演されてると思うんですが、割とシリアスなものが多かったと感じていたので、今回はコメデイタッチなものにしようと思っていました」と話し、「お2人に出ていただけるってことがわかった時はとても嬉しかったです。いつも僕が書いていいんだろうかと思うような、宝物のような2人なので、プレッシャーも感じるし光栄にも思うし、2人の魅力が損なわれないように一生懸命書かせていただきました」と、阿部と松への最大級のリスペクトを表した。「脚本執筆時には「(2人の)顔と声を想像しながら頭に浮かべて書いています。いつもはもうちょっと言い易いように気をつけるんですが、お2人だったら大丈夫だろうなと思って。法律用語や事件関連の用語も多く、辛かったかなと思ったんですけど」と、信頼ゆえの無茶振りがあったことを明かしていた。

 会話以外にも主演の2人の自然体な演技が興味深かったシーンを月川監督が紹介。「10分くらいの長いワンシーンで、本番中に阿部さんがアイスペールの氷を松さんのグラスに入れようとして上手くいかないというちょっとしたハプニングみたいなことがあって。カットかけようか迷ったんですけど、この2人だったらどう乗り切るか見ていたら、確かにこの2人のキャラクターだったらこうするだろうなという説得力のある動きで乗り切ってくれて。さりげない動作なんで普通に見ていたら自然に見落とすほどにやってのけてるんですけど、その自然さがすごいと思いました。」監督曰く「1回目は気にせず観ていただいて、2回目以降に注目していただければ」とのことだ。

 また本作の見どころに、脇を固める豪華俳優陣が挙げられる。主演の2人の恋人役を中村アン、眞島秀和が演じる。また、主演の2人と同じ舞台『逆鱗』に出演、NHK連続テレビ小説『半分、青い。』や、今春FODで配信された『東京ラブストーリー』でのリカ役で注目を集める石橋静河、NHK連続テレビ小説『まんぷく』で当時26歳ながら14歳の役どころに臨み、映画『愛がなんだ』が話題作となった岸井ゆきのら若手実力派女優が、本作ではキーマンを演じるようだ。

 互いを相性100%だと自負し合う阿部と松の、コミカル作品という新たな境地。そんな主演2人による、坂元作品名物のリアルで生々しい会話の応酬が見ものである。大人の不器用なラブストーリーとサスペンス要素が見事映像化されたという本作、必見だ。

■楳田 佳香
元出版社勤務。現在都内OL時々ライター業。三度の飯より映画・ドラマが好きで劇場鑑賞映画本数は年間約100本。

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