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PENTAGON×TERU、KEY×TETSUYA、DAY6×生形真一…日韓アーティストコラボが生むシナジー

リアルサウンド

19/1/14(月) 10:00

 韓国から生まれるK-POPにはK-POPにしかない魅力がある。そして日本から生まれるJ-POPにもJ-POPにしかない魅力に溢れている。どちらも甲乙つけがたい素晴らしい音楽に溢れている。

(関連:PENTAGON、NCT、THE BOYZ、Stray Kids…2019年日本でも注目のK-POPボーイズグループ

 今回は、日本のアーティストが提供したK-POPアーティストたちの作品を3つを紹介したいと思う。PENTAGONとTERU(GLAY)、KEY(SHINee)とTETSUYA(L’Arc~en~Ciel)、DAY6と生形真一(ELLEGARDEN)だ。この組み合わせからどんな作品が生まれたのだろうか。

■PENTAGON「COSMO」×TERU(GLAY)
 2018年、「SHINE」のチャート逆走でK-POP界を賑わせたPENTAGON。彼らが2月13日に日本メジャーデビューを果たす。そのデビュー曲「COSMO」を手がけたのは、GLAYのTERUだ。メンバー全員が作詞作曲ができるというポテンシャルを持つPENTAGONが、あえて日本人アーティストであるTERUに楽曲を依頼したということに、今回の日本デビューに対する意気込みを感じさせる。

 少し意外な組み合わせに思うかもしれないが、TERUは様々なK-POPグループとのつながりがあり、頻繁にコンサートにも通っていることはよく知られている。そんな中で、父がGLAYのファンだという日本人メンバーのユウトの依頼で楽曲の提供を引き受けたという。TERU曰く、遠く離れた場所でPENTAGONを思っている日本のユニバース(PENTAGONのファンの呼称)のことを思って書いたという。いわば“ファンソング”とも言えるだろう。

 「SHINE」、「Naughty boy(アマガエル)」と明るい曲が続いてきたPENTAGONだが、今回の曲ではそれ以前の楽曲「Can You Feel It」や「RUNAWAY」のような疾走感のある路線に回帰した。ギターのカッティングが印象的なイントロから始まる「COSMO」は、オリエンタルな要素を感じさせるアレンジに、TERUっぽさをところどころに残している。今までのPENTAGONの楽曲にはなかった要素もありながらも、彼ららしさもしっかり出した作品に仕上がっているのが面白い。

■KEY「POWER」× TETSUYA(L’Arc~en~Ciel)

 韓国でのソロデビューに続き、日本でも12月にアルバム『Hologram』でソロデビューを果たしたSHINeeのメンバー・KEY(キー)。記念すべきこの作品には日本の様々なアーティストたちが参加しており、3曲目に収録された「POWER」の作詞作曲を手がけたのは、L’Arc~en~CielのベーシストであるTETSUYAだ。意外な組み合わせということで、ファンの間でも話題になった。

 「POWER」は、KEYの「POWER!」という力強い掛け声から始まる、ギターとシンセリフを押し出したロック調の楽曲だ。日本のSHINeeの楽曲の中でもアルバム『FIVE』に収録された「Nothing To Lose」など「POWER」に似たようなタイプ曲はあったが、韓国ではなかなか聞かれない音だ。“L’Arc~en~CielのTETSUYAが手がけた”ということを感じることができ、そしてKEYの世界にもしっかりハマっている作品である。

 韓国のアルバム『FACE』では音楽トレンドをうまく取り入れたサウンドになっていたが、日本のアルバム『Hologram』はまた違った作品に仕上がっている。どちらかというと、かなりJ-POPに寄せた作品だと言えるだろう。SHINeeの作品もそうだったが、彼らは“J-POP”を理解し、とても上手に扱っている印象がある。その中で生まれたのが、今回のKEYとTETSUYAとのコラボレーションなのかもしれない。

■DAY6「Stop The Rain」×生形真一(ELLEGARDEN、Nothing’s Carved In Stone)
 最後に紹介するのは、5人組のロックバンド・DAY6だ。2018年3月に日本で「If~また逢えたら~」でメジャーデビューを果たした彼らは、2枚目のシングル曲「Stop The Rain」において、ELLEGARDEN、Nothing’s Carved In Stoneのギタリスト・生形真一とタッグを組んだ。日本で人気のあるロックバンドのメンバーがプロデュースを手がけたということで話題になった。

 「Stop The Rain」は、まさにJ-ROCKだ。歪みの効いたギターリフに、低音を響かせた重ためのベースとドラム、それに彩りをつけるシンセサウンド。ポジティブなDAY6らしさを残した良質なJ-ROCKに仕上がっている。ポップバンドとしての印象が強い韓国とは違い、日本ではロックバンドとしてのテイストを強く押し出している印象だ。その後に公開された「Breaking Downにおいてもその路線を貫いている。

 韓国では「信じて聞くDAY6」という言葉があり、彼らの曲と歌詞は共感を得て広く受け入れられ愛されているが、バンド文化が熟している日本において、ロックバンドとして彼らが受け入れられるまでには時間がかかりそうな印象もある。しかし、彼らだけが持つポップなサウンドとポジティブな歌詞がJ-ROCKとうまく合わさった時、他には見られない相乗効果が生まれるのではないだろうか。そんな楽しみもある。

■「K-POP×J-POP」のシナジー効果に期待
 様々なタイプの音楽を吸収し、自分たちの音楽文化にしてきたK-POPは広く世界に受け入れられ、今ではビルボードのチャートを賑わせるほどになった。日本進出おいても彼らは日本の音楽についてよく研究しており、“日本ローカライズ”はそういった中で生まれた表現方法の一つなのだろう。

 一方、日本の音楽はよくガラパゴスと言われる。しかし、ヴィジュアル系やシティポップなど、ガラパゴスだからこそ生まれた独特な音楽ジャンルも多くある。

 今回は日本のアーティストが手がけたK-POPの楽曲を紹介したが、今後もこのような形でのコラボレーションが増えて欲しいところだ。お互いがお互いの音楽文化を受け入れたら、今までとは違う世界が生まれるのではないだろうか。音楽に国境はないからこそ、新しいシナジー効果を期待したい。(西門香央里)

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