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ポール・マッカートニーのチケットに40万円の高値 “ネットダフ屋”の是非が議論に

リアルサウンド

13/10/24(木) 9:31

20131024-dafuya.jpgダフ屋行為は条例によって禁止されている地域もあるが……

 10月23日の朝日新聞で、2013年11月に11年ぶりの来日公演をするポール・マッカートニーのコンサートチケットに、ネットオークションで40万円という価格が付けられたことが報道され、話題となっている。コンサート会場での転売行為は、各都道府県の迷惑条例で規制されているが、ネットに関しては規制が難しく、いわゆる「ネットダフ屋」が価格を釣り上げ、今回のように法外な高値が付けられるケースがある。

 そもそも、転売行為はミュージシャンやファンにとって、どんなデメリットがあるのか。チケットの転売行為を防ぎ、ファンが正規価格でチケットを購入できるサービスを展開しているEMTG株式会社の佐藤元氏に話を訊いた。

「福山雅治やEXILE、ミスチルといった人気ミュージシャンの公演を確実に観ようと思ったら、通常、ファンはファンクラブに加入して、チケットを優先的に購入できる権利を得ます。しかし、転売行為を認めた場合、市場原理でチケットの価格は自然と高騰するので、そこに目を付けた”チケットオークション会社”というものが、ファンに成りすましてファンクラブに加入、組織的にチケットを買い占めるという事態が起こります。結果として、本当のファンクラブ会員が適正価格でチケットを購入できる確率が低下するのです」

 ミュージシャン側にとっても、この問題は悩みの種だ。

「B’zやサザン、スピッツといったクラスのミュージシャンにとっても、本来のファンにチケットが適正価格で届かないのは残念なことです。また、ファンが本来1万円のチケットを10万円で購入したところで、その9万円がミュージシャンに還元されないというのも、いかがなものかと。いくらお金を払ってでもその公演を観たいという心理は、ファンとしては自然なことかもしれませんが、その行為が結果としてチケットオークション会社を潤わせているという事実は、認識したほうが良いのではと思います」

 ネットオークション側のシステムに関しては、「オークションシステム自体は本来、チケットを転売するためだけにあるわけではないので、責任を問うことはできないと思います」としつつも、「ただ、転売によって利益を得ている人々がいるのは事実なので、なにかしらの施策をしてほしいという思いはありますね」と、佐藤氏。EMTGでは、顔認証によってチケットを購入した人物しか入場できないシステムを実現。現在、コブクロのコンサートなどで実地して一定の効果を上げているが、そういった対策が取られていないコンサートは、まだまだ多いのが実情である。

「EMTGではさまざまなミュージシャンやその事務所に働きかけ、このシステムの普及に努めていますが、彼らはそれぞれ別のシステムを構築していたり、『まだ時期ではない』などの判断から導入を見合わせるなど、業界全体の足並みが揃っていないところはあります」

 人気チケットが高騰するのは市場原理からして仕方のない部分もあるが、2006年にKinKi Kidsの堂本光一さんが主演するミュージカル『Endless SHOCK』のチケットをネットオークションで転売し、東京都江東区の2人が都迷惑防止条例違反(ダフ屋行為)で逮捕されたように、転売行為が罰せられる場合もある。興行主が健全なチケット販売のシステムを構築するだけではなく、ファン側でもこの問題を意識することが大切なのかもしれない。
(文=マツタヒロノリ)

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