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男子禁制の村舞台にした「クシナ」、小野みゆきが会見で「女性の見方が変わるかも」

ナタリー

20/7/16(木) 12:52

「クシナ」記者会見の様子。

「クシナ」の記者会見が、7月15日に東京・日本外国特派員協会で開催され、監督の速水萌巴、キャストの稲本弥生と小野みゆきが登壇した。

大阪アジアン映画祭2018でJAPAN CUTS Awardを受賞した本作は、男子禁制の集落を舞台に、速水自身の体験に根ざした母と娘の物語を描くもの。14歳の少女・奇稲(クシナ)を郁美カデール、28歳の母・鹿宮(カグウ)を廣田朋菜が演じた。男の後輩とともに閉ざされた共同体に足を踏み入れる人類学者・蒼子役を稲本、村長であるカグウの母・鬼熊(オニクマ)役を小野が務めている。

男子禁制の村を舞台とした理由を聞かれ、速水は「コミュニティを最初に設置したのではなく、まずお母さんと娘の物語を描きたいと思っていて、その舞台を考えていきました」と回答。続けて「日本だと、若くして出産した人たちに対して厳しい考え方があるので、生きづらい人もたくさんいると思うんですけれど、もしそういう人たちが樹海に入ってこういうコミュニティを見つけたら、おそらくみんな住み着いていくんではないかと想像したんです。男性が行き着いてもそこにとどまることはないだろうなと思い、自然と女性だけの集落になりました」と創作過程を振り返った。

稲本は観客へのメッセージとして「部外者を演じた私としては、女性しかいない村に足を踏み入れる男性の目線であったり、村を壊さないようにしているのに壊してしまう人など、いろいろな人の愛の形があるので、自分の目線で楽しんでいただけたら」とコメント。そして小野は「私が20代、30代だった頃は、女の人が意思を持たないというか、“男に守られなくてはいけない生き物”として描かれていて、ステレオタイプにはめられるのがとても気持ち悪かったんです。けれどこの映画を観ると、女の人の見方が変わるかもしれない。日本の古臭い女の人のイメージとは違うものが届けばいいなと思います」と自身の経験を踏まえて語る。さらに「(女性は)今まですごく弱いものとして描かれてきたと思います。女の人が強くてたくましくて、生きざまが美しいということが感じられる、リアルなファンタジー映画かなと思います」と力説した。

最後に速水は「私たちは人生の中でいろいろな決断をしていくわけですけれど、愛によって決断するときも何回か訪れます。愛を伴った決断はすごく力強いものだと思っています。ただその愛というものが、自分の思うように他者へ届いているかどうかはわからない。そこも考えてほしいなという思いもあります」と、作品に込めたテーマを語った。

「クシナ」は7月24日より東京・UPLINK渋谷ほか全国で順次公開。

(c)ATELIER KUSHINA

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