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超異例のインドプレミア 映画大国に届いた『天気の子』現地レポート公開

ぴあ

19/9/30(月) 11:18

フォトセッションの様子 (c)2019「天気の子」製作委員会

大ヒット公開中の新海誠監督最新作『天気の子』が、インドでのプレミア上映が実施され、新海監督が現地入り。その様子のレポートが届けられた。

全国359館448スクリーンで公開されるやいなや、運命に立ち向かう少年少女の姿、新海監督が世界へ投げかけるセンセーショナルなメッセージ、そして圧倒的な映像美と心震わす音楽が紡ぎ出す“新海ワールド”が話題となり、幅広い世代が劇場に殺到。前作『君の名は。』と同様に、2回、3回と劇場に詰めかけるリピーターが続出し、日本中を席巻している。

公開前から140の国と地域での配給が決定し、トロント国際映画祭への正式出品、さらに米アカデミー賞の日本代表に選出されるなど、世界中から大きな注目と期待を集めているのが本作だ。インドでは、ムンバイ、デリーをはじめとする全国30都市で、10月11日(金)から公開されることが決定(配給会社:Vkaao/興行会社:PVR Cinemas)。日本映画がインドの劇場で一般公開されること自体が異例であり、過去にインドで一般公開された作品は、『万引き家族』『ドラゴンボール超 ブロリー』の2作品のみだ。『天気の子』は日本のオリジナルアニメ映画として、初の一般公開となる。

インドでは『君の名は。』が人気を博し、今年の2月にインターネット上で『天気の子』のインド公開を求める署名活動が起こり、5万人を超えるファンの署名が集まった。その声が新海監督本人や東宝の海外配給担当者、現地配給会社買い付け担当者の耳に届き、署名活動に応える形で公開が決定。人口13億人を超えるインドは、年間映画製作本数(約2000本)と年間映画観客動員数(約20億人)が世界1位。さらに映画市場は年間24億ドルを超える、正真正銘の“映画大国”だ。多くのインド人が娯楽として映画を愛し、物語だけでなく歌と踊りを楽しむインド映画、通称ボリウッドは、世界の映画産業を牽引している。

初のインド訪問となる新海監督は、9月27日(現地時間)に実施されたインドプレミアに合わせて現地入り。上映を前に「インド上映は現地の若者たちによる署名活動のおかげで実現しました。インドの若者たちが日本の映画から何を得てくれるか、彼らの反応を楽しみにしています」と期待を膨らませていた。プレミア上映会場となったのは、インドの首都・ニューデリーにあり、いま1番人気のショッピングモールにある劇場“サケットセレクトシティウォークPVRcinema”だ。インド7都市で開催される“インド日本映画祭”の開幕も兼ねており、当日は全席招待、劇場内の複数スクリーンでインドファン合計約1000人が『天気の子』を鑑賞した。当日は場内満席の大盛況で、「shinkai! shinkai!」というコールが響き、異様な熱気が場内を包み込む中、上映前の舞台挨拶に登場した新海監督は、待ちわびたファンたちの大喝采と歓迎の拍手で迎えらた。興奮と歓声がやまない中、監督は「皆さんの署名活動のおかげでインドに来ることができて、心から幸せです。本当にありがとう。インドという日本からとても離れた国で、文化も異なり、さまざまな価値観を持つ皆さんに、『天気の子』をどんなふうに楽しんでいただけるのか、心から楽しみにして来ました。皆さんの心の中に、少しでもこの映画が何かを残すことができたら、とても幸せに思います。どうか映画を楽しんでください」と語った。

翌日は、インド上映のきっかけとなった、『天気の子』のインド公開を求める署名活動を始めた、現地の男子高校生Divishth Pancholi(パンチョーリ)君と新海監督がご対面。歓迎の花束を渡す感無量のpancholi君に新海監督は、「署名活動をしてくれて本当にありがとう!」と感謝を伝え、『天気の子』の感想や、将来の夢など、監督がpancholi君を質問責めに。最後は、いつか東京で再会し、監督自ら映画の舞台を案内することを約束した。対面を終えた新海監督は、「パンチョーリ君の熱意と行動力によって、この先日本とインドのアニメ―ション映画の形が少し変わるかもしれないし、日本の映画産業の形が少し変わるかもしれない。心から凄いことだと思います」と語った。

インドプレミアを終えた新海監督の感想は下記。

■新海誠監督
インドの観客の熱量に、本当に驚きました。国民性のようなものかもしれませんが、インドの観客は、全力で「自分はとにかく楽しむんだ!」という非常に前のめりの姿勢で映画を観ているのが印象的でした。あんなふうに映画を観ながら笑って泣いて、僕の名前を呼び大歓迎をしてくれて、一緒に鑑賞していて逆に感動をもらいました。映画を作っていて良かったと思わせてもらえるような瞬間を、インドでいただけたような気がします。日本のアニメーション映画がインドで劇場公開されることはほとんどないことですが、今回それがひとりの若者の署名から実現しました。これをきっかけに、アニメ―ション映画の形が少し変わるかもしれないし、日本の映画産業の形が少し変わるかもしれない。パンチョーリ君の熱意と行動力がまさに“世界の形を変えてしまう”ようで、心から凄いことだと思います。

『天気の子』
全国公開中

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