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武田航平 オレニ撮ラセロ!

徳山秀典の中性的な見た目と男らしい中身のギャップを切り取る

不定期連載

第83回

「おれとら」では初の先輩俳優ゲスト・徳山秀典さんを迎えた今回。10年以上前にさかのぼる出会いから、共演作のドラマ『戦国BASARA −MOONLIGHT PARTY−』の思い出などを振り返っていただきました。

心身ともに強い、徳山秀典の魅力

武田 初めてお会いしたのは、徳山さんが『炎神戦隊ゴーオンジャー』に出られていて、僕が『仮面ライダーキバ』に出ていたときですよね。

徳山 そうそう。メイクルームが同じだったんだよね。部屋の真ん中が仕切られていて、武田くんは向こうのスペースで休んでいたのかな。それを知らない俺たちが騒いでいたら、「あ、すいません」って感じで武田くんが出て行って。それで俺らは、「寝ていたのに起こしちゃったよね……」ってなって。

武田 「うるせーな」とか言ってなくてよかったぁ(笑)。

徳山 まぁ、そういう感じの人もいるよね(笑)。だからこそ、すごく好印象だったのを覚えている。うるさくしていたのは俺らの方なのに、遠慮して出ていくって、なんていい子なんだろうって。

武田 『ゴーオンジャー』って、すごく仲良しで賑やかでしたよね。若い子が多い現場で、徳山さんがそれをまとめていたんだろうなって思っていました。徳山さんはとても接しやすい先輩だし、後輩が何かダメなことをしたときは、しっかりと叱ってくれるし。

徳山 そうだね。そういうときはちゃんと言うタイプかな。

武田 徳山さんってすごく優しいけど、当時はボクシングのプロライセンスを持っていたくらい、実はめちゃくちゃ強いんですよね。もちろん、そういう方って素人相手には手を出さないんですけど、でも今日の取材はちょっと緊張しています(笑)。

徳山 やめてよ~(笑)。

武田 だから今日は、いつもより静かな僕だと思います(笑)。徳山さんに対してはすべて敬語ですから! おれとら初の全敬語です!

徳山 あはは!

武田 でも本当に、現場のこともしっかりと見てくださるので、『戦国BASARA』のときも、みんな頼りにしていました。徳山さんは余計なことは言わないというか、言葉はなくてもそこにいるだけで現場を締めてくれるような人。たぶん、本当に心身ともに強い人ってそうなんだと思います。だから信頼感がすごい。若いときからこの世界でやられている方だから、たくさん大変なことを経験されてきたんだろうなって。

徳山 そうだね。若いときは大変なこともたくさんあったな。

武田 だから僕は、ドラマ『スマイル』でメインキャストとしてバシッとやってくれたとき、すごくうれしかったんです。芝居がしっかりできて戦える人が前に行ってくれないと、後輩たちの道がなくなっちゃうから。

徳山 ありがとう。そんなふうに思ってくれていたんだね。俺はね、『BASARA』のときに、武田くんのお腹の強さにビックリしたね。

武田 腹筋ですか?

徳山 いや、腹筋もそうなんだけど、俺はどんな衣装を着ていても、Tシャツをお腹にインしないとお腹壊しちゃうんだよ。冷えちゃって。だからずっとお腹出していてすごいなぁって。

武田 そんなところを見られていたなんて(笑)。『BASARA』は本当にハードスケジュールでしたよね。ドラマの現場はもともとタイトではあるけど、それ以上に。眠すぎて、次の台詞なんだっけっていうことがよくありました。ワイヤーアクションもあったし、よく怪我人がでなかったなって。

徳山 バタバタだったね。現場に入るたびに、みんなのライフゲージが赤く点滅しているのを感じていた。

武田 もう9年前になるんですね。実は、『オレニ撮ラセロ!』のカメラマンをやってくれている大塚秀美さんと徳山さんは『BASARA』からの付き合いなんですよね。

徳山 そうなんだよね。大塚さんとは今もお仕事させてもらっていて、武田くんの連載を撮っているって話をよく聞いていたから、いつゲストに呼んでくれるんだろ~?って(笑)。

武田 やばいやばい(笑)。先輩って、ゲストをお願いしていいのかな?って遠慮しちゃうんですよね。しかも連載のタイトルが『オレニ撮ラセロ!』なので……。だから今回だけは『ボクニ撮ラセテクダサイ!』か『ボクガ撮ラセテイタダキマス!』に変えてもらおうかな。

徳山 いやいや。むしろ、僕が武田くんに撮っていただきますって感じだから。

武田 やめてください! 炎上する!

徳山 しないよ(笑)。そこはもう『オレニ撮ラセロ!』を貫いてください!

徳山秀典は「被写体として絶対に負けない」

武田 今回の撮影は大先輩の徳山さんということもあって、すごく緊張しました。でも、とにかくお顔がキレイなので、すごく素敵な写真が撮れたなと思います。

徳山 そんなに褒めなくていいよ(笑)。

武田 中性的な美しさがあるので、今までにない写真が撮れたかなと。ただ、内面はゴリゴリに男らしい方なので、そのギャップも写真に映っていたらいいな。窓越しの写真は逆光もいい感じに入って、徳山さんのセクシーさが出ている一枚になったかなと思います。

徳山 ありがとうございます。俺はカメラマン以外に本格的に撮られるというのが初めてだった。

武田 違和感はありました?

徳山 違和感というよりも、ちょっと照れくさかったかな。俺はカメラについてはまったくわからないし、自分で撮る分にはスマホのカメラで十分って考えだから、カメラマンの大塚さんにもよく、「カメラって何がおもしろいの? 何が違うの?」って聞いたりしている(笑)。

武田 僕も大塚さんにはいろいろと聞いて勉強させてもらっていますね。僕の師匠なので。

徳山 カメラって機材のひとつひとつが高いし、ハマったら大変そうだよね。でも趣味だったものを仕事にして、本格的にやっているのはすごい。武田くんがもっともっとカメラにのめり込んで、俳優辞めたらどうしよう(笑)。

武田 辞めないですよ!(笑)。

徳山 撮影する前に、どういうふうに撮ろうっていうのは考えたりしているの?

武田 考えるときと、あまり考えすぎないようにするときの両方ですね。徳山さんはすぐにイメージが湧きました。だから窓越しの構図は絶対に撮ろうと思っていたんです。室内は影があったり、物が置いてあったりと乱雑な雰囲気があったけど、逆に公園での撮影はキレイにまとまったから、違いが出てよかったです。

徳山 そうやって見ているんだね。おもしろいな。

武田 僕は徳山さんの表現力には信頼しかないので、きっとどんな場所でも受け止めてバシッと決めてくれるんだろうなと思っていました。他人任せな感じにも聞こえちゃうかもですが、徳山さんに対してはそういう感じでできたかなと。どんなおしゃれなセットでも、どんな背景があったとしても、徳山さんは被写体として絶対に負けない方だと思うんです。僕のお願いに嫌な顔をせずに付き合ってくださって、本当に素敵な先輩です。

プロフィール

徳山秀典

1982年1月30日生まれ、東京都出身。1995年、NHK大河ドラマ『八代将軍吉宗』にて俳優デビュー。ドラマ『ぼくらの勇気 未満都市』、『GTO』など数々の作品に出演し、注目を浴びる。2006年に『仮面ライダーカブト』矢車想/仮面ライダーザビー、仮面ライダーキックホッパー役として出演し、さらに2008年にはスーパー戦隊シリーズ『炎神戦隊ゴーオンジャー』にて須塔大翔/ゴーオンゴールドとして、再び東映特撮作品に出演した。現在もドラマ、映画、舞台と幅広く活動中。2021年6月には舞台『剣が君-残桜の舞-』再演の出演も控えている。

武田航平

1986年1月14日、東京都出身。2001年に芸能界入り、同年に第14回「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」審査員特別賞を受賞した。『仮面ライダーキバ』『仮面ライダービルド』などで人気を博し、現在はドラマ、映画、舞台と幅広く活躍中。2021年はドラマ『24 JAPAN』(テレビ朝日)に出演し、恋愛フェイクドキュメンタリー『フェイクラブ』が動画配信サービス「FOD」にて配信。ドラマ『最高のオバハン 中島ハルコ』(フジテレビ系全国ネット)に出演中。

写真/大塚秀美、ヘアメイク/田中宏昌(allure)、取材・文/榎本麻紀恵、動画BGM/タダオト、撮影機材協力/Nikon(「ニコン Z 5」)

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