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「“先輩”がどう変わるかを観て」中村壱太郎が気合、「夜は短し~」公演スタート

ナタリー

「夜は短し歩けよ乙女」より。

「夜は短し歩けよ乙女」が昨日6月6日に東京・新国立劇場 中劇場で開幕した。それに先がけ、会見と通し稽古が行われた。

「夜は短し歩けよ乙女」は森見登美彦の同名小説をもとに、ヨーロッパ企画の上田誠が脚本・演出を手がける新作舞台。京都の大学で同じクラブの後輩“黒髪の乙女”に恋をした“先輩”が、「なるべく かのじょの 目に留まるようにする作戦」、通称ナカメ作戦を決行し、不思議な人々や出来事に遭遇していく様子を描く。

会見には上田とキャストの中村壱太郎、久保史緒里、竹中直人、鈴木砂羽、玉置玲央、白石隼也、尾上寛之が出席。上田は、「大学生の男の子と女の子の恋を巡る物語が中心にありながら、本筋に関係のない部分でもありとあらゆる物語が起こっているような作品です」と説明し、「キャストの皆さん、それぞれのフィールドから持ち寄った知恵と経験とそれぞれの力を結集して、とても爽涼感のある絵巻物が仕上がったと思います」と自信をのぞかせた。

先輩役に扮し、現代劇の舞台で初めて男性役を演じる壱太郎は、「すべてが冒険になっている」と言い、「出てくるいろいろな人物にもドラマがあって、かつ、さまざまな舞台機構や演出も入っているので、僕ですら気付けていないことがあると思います。一度見ただけではわからないところもあると思うので、二度、三度と観て楽しんでいただきたい」とコメント。黒髪の乙女を演じる乃木坂46の久保は、「壱太郎さんと同じく“冒険”というところからのスタートでした。“黒髪の乙女”という役が天真爛漫で好奇心旺盛で、プラスの感情で向き合っているという部分に、私自身も役の力を借りてこの期間前向きでいられたと思います」と丁寧に話す。

また2人は本作の見どころを「(先輩は)ただ乙女を求めているだけではなくて、周りの人との出会いやいろいろな事件に巻き込まれることで変わって、恋に気付くという流れになっています。3時間弱の長編ですので、その中で“先輩”がどう変わっていくのか観ていただけると嬉しいです」(壱太郎)、「乙女が前に前に歩いていくことによって、いろいろなご縁をつないでいって、結果それが一つの輪になるというのがこの作品の軸になっています。また今回、衣装の数が多く、こだわりを持っていて素敵なものばかりなので、その部分もとても楽しんでいただけるのではと思います」(久保)と、それぞれに述べた。

東京公演は22日まで行われたあと、26・27日に大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールでも上演される。登壇者のコメントは以下の通り。

中村壱太郎コメント

現代劇で男性役として舞台に立つのが初めてで、すべてが冒険になっております。凝り固まった回りくどい“先輩”という役なのですが、黒髪の乙女に恋をして、乙女を求めてひたすら走る姿を見ていただければと思います。

本作は“黒髪の乙女”が歩いていくのを“先輩”が追っていくというストーリーですが、出てくるいろいろな人物にもドラマがあって、かつ、さまざまな舞台機構や演出も入っているので、僕ですら気付けていないことがあると思います。一度見ただけではわからないところもあると思うので、二度、三度と観て楽しんでいただきたいです。

久保史緒里コメント

グループのメンバーがいない環境での舞台は初めてで、壱太郎さんと同じく“冒険”というところからのスタートでした。稽古を通して、“黒髪の乙女”という役が天真爛漫で好奇心旺盛で、プラスの感情で向き合っているという部分に、私自身も役の力を借りてこの期間前向きでいられたと思います。来てくださる方にとって、楽しいと思ってもらえるような時間にできたらいいなと思っております。

竹中直人コメント

僕もずっと昔は若かったんですが(笑)、気付けば周りの皆さんが本当に若くてキラキラしていて、稽古場で追いついていくのが大変でした。老体にムチ打ちながら現場で稽古させていただきました。楽しい舞台になっているといいなと願っております。

鈴木砂羽コメント

この役は“鯨飲”といって鯨のようにがぶがぶお酒を飲む役ですが、まあ私は“イルカ”くらいなのですが(笑)。鯨のように劇中ではお酒を飲まさせていただいてます。お酒だけでなく、お酒にまつわる夜の世界観というのが私の役のとても重要な部分で、ちゃんと物語を引っ張っていきたいなと思いながら稽古していました。こういう時期ですが、楽しいな、幸せだなと思ってみていただければ幸いです。

玉置玲央コメント

このご時世に劇場に足を運んでいただける方がいるというのは、すごく幸せなことだと思っています。皆さんが満足していただくために、精一杯この役を努めていたければいいなと思います。みんなで最後まで無事に完走できるよう頑張って参ります。

白石隼也コメント

この舞台は壮大で濃密で、とてもスケールの大きい舞台です。それゆえに稽古はとても大変でした。このご時世にお芝居をやれることに感謝しておりますし、見てくれる方が笑顔で前向きになってくれるよう頑張りたいと思います。

尾上寛之コメント

袖から舞台を見ていると、笑顔になったり、キュンキュンしたり、2人の話がすすんでいくにつれて涙が出そうになったり……と、いつも心に栄養をもらっています。僕らは舞台に立ってお芝居ができてお客様に届けることが栄養になっていますし、見に来てくださる方も心の栄養をもらいに来ることは不要不急じゃないと思うのでぜひ、劇場に足を運んでもらいたいです。

上田誠コメント

この劇は、もともと森見登美彦さんの原作が、すごく想像力たくましく書かれた作品で、大学生の男の子と女の子の恋を巡る物語が中心にありながら、本筋に関係のない部分でもありとあらゆる物語が起こっているような作品です。登場人物も多く事件もたくさん起こりそのまま演劇にすると大変なのですが、我々は総勢21人のキャストとスタッフでできる限り原作の豊饒さをそのままに劇にしました。個性あふれるキャラクター達、ダンスやラップや歌の音楽、シーンもものすごい数があり、稽古は大変でしたが、キャストの皆さん、それぞれのフィールドから持ち寄った知恵と経験とそれぞれの力を結集して、とても爽涼感のある絵巻物が仕上がったと思います。

「夜は短し歩けよ乙女」

2021年6月6日(日)~22日(火)
東京都 新国立劇場 中劇場

2021年6月26日(土)・27日(日)
大阪府 COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール

原作:森見登美彦「夜は短し歩けよ乙女」(角川文庫)
脚本・演出:上田誠

キャスト

先輩:中村壱太郎
黒髪の乙女:久保史緒里(乃木坂46)

パンツ総番長:玉置玲央
学園祭事務局長:白石隼也
古本市の少年:藤谷理子
和服の女性:早織

樋口:石田剛太
東堂:土佐和成
千歳屋主人:酒井善史
内田医師:角田貴志
学園祭MC:池浦さだ夢
司書:金丸慎太郎
奈緒子:日下七海
赤川:納谷真大

羽貫:鈴木砂羽

高坂:尾上寛之
紀子:藤松祥子
京福電鉄研究会学生:中村光
蛾眉書房主人:山口森広
乙女の姉:町田マリー

李白:竹中直人

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