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テミン、ジョンヒョン、キー、オンユ……SHINee、それぞれの個性溢れるソロ活動

リアルサウンド

19/1/2(水) 10:00

 2018年にデビュー10周年を迎えたSHINee。デビューした時はメンバー全員10代という若さだった。そんな彼らもいつの間にか成熟した男性へと成長し、グループ活動以外にソロ活動も活発になってきた。特に今年は、先にソロとして活躍してきたテミン、ジョンヒョンに続き、キー、オンユもソロデビューを果たした。

 今回のコラムでは、SHINeeのそれぞれのソロ活動についてまとめて考察してみたいと思う。

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■様々な経験を経て生まれたテミンの色

 SHINeeのメンバーの中で最初にソロデビューをしたのは、末っ子のテミンだった。何度かリアルサウンドのコラムでも彼のソロ活動については触れているが、韓国でソロデビューをしてから4年というキャリアになる。

 ミニアルバム『ACE』でデビューをしたテミンは、SHINeeの可愛らしいテミンとは全く違う姿でファンを魅了した。「Danger」ではプラチナブロンドに目の周りを黒く塗ったゴシックメイク。ファンからは“Dangerオッパ(兄さん)”と呼ばれ、少年っぽさを残しながらもセクシーなテミンを表現した。

 その後もコンスタンスに韓国でのソロ活動を行い、2016年に『さよならひとり』で日本デビューも果たしたテミンは、今年は日本で初のフルアルバム『TAEMIN』をリリースする。まさに名前の通り、このアルバムには「Danger」から最新曲「Under My Skin」まで今までのテミンがソロ活動がぎゅっと詰まったアルバムに仕上がっている。

 2カ月に及ぶ日本でのホールツアーとアリーナツアーを終えたテミンは、すっかり少年から大人になった。SHINeeやソロ活動で様々な経験を積み、得意とするダンスだけでなく、歌手としての表現力もつけ、ライブの中ではエンターテイナーとしてのテミンを身につけた。その中で彼は自らの個性をしっかり確立させたのではないだろうか。

■多彩な音楽的表現力を持つジョンヒョン
 テミンの後にソロデビューをしたのは、ジョンヒョンだ。ソロ活動をする前から、作詞作曲を行ってきた彼は『BASE』でソロデビューを果たす。タイトル曲「CRAZY」はジョンヒョンの表現力を堪能できるロックチューンだ。

 ジョンヒョンの音楽の世界は幅広い。「CRAZY」のような激しいサウンドを聞かせたかと思えば、「She Is」のようなポップでキャッチーな世界も見せてくれる。そして「End of a Day」では、私たちに寄りそうように優しい声で語りかけ包み込んでくれるのだ。

 「End of a Day」は、ジョンヒョンが担当していたラジオ番組のコーナーの中でファンの投稿から生まれた曲だ。“お疲れ様でした。本当に大変でしたね。あなたは私の誇りです”と最後にリスナーに語りかけるように終わるこの曲は、ジョンヒョンが持つ包み込むような温かさや優しさを音楽を通して感じられる。聞くとほっとする癒しの1曲だ。

 今年頭にリリースされた遺作『Poet | Artist』は2018年の米ビルボード「今年のベストK-POPアルバム20」で2位に選ばれた。タイトル通り明るく輝くような「Shinin」から始まり、最後のバラード曲「僕たちは春が来る前に」まで彼の多彩な音楽的才能と作家としての表現力を11曲を通して感じることができる。“Poet | Artist”は彼がなりたかった姿だというが、まさに彼のためにある言葉なのかもしれない。

■自分の個性を音楽以外にも生かしたキー
 2018年には、キーがフルアルバム『FACE』でソロデビューを果たした。SHINeeのメンバーの中でもひときわ個性的な彼が歌手としてどんな世界を作り上げてくれるのか? という期待通り、感度の高い彼らしく今のトレンドを追ったサウンドに仕上げてきた。そして、今回もキーのファッションは注目を浴びた。

 全体的にはポップでダンサブルで心地よく聴けるサウンドだが、彼の個性を活かしながらも、一番SHINeeに近い音楽性だとも感じた。以前日本のコンサートで披露した「Born To Shine」のようにEDMサウンドを予想していたので、少し意外でもあった。

 そして、今話題のアーティストたちと共演していることから、キーの人脈の広さを感じさせる。タイトル曲「Forever Yours」では元SISTARのソユがフューチャリングされている。他にもCrushやVINXENと言う今年の韓国音楽界を賑わせたアーティストたちが参加した。

 12月26日にはミニアルバム『Hologram』でも日本デビューを果たし、オリコンデイリーアルバムランキングでも初登場1位を獲得した。このアルバムではジャケットのイラストを人気イラストレーターのchocomooが手がけ、楽曲ではL’Arc-en-CielのTETSUYAや、CoCoが参加している。また『KEY LAND』と題された日本でのソロライブイベントでは、ファッションショーやトークを交えた新たな形のショースタイルを展開。しっかり“KEY色”を出している。キーだからこそ生まれる世界観に今後も期待したい。

■ファン待望のオンユのソロデビュー
 そして、ファンの誰もが待っていたであろう、SHINeeのもう一人のボーカリスト、オンユが12月5日にソロデビューを果たした。彼が用意したミニアルバムのタイトルは『VOICE』。唯一無二の声を持つと言われるオンユにはぴったりのタイトルだろう。

 アルバムは、オールドポップジャズ風のR&B曲「BLUE」から始まる。曲の歌詞に現れる〈青い夜(푸른 밤)〉は、ジョンヒョンのラジオ番組のタイトルだった。この歌詞に意味があるのかはわからないが、もの悲しいメロディに宿ったオンユの声は、まるで心の叫びのようにも聞こえる。もう一つのオンユの姿を垣間見た気がした。

 1曲目以降は打って変わり明るく優しい雰囲気の曲が並ぶ。全体的にゆったりした気持ちで聴ける曲で構成され、オンユは語りかける様に歌う。彼の歌声を堪能でき、聴いているだけで彼の温かい笑顔が思い浮かぶようなサウンドだ。

 オンユという名前にかけた「온유하게 해요 (Shine On You)」は、曲名通り“穏やか”な声が溢れた作品だ。この曲はオンユ自身が作詞を手がけたという。アルバムは入隊直前(オンユの入隊は12月10日)にリリースされ、オンユ曰く“ファンのへの贈り物”だという。まさしく、ファンの寂しい心を癒す、彼らしい温かいアルバムに仕上がっている。

■全員が全く違う色を持つSHINeeのメンバーソロ
 ここまで彼らのソロ作品のタイトルを見て気づいたことがあるだろう。『ACE』、『BASE』、『FACE』、『VOICE』と、すべて最後に「E」がついているのだ。テミンから始まったSHINeeのソロプロジェクトは、彼らの絆を見せながら展開しているのだ。最後のミンホが今後どんなソロの形を見せてくれるのか、密かに期待したい。

 全く違う色を示してくれたSHINeeの各メンバーのソロ。それぞれが自分たちが表現したい“世界”を持っているからこそだろう。その個性が重なり合った時に“SHINee”というシナジーを作り出し、さらなる明るい光を放つのかもしれない。オンユが入隊し、SHINeeとしての活動は一旦休止に入ったが、彼らがまたSHINeeに戻った時、どんな光を見せてくれるのかが楽しみだ。(西門香央里)

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