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SCREEN modeが見据える音楽の可能性とは?「流行とは対極のむき出し感で人の心に残りたい」

リアルサウンド

14/10/8(水) 19:00

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 売れっ子作曲家/プロデューサーという肩書きを有しながらも、かつてバンドで夢を追いかけていた思いをあたためて続けていた男と、声優として長いキャリアを持ちつつ、“歌いたい”という熱い思いを隠しきれなかった男。ふたりの想いが重なって生まれたSCREEN modeの音楽は、いいメロディ、いい歌詞、いいサウンドにひたすらこだわったストレートなものだからこそ、力強く響く。ファースト・ミニアルバム『NATURAL HIGH DREAMER』にこめた“夢の熱量”は、きっと多くの人の心を動かすはずだ。

「知らないジャンルでもとりあえず聴いて、その音楽の良さを自分なりに分析した」(雅友)

--SCREEN modeはたぶん“新人アーティスト”というくくりになると思うんですけども。知る人ぞ知る、それぞれ芸歴は長いですよね。

勇-YOU-:僕は5歳から子役と声優をやってるんで、芸歴26年です。昔から歌うことは好きで、専門学校で音楽を専攻していたこともあったし、ずっと趣味で音楽をやってたんですけど。たくさんの人の前で歌いたいという夢があったので、それが叶って良かったなとすごく思います。

雅友:僕は東京に出てきてから十何年、作曲やプロデュースをやってきて。自分が手掛けたアーティストがさいたまスーパーアリーナでライブをやったりとか、そういうところは見てきたんですけど、自分でやるとなると、意外と戸惑うことが多いですね(笑)。でも十代の頃は、僕もバンドで頑張っていたので。夢がかなったという感じです。

--いいですね。ふたりの夢がかなったバンド。

勇-YOU-:その通りでございます!

--勇さんは、ブラックミュージックがルーツだという話を聞いたんですけれども。

勇-YOU-:18、19歳の頃にR&Bが好きになって、スティーヴィー・ワンダー、日本だと久保田利伸、そういうアーティストの楽曲を聴いてました。同じ専門学校の一個上の人とユニットを組んで、夜中のクラブで歌っていた時期もありましたね。ただ小さい頃から歌は好きで、サザンオールスターズ、Mr.Childrenとかを聴いていたので、ブラックミュージックをルーツと言ったら大袈裟かもしれない。でもずっと好きですよ。今でも聴いてますし。

--雅友さんのルーツは?

雅友:僕はいろんなものが好きで、それこそスティーヴィー・ワンダーも好きですし、メタルのバンドもやってました。最初の入口はギターなんですけど、メタル系のギタリストでも、ジャズのミュージシャンを好きな人って多いんですよ。

勇-YOU-:へええ~。

雅友:サックスのフレーズをギターで練習してるとか、トランペットのフレーズをコピーしたとか、けっこういるんです。それで高校や大学の時にジャズやフュージョンも聴くようになって、ジャズやフュージョンは音楽的にいろんなところから来てるから、そうやってどんどん広がっていったということはありましたね。あと、僕はビートルズの良さがわからなかったんですよ、中学生ぐらいの頃は。のんびりした音楽だなと思ってたんですけど、ウォークマンでずっと聴いてるとだんだん良く思えてきて、今では大好きなんですよ。それが原体験になってるんですよね。だから作曲家になろうとしていた時期に、たとえば“ヒップホップ風のものを”というお題があった時に、知らないジャンルでもとりあえず聴いて、その音楽の良さを自分なりに分析したりとか。それが癖になってるんですよ。

--なるほど。

雅友:人って、自分の中にものさしがないものが来た時に、いいか悪いかの判断ができずに“よくわからない”で終わってしまうことがたぶんあると思うんですよ。そこを乗り越えようとする癖がついてるのかもしれない。

--勇さんは、声優のお仕事と、歌を歌うことは、分けて考えてます?

勇-YOU-:そうですね。声のお仕事は演じるというフィルターがあるんですけど、歌にはフィルターがないですから。声優の仕事とは全然違いますね。でもひとつ共通してるのは、声優でつちかった表現は歌に反映できてるかな?と思うので、まったく別ものではないです。ただ、僕が18、19歳でR&Bを聴き始めた頃は、フェイクとかやりまくって“歌がうまい俺はカッコいい”みたいな、そういうミーハーなところから入ったような気はするんですよ。それから10年以上たって思うのは、やっぱり歌詞の大切さだとか、音楽を見る観点が変わってきたと思いますね。メロディと歌詞は50%ずつだから、どっちもこだわっていきたいという話を雅友さんともよくするんですけど、音楽的な見方がすごく変わってきて、今ここでSCREEN modeをやらせていただくことによって、自分の言いたいことだけではなく、いろんな人の意見を聞きながらベストを尽くすことも憶えたし、すごく新しい経験になってます。いろんなことを考えながら音楽を深めていくという意識は、昔よりもすごく強くなったなと思います。

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「いい意味で一貫性がないというか、いろんな可能性を秘めてる」(勇-YOU-)

--そして、いよいよ完成した1stミニアルバム『NATURAL HIGH DREAMER』。シングルの「月光STORY」や「LΦVEST」とかを聴いて、明るいポップス系のユニットかなと思ったリスナーは、ハードな曲もあるし、バラードもあるし、いい意味で驚くんじゃないかなと。どんなコンセプトがあったんですか。

雅友:僕が今までいろいろやってきた中で、ひとつ感じるのは、1枚目のアルバムがその人のキャリアの中でずっと踏み絵のように残るんですよ。良くも悪くも、足を引っ張るものなんです。

勇-YOU-:ひえ~(笑)。

雅友:たとえば3年後ぐらいにSCREEN modeを知った人がまず聴くのは、1枚目のアルバムだから。いつまでも残っていくんですよ、お客さんにとっても、アーティストにとっても。その上で大切にしたことは、ライブに行ったら楽しいぞという、盛り上がれるものもあるし、泣けるものもあるし、そういうふうにしたかったんですよ。今の時代、CDはネットで聴けるけど、ライブの体験はコピーはできないじゃないですか。

勇-YOU-:確かに。

雅友:体験はダウンロードできない。なので、ライブを楽しいものにしていきたいということが前提にある中で、この先ずっと引っ張られるファーストアルバムをどのようにするのかは、けっこう大きな問題でしたね。シングルの流れに沿って、ポップでカラフルなもので行くという基本路線はあるんですけど、あえて「Crystal Kiss」みたいなしっとりとしたバラードであったり、「MEMENTO」みたいなエモい感じの曲も入っていたりとか、意図的にばらけさせることによって、この先の多様性を妨げない形にしようと。

勇-YOU-:僕も同じ気持ちですよ。いい意味で一貫性がないというか、いろんな可能性を秘めてるよということで、SCREEN modeの原点を知ってほしいということかなと思いますね。多彩な楽曲があるし、似たような曲がないから、それがファースト・ミニアルバムの魅力なのかなと思います。

--キャッチーなメロディだとよく言われると思うんですけど、雅友さんが一番こだわるのはやっぱりメロディですか。

雅友:そうですね。

勇-YOU-:ライフワーク。

雅友:この10年20年で日本の音楽が失ったのは、メロディだと感じるんですね。今の音楽は複雑なものが多いかなと感じるので。

--なんでなんでしょうね? 僕もそう感じることはありますけれども。

雅友:カラオケに行くと履歴が見られるじゃないですか? あれを見てると、90年代から2000年代初頭にかけての曲がすごく多いんですよ。いまだにその頃の曲が多くの日本人の心に残っていて、カラオケに行って何か歌おうと思うとそこを選ぶわけじゃないですか。僕はそこに一度、音楽自体を戻したいという気持ちがあるんで。

勇-YOU-:すばらしい。

雅友:そういう意味でも、メロディは大切にしたいなと思ってます。ただサウンド感まで昔っぽくしてしまうと、ただの古くさい感じになってしまうので、今っぽい音作りをしつつ、ちゃんと口ずさめる曲であったり、みんなで一緒に歌える曲であったり、そういうふうにしたいなという気持ちはあります。

勇-YOU-:“あなたが選ぶ100曲”みたいな企画を見ても、昔の曲が多いじゃないですか。今の歌は消費されるというか、心に刻まれない曲が多いというか。10年後に聴いて“ああ懐かしいな”と思う曲が少なくなってるのかなと思いますね。まあ、まだ31だからそう思うのかもしれないけど。

雅友:SCREEN modeは、勇の歌が、むきだしでも説得力があるものなので。変に装飾せずに、いいメロディといい歌詞、いいアレンジがあれば伝わると思ってるんですよ。

勇-YOU-:シンプルなところで。

雅友:うん。そこはストレートに行きたいと思います。

「ちょっとぐらいズレててもカッコよければOK」(雅友)

--以前あるインタビューで、勇さんの声は感情表現が細かくて、情報量が多くて、“ピッチ修正のソフトに入れると消えちゃう”と言ってましたよね。

雅友:ああ、はい。

--それがすごく面白いなあと思ったんですけど。具体的にどんな感じなんですか。

雅友:たとえば、あるメロディを歌って、その声がせつなさを表現しているように感じられるとしますよね。それをピッチ修正のソフトに読み込ませると、読み込ませただけでその雰囲気が消えるんですよ。

勇-YOU-:機械を一回通しちゃうと、血の通った感がなくなるという感じですか。

雅友:そうそう。人間って、ほんのちょっと声色の変化や強弱で何かを感じると思うんですよ。この人はちょっと怒ってるかなとか、今日は機嫌がいいなとか。勇は歌の中にそういう情報量があって、それが機械を通すと消えるんだと思うんですよ。僕はいろんなアーティストをやってきた中で、これだけ消える人は珍しいので。たぶん、まだ機械が対応してないと思うんですよ。林勇に。

勇-YOU-:僕、何かすごいじゃないですか(笑)。

--キャッチーなフレーズ出ましたね。“まだ機械が勇に対応してない”(笑)。

雅友:まだできてないんですよ。テクノロジーがもっと進まないと(笑)。

--そのへん自覚してます? 勇さん。

勇-YOU-:してないです。でもある意味、毎回ハードルが高いので、できるだけ修正しないという気持ちはあります。一番思っているのは、CDに残るようにきれいに歌おうということじゃなくて、CDに残るからこそ臨場感を伝えたいし、ライブと同じような感じで歌うのがきっといいと思うので。そういう気持ちを出しながらピッチを良くしていく、それはすごく大変で、毎回試行錯誤しながらやってます。

雅友:整えられすぎているものが、今の世の中にあふれすぎているように感じるんですよ。昔僕が好きだったバービーボーイズ、岡村靖幸さんとかは、ピッチとか楽譜では表現できない良さがあって、“そこがいい”というのが歌だと思うんですよ。ボーカロイドみたいな機械の声が世の中にあふれる中で、SCREEN modeは人力感を出していきたいので、ちょっとぐらいズレてても感情表現を優先するというふうに、あえてしたいなと思ってます。

--なるほど。

雅友:演奏家にそれだけの力があれば、音程とかはあんまり関係ないんですよ。聴いてカッコよければそれでいいんで。

勇-YOU-:そのほうがカッコいいと思う。

雅友:SCREEN modeはそういう方針でやってます。なおかつバックの演奏もほとんど生なんですよ。それも、ちょっとぐらいズレててもカッコよければOKなので、全体的にむき出し感があると思うんです。そういうところで、聴いてくれる人の心に残ったらいいなと思います。流行ってるものとは対極のむき出し感を。完成したミニアルバムをランティスのプロデューサーに聴いてもらったら、“おまえらのミニアルバムはフルチンだな”って言われて、言いえて妙だなと(笑)。

勇-YOU-:よくそんな表現思いつくなあ(笑)。

雅友:やっぱりわかってるなと思った。むき出しの、隠してない感じが。ここ使えないかな(笑)。

--使います(笑)。そのむき出し感、伝えたいですね。

勇-YOU-:そうですね。これを通していろんな人に知ってもらって、 SCREEN modeの楽曲がいいなと思ったらぜひ生で体験しに来てほしいです。近い将来、ツアーをやりたいですね。もっといろんな人に知ってもらって、全国を回れるようになって、各地に歌声を届けたいです。

(取材・文=宮本英夫)

■リリース情報
『NATURAL HIGH DREAMER』
発売:2014年10月8日
価格:¥2,500(CD+DVD)
〈収録曲〉
【CD】
1.~Introduction~
2.ROCKET SOUL
3.STAR PARK 
4.~Interlude~
5.Crystal Kiss
6.MEMENTO
7.Hello HALO

【DVD】
1.STAR PARK Music Video
2.LφVEST Music Video

※TVアニメ『LOVE STAGE!!』OP主題歌「LφVEST」のMusic Video Full Size Ver.と、「NATURAL HIGH DREAMER」表題曲「STAR PARK」MVを収録したDVD付き。

■ライブ情報
『SCREEN mode 1stワンマンライブ』
11月3日(月・祝) 渋谷CLUB CRAWL

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