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日向坂46、念願の“おひさま”との対面! ひらがなけやき時代の衣装も纏ったデビュー2周年記念ライブ

リアルサウンド

21/3/28(日) 17:00

 2019年2月にけやき坂46から改名し、同年3月27日にシングル『キュン』でデビューした日向坂46。あれからちょうど2年となった27日、『デビュー2周年記念 Special 2days ~MEMORIAL LIVE:2回目のひな誕祭~』を開催。同公演は、日向坂46のファン「おひさま」とのコミュニケーションを意識したもので、抽選による700人の来場者ほか、配信でも楽しめる内容に。メンバーは、1年ぶりとなる有観客ライブに目を潤ませるなど喜びを噛み締めながらステージで躍動した。

1年ぶり有観客ライブ「ドレミでみんな泣いていた」

 開演時刻の18時30分。会場内にヘビーなエンジン音が轟く。ステージに向かって来るのは、アメリカンスクールバスだ。胸に「H」、袖に「46」のワッペンが付いたスタジャンを着たメンバーは、バスの中から颯爽と登場。映画や舞台でおなじみの『ウエスト・サイド物語』を彷彿とさせる世界観。さらに四方八方から炎が吹き上がるド派手なステージ演出のなか、蹴り上げる動きをはじめとする豪快なダンスをみせた。

 1曲目「アザトカワイイ」のイントロが鳴り響く。歌詞通りの小首をかしげる可愛らしい動作が特徴的な同曲。ピョンと跳ね上がってピースをする佐々木美玲がとにかくキュートだった。続いては、体調不良で欠場の富田鈴花のラップをサンプリングしたトラックにのせて、メンバーが勢いよくダンス。「今日で2歳の日向坂46 生まれたての心 育ててくれた全ての人たちに感謝」など、おひさまたちへのお礼をこめたリリックが流れた。

 人気曲「ドレミソラシド」では、オンラインで鑑賞するファンの姿がステージ上に映し出された。ペンライト、推しメンのタオルやうちわを手に応援するおひさまたち。同曲の〈こんなに好きになるとは思っていなかった〉の歌詞は、メンバー、おひさまがお互いに捧げあっているように聴こえた。

 最初のMCでは、キャプテンの佐々木久美が「ついにおひさまがライブ会場に来てくれました」と手を叩き、早くも目頭をおさえるメンバーの姿も。佐々木久美が「ちょっと、感動しますね」と声を震わせると、まわりのメンバーも「「ドレミ」の歌でみんな泣いているのが聞こえてきた」と涙を拭う。高本彩花も「おひさまをいざ目の前にしたら涙が止まらなくて、ずっとこの日を求めていたんだと感じました」と会場を見渡した。一方で松田好花は「「ドレミ」のファのところでファーって泣けてきた!」と笑わせた。

「初心を思い出すために」けやき坂46時代の衣装で登場

 3期生の高橋未来虹、森本茉莉、山口陽世は2020年2月16日に加入するも、その後に新型コロナの感染が広がったこともあって有観客はこの日が初。高橋未来虹は「緊張と嬉しさがあります。おひさまのみなさまが(会場に)いるのが想像できなかった。ステージに上がったとき、ペンライトが広がっているところがすごくきれいで感動しました」と感激の表情を浮かべた。

 3期生から「2周年ということで懐かしい名曲にも注目してください」との紹介を受けてスタートしたのが、“がな恋”こと「ひらがなで恋したい」だ。けやき坂46時代のルーツ的なこの楽曲。〈ふりがなをふらなきゃ わかってもらえない〉。彼女たちの道のりをあらわした、2周年にふさわしいストーリー性を感じさせる一曲だ。また衣装も、けやき坂46の1stアルバム『走り出す瞬間』のツアーのときのもの。「初心を思い出すために」とかつての衣装に袖を通したという。

 「僕たちは付き合っている」ではメリーゴーラウンド、観覧車、玉乗りペンギンなどのアニメーションが画面いっぱいに広がる。配信で鑑賞するおひさまには嬉しい、賑やかな映像演出だ。7曲目「君に話しておきたいこと」では、ライブ序盤で全体的に感極まっていた雰囲気が良い意味でクールに変貌。凛々しいパフォーマンスが堪能できた。2度目のMCコーナーでは高瀬愛奈が「この2周年の日をみなさんと一緒にお祝いできていることが嬉しいです」と頭をさげれば、加藤史帆も「大好きぃ!」と独特のイントネーションで喜んだ。

 9曲目「永遠の白線」では3年目に向けた新しいスタートを印象付けた。ちなみに同曲は演奏途中、指文字を描く場面がある。そのパートではこれまで「ひらがな」と書いていたが、「おひさま」へと変更。ただ描くときは鏡文字にしなければならず、佐々木美玲は「それが難しくて、実は“おひさま”を“おひちま”って書いちゃった。何度も練習したけどなかなか反対が描けない」と苦笑い。それでも「変更した「白線」を披露できて嬉しい」と思い入れを口にした。

おひさまの声「これからも日向坂46を照らし続けます」

 後半戦は、桜、鳥居の特別セットが組まれた「キツネ」、メンバーが髪を振り乱しながら熱いパフォーマンスを繰り広げる「My Fans」、佐々木美玲を中心に演劇的要素が味わえる「期待していない自分」、「ひ」の人文字を映しだすなどカメラワークも冴え渡った「NO WAR in the future 2020」でたたみかけた。

 終盤「おひさま全員とはまだまだ会えないけど、この曲を聴いて元気をだしてほしい」と佐々木久美の呼びかけて歌われたのが、「青春の馬」だ。大変な状況でも足を止めるとそこで終わってしまう、そんなメッセージが込められたこの曲。〈どんなに辛い坂道さえ全力で走ってく〉。この苦しい時代、「青春の馬」に救われたおひさまも少なくないはず。

 本編ラスト「JOYFUL LOVE」は、「今は遠くから照らすことしかできないけれど、これからもおひさまは日向坂46を照らし続けます」など、おひさまたちが寄せた温かいメッセージに囲まれながら歌唱。佐々木久美は「私たちはなんて幸せ者なんだろう。また3年目も4年目も5年目も、10年目も50年目も100年も『ひな誕祭』ができますように」と願った。

 メンバーがステージから去ると、過去の公演で起きたアンコールの映像が流れた。「心のアンコールにお応えさせていただきます」のテロップのあとメンバーが再登場し、満を辞してデビュー曲「キュン」を歌い上げた。そのあと映像にて、4月28日スタートの深夜ドラマ『声春っ!』(日本テレビ系)で日向坂46が主演をつとめることを発表。さらに1年3カ月ぶりとなるシングル『君しか勝たん』を5月26日に発売することもアナウンスされた。

 佐々木久美は「今までは当たり前のようにおひさまに会っていたけど、離れてみて、おひさまが心の支えになっていることに気づいた。2021年はちょっとずつ、毎週のように会える生活を取り戻していきたい。2020年はおひさまからレターとかいろいろパワーをもらったので、恩返ししていきます。12月には東京ドームも控えています。開催できることを祈ってみなさん歌ってくれますか?」と呼びかけ、「約束の卵2020」を披露。全18曲を歌い終えたメンバーは「きっともうすぐ会える」と手を振り、2周年記念ライブは幕を閉じた。

■田辺ユウキ
大阪を拠点に、情報誌&サイト編集者を経て2010年にライターとして独立。映画・映像評論を中心にテレビ、アイドル、書籍、スポーツなど地上から地下まで広く考察。バンタン大阪校の映像論講師も担当。Twitter(@tanabe_yuuki)

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