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大倉忠義、『知ってるワイフ』でダメ夫を好演 広瀬アリスの地雷を踏みまくっては爆発させる

リアルサウンド

21/1/8(金) 6:00

 もう一度、過去をやり直すことができたなら……。そんな“もしも”を描いた作品『知ってるワイフ』(フジテレビ系)が1月7日に放送を開始した。本作は、「結婚生活はこんなはずではなかった」という思いを抱える恐妻家の主人公が、過去にタイムスリップすることで少しずつ現在を変えていこうとする物語。関ジャニ∞の大倉忠義が甲斐性のない夫・剣崎元春をリアルに演じ、そんな元春を叱咤激励する妻の澪役を広瀬アリスが務める。

 ラブラブな恋愛期間を経て幸せな家庭を作り、かわいい子供に恵まれる。そこに待ち受けているのは家事や育児の分担、親の介護などの問題だ。大なり小なりどの家族にもふりかかることではあるが、夫婦の協力体制や思いやりなしに乗り越えるのは大変だろう。だが元春は夫や父親としての責任感に欠けるばかりか、妻の悩みを聞こうともしない。夜は自分ひとりで趣味のゲームに興じ、挙げ句の果てには大学時代の後輩の沙也佳(瀧本美織)と食事に行って「この人と結婚していたら」などとタラレバで過去を悔やむ始末。こんな元春の姿には、演じる大倉自身も「僕が演じた元春はいい具合に腹が立ちます(笑)」と語るほど(参考:大倉忠義、広瀬アリスの罵倒に「M心がうずく」 『知ってるワイフ』ケンカシーンを回顧)。

 本作での大倉は見事なまでに元春としての情けない姿を演じきると共に、妻に“不快感”を与えている夫の姿を熱演した。銀行員の仕事でミスをすれば困ったような表情を浮かべ、嫌なことがあると友人に愚痴る。愛するゲーム機が壊れてしまい途方に暮れる姿も、なんとも哀れである。そして、妻の地雷を踏みまくっては爆発させることを繰り返すのだ。大倉といえばこれまでに数多くのドラマや映画に出演を果たしているが、『モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―』(フジテレビ系)での南条役や映画『窮鼠はチーズの夢を見る』(2020年)の恭一役での活躍が印象的だ。その繊細な芝居と、表情の変化からは人の心の機微が手にとるように伝わってくる。こうした表現力により、元春が澪に与えるダメージだけでなく、澪が元春に与えているダメージもろとも実にリアルに視聴者に伝えているのだ。

 さらに本作で脇を固めるのは、『#リモラブ ~普通の恋は邪道~』(日本テレビ系)に出演していた松下洸平と川栄李奈。松下が演じるのは銀行の同僚の津山千晴、元春のよき理解者であり愚痴を聞いてやる仲だ。元春とハイタッチをしたり、身を寄せてゲームの話をする姿は、ピリッとした剣崎夫婦の空気感を和らげドラマに優しい風を吹き込む。そして川栄は元春の妹・なぎさを演じる。過去に戻ったシーンでは元春の部屋でぐいぐい場をリードするトークでシーンを盛り上げた。

 澪が結婚式での2人の写真を見て「なんでこうなっちゃったんだろうね……」と語りかけるように呟き号泣している頃に、元春は「現在」を変えるべく車を走らせる。あまりに辛辣なすれ違いが続いた第1話だが、周りのアシストなどで2人に少しでも笑顔が戻ることを願わずにはいられない。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

■放送情報
木曜劇場『知ってるワイフ』
フジテレビ系にて、毎週木曜22:00~22:54放送 
出演:大倉忠義、広瀬アリス、松下洸平、川栄李奈、森田甘路、末澤誠也(Aぇ!group/ジャニーズJr.)、佐野ひなこ、安藤ニコ、マギー、猫背椿、おかやまはじめ、瀧本美織、生瀬勝久、片平なぎさ
脚本:橋部敦子
編成企画:狩野雄太
プロデュース:貸川聡子
演出:土方政人、山内大典、木村真人
音楽:河野伸
制作:フジテレビ
制作著作:共同テレビ
(c)フジテレビ

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