Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

稲葉友の「話はかわるけど」

あるある×虚構×共感【前編】

毎週連載

第115回

「これってあるある」「ありがちだよね!」なんて会話、誰しも一度はしたことあるはず。でも本当にあったことだけが、あるあるなのでしょうか? 稲葉さんが問いかけます。

日常の中の「あるある」、これがなんともシンプルで奥深くて大衆的で面白い。そんなあるあるで笑った後に「このあるある、自分はどこで見たんだろうか」とふと思った。実際に見たことがないあるあるは結構あるし、それは果たしてあるあるなのかと疑問に思う。しかし「あるある〜」と共感できたり笑えてしまう。それは一般常識に近いのかもしれないし、いわゆるベタなネタというだけなのかもしれない。となるとそのベタの起源はどこにあって、最初に言いだしたのは誰なのだろうか。

あるあるにも種類がある。学校あるある、会社あるある、芸能界あるある、地元のあるある、体験したことがないあるあるの方が多いはずなのにいつからあるあるはこんなにも浸透して「あるある〜」と思えるようになったのか。あるあるのゲシュタルト崩壊を起こしかけている。あるあるとは、虚構なのか、現実なのか。

あるあるは多数派に支持されてみんながわかる共感度の高いものというのが、シンプルなルールだと思っている。お笑いにおけるあるあるの場合はその条件を満たしながらもややニッチでありエッジが効いている。感想としては「わかる!けど!」という「けど」が入ったりする。「いや、ないない!」のタイプのお笑いもあるが、それは一握りで基本は「あるある」なのだ。だからこそみんなあるあると言われるものは認識しているはずだが、実際に体験しているものは少ないように思える。あるあるとはどこにあるんだろうか。

あるあるというパッケージを知っていると、楽しめるし汎用性は高い。大喜利じゃなくとも日常会話で盛り上がる。あるあるトークをコミュニケーションの中で活用出来ると便利だったりする。初対面でも同郷だと話が弾みやすいのは、共通項、つまりはあるあるを多く共有出来るからだ。

自分の経験の中から生み出されたあるあるは汎用性も高く信頼度が高い。あるあると捉えるとポップだけど、傾向と対策とも言い換えられる。ぼくの場合は口内炎ができそうになったらビタミン剤を飲んでおけばすぐ治るとか、何も考えたくない時は山の畑にいけば安らげるとか。誰しもが自分自身のあるあるはもっている。

皆さんも「あるあるー」と思った時、「本当にこれ体験したか?」と一度考えてみて欲しい。今回はそんな話。後編へ続く。

次回の更新は3月24日(水)です。後編もお楽しみに!

プロフィール

稲葉友(いなばゆう)

1993年1月12日生まれ、神奈川県出身。
2010年、ドラマ『クローン ベイビー』(TBS)で俳優デビュー後、ドラマ、映画、舞台と幅広く活動。
主な出演作に、ドラマ『仮面ライダードライブ』(‘14~’15 EX)、『MARS~ただ、君を愛してる~』(’16 NTV)、『ひぐらしのなく頃に』(’16 BSスカパー!)、『レンタル救世主』(’16 NTV)、『将棋めし』(’17 CX)、映画『ワンダフルワールドエンド』(’15)、『HiGH&LOW』シリーズ、『N.Y.マックスマン』(’18)、『私の人生なのに』(’18)、舞台『すべての四月のために』(’17)、映画『春待つ僕ら』(’19)『この道』(’19)など。
J-WAVE『ALL GOOD FRIDAY』(毎週金曜11:30~16:00生放送)ではレギュラーパーソナリティ―を務める。

撮影/奥田耕平、取材/藤坂美樹、構成/中尾巴、ヘアメイク/速水昭仁、スタイリング/添田和宏
衣装協力/カーディガン各37,000、Tシャツ¥24,000、パンツ¥67,000、シューズ¥23,000/すべてアポクリファ(サカス PR TEL:03-6447-2762)
ネックレス¥27,000、リング¥22,000/ともにシンゴクズノ(シアン PR TEL:03-6662-5525)
その他スタイリスト私物
※すべて税抜き価格

アプリで読む